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ナイスアイデア! 今に続くデザインやコンセプトの先駆者といえる車5選

くるまのニュース / 2021年7月15日 6時10分

現行モデルで人気があるクルマや、受け継がれているコンセプトには始まりがあります。そこで、今に続くデザインやコンセプトを先取りしたようなクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

■先駆者となったクルマを振り返る

 現在、日本の自動車市場で人気のモデルといえば、軽ハイトワゴン/トールワゴンやクロスオーバーSUVが挙げられます。また、ミニバンやコンパクトカーはもはや定番のクルマとして定着している状況です。

 こうした人気車には、必ず始まりとなった先駆者が存在します。一方、そうして誕生したモデルでも、当時はあまり評価されずに消えたモデルもあります。

 そこで、今に続くデザインやコンセプトを先取りしたようなクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「セリカ」

当時としてはかなり斬新なセールス方法を展開した初代「セリカ」当時としてはかなり斬新なセールス方法を展開した初代「セリカ」

 トヨタはマイカー時代の到来に向けた大衆車、初代「カローラ」を1966年に発売しました。目論見どおりカローラはヒットし、その後は日本の自動車市場でもニーズが多様化します。

 そして1970年には、若い世代に向けたスペシャリティカーの初代「セリカ」が誕生。

 当初ボディタイプは2ドアハードトップクーペのみでしたが、後に「リフトバック」と呼称された3ドアハッチバックが追加されます。

 丸目4灯のヘッドライトを配置したフロントフェイスは、カローラシリーズとは異なるシャープな印象で、抑揚のあるリアフェンダーのラインと小ぶりなキャビンによって、洗練されたサイドビューを実現。

 また、初代セリカは「フルチョイス・システム」という、量産車としては画期的なセミオーダープランを展開しました。

 現在、欧州メーカーを中心に高額な高級車では珍しくないセミオーダープランですが、比較的リーズナブルな価格の初代セリカでおこなったのは異例だったといえます。

 具体的には外装が4種類、エンジンが4種類、トランスミッションが3種類、内装が9種類用意され、ユーザーが好みの1台に仕立てることができる(GTグレードは専用のDOHCエンジンとトランスミッション、内外装のみ)システムが構築されていました。

 塗装や各種オプション品を合わせると選択肢は数百万通りにもおよび、仕様が決まるとディーラーに設置された専用端末から工場に直接オーダーできたといいます。

 オーダーから最短で8日、平均10日から11日で、顧客のオーダーどおりのクルマの納車が可能でした。

 しかし、実際には値引きや納期の関係で、それほど自由に組み合わせを選ぶことができないという声が上がり、オーダーの内容に偏りがあったことなどから、モデルライフの途中でフルチョイス・システムは廃止されてしまいました。

●ホンダ「ライフ ステップバン」

現在の軽ハイトワゴンに通じるフォルムを確立していた「ライフ ステップバン」現在の軽ハイトワゴンに通じるフォルムを確立していた「ライフ ステップバン」

 近年、日本でもっとも売れているクルマといえば、軽ハイトワゴン/トールワゴンですが、その元祖といえるモデルはおよそ50年前に誕生した、ホンダ「ライフ ステップバン」ではないでしょうか。

 ホンダは1971年に、大ヒットを記録した軽乗用車「N360」シリーズの後継車として、水冷エンジンを搭載した初代「ライフ」を発売。

 このライフのコンポーネンツを使って、1972年に派生車としてバンタイプのライフ ステップバンが誕生しました。

 外観は背が高いボクシーなフォルムで、極端に短いボンネットがあるセミオーバーキャブのスタイルです。

 一般的な軽ワンボックスバンでは、フロントシート下にエンジンを置き後輪を駆動するFRが主流でしたが、ライフ ステップバンはFFを採用。プロペラシャフトが不要となり、フロア高を下げることで荷室容量を拡大しました。

 ライフ ステップバンは、後部ドアにヒンジドアを採用している以外は現在の軽ハイトワゴンと同様なディテールを確立しており、当時としてはかなり斬新なデザインでした。

 さらに1973年にはライフ ステップバンをベースにした軽トラックの「ライプ ピックアップ」が登場。こちらもかなりユニークなスタイルの軽トラックです。

 しかし、1974年にホンダは登録車の開発、生産に注力するため、軽トラックの「TN」シリーズを除く軽自動車の生産から撤退することになり、ライフ ステップバン/ピックアップは短命に終わりました。

 商用バンとしてはヒット作にならなかったライフ ステップバンでしたが、生産を終了してから若者を中心に再評価され、レジャーカーとして中古車は高い人気を誇りました。

●日産「エクサ」

スタイリッシュながらユニークな機構を採用した「エクサ」スタイリッシュながらユニークな機構を採用した「エクサ」

 1978年に誕生した日産初代「パルサー」は、次世代のFFベーシックカーとして開発されました。1982年には2代目が登場し、スポーティな2ドアクーペの「パルサーエクサ」が加わります。

 そして、1986年のフルモデルチェンジの際にクーペは「エクサ」に改名され、独立した車種に昇格しました。

 エクサのボディは3ドアハッチバッククーペですがリアハッチが2種類あり、ひとつは「クーペ」で、もうひとつはステーションワゴンのようなスタイルの「キャノピー」をラインナップ。

 どちらのタイプもリアハッチの取り外しが可能で、リアシート側をオープンにすることができ、フロント部分の屋根もTバールーフになっていたので、オープンエアドライブが楽しめました。

 さらに、日本仕様のエクサではクーペとキャノピーでリアハッチの互換性がなく、法規的に載せ替えることが出来ないようになっていましたが、海外仕様では互換性があり着せ替えが可能でした。

 なお、こうしたボディ外装の着せ替え機能は、1999年発売のダイハツ「ネイキッド」では一部のパーツが可能で、現行モデルの2代目「コペン」ではボディパネルで実装されており、エクサはまさに先駆者だったといえます。

■今に続くSUVの先駆者だった2台とは?

●スズキ「エスクード」

都会的なデザインを採用したクロスカントリー車だった初代「エスクード」都会的なデザインを採用したクロスカントリー車だった初代「エスクード」

 スズキの現行ラインナップにあるコンパクトSUVの「エスクード」は、1988年に初代が誕生しました。

 初代エスクードはラダーフレームにボディを架装する構造で、リアサスペンションにリジッドアクスルを採用するなど、本格的なクロカン車といえるモデルです。

 一方、外観は2ドアのハードトップとソフトトップをラインナップし、前後ブリスターフェンダーを採用するなどスタイリッシュなフォルムは都会的なクロスオーバーSUVの要素をいち早く取り入れていました。

 その後、1990年にはロングホイールベース仕様の4ドアモデル「エスクードノマド」を追加ラインナップし、使い勝手の良さを向上しました。

 搭載されたエンジンは当初は1.6リッター直列4気筒ガソリンのみでしたが、後に2リッター直列4気筒ディーゼルターボや、2リッターと2.5リッターのV型6気筒ガソリンを設定することで高速性能を向上。駆動方式は全車パートタイム式4WDです。

 初代エスクードはクロカン車ながら現在のSUVと同じくシティユースをメインとするユーザーが多く、後のトヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」誕生の礎になったといえるでしょう。

●スバル「レガシィ グランドワゴン」

ステーションワゴンベースのSUVの先駆け的存在だった「レガシィ グランドワゴン」ステーションワゴンベースのSUVの先駆け的存在だった「レガシィ グランドワゴン」

 現在、SUVの人気が高まっているなか、既存のモデルをSUVに仕立てる手法が広く浸透しています。その先駆け的存在といえるのが、1995年に登場したスバル「レガシィ グランドワゴン」です。

 ベースは2代目レガシィ ツーリングワゴンで、もともとは1994年に北米市場向けに既存のレガシィをベースに内外装をSUVテイストとした初代「アウトバック」の日本版として開発されました。

 ボディはツーリングワゴンに準じていますが専用サスペンションによって最低地上高が200mmまで上げられ、専用デザインのフロントグリルと前後バンパー、サイドプロテクターなどを装備し、ボディ下部をグレーに塗装した2トーンカラーとすることで、SUVらしさを表現しています。

 エンジンは最高出力175馬力の2.5リッター水平対向4気筒自然吸気のみで、トランスミッションは4速ATのみが設定されるなど、ロングツーリングでの性能を重視。

 一方、駆動方式はフルタイム4WDで、リアにビスカスLSDとオールシーズンタイヤが標準装備されるなど、悪路での走破性を向上させています。

 アウトバックはアメリカで大ヒットし、日本でも新ジャンルのステーションワゴンとしてヒットしました。

 その後、国内モデルは車名が「レガシィ ランカスター」となり、2003年には「レガシィ アウトバック」に変わって、国内向けの生産は終了していますが北米市場では2019年に6代目が登場しています。

 既存のステーションワゴンをクロスオーバーSUV仕立てたスバルの手法は、他メーカーにも大きな影響を与え、同様のモデルは欧州メーカーを中心に定着しました。

※ ※ ※

 今回、紹介した5車種以外にも、1982年に誕生した元祖和製ミニバンといえる日産初代「プレーリー」があり、まさに現在のミニバンの要素を備えていました。

 近年、こうしたエポックメイキングなクルマが登場することはまずありません。それほどまでに自動車の進化は成熟の域に達したといえるでしょう。

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