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トヨタ・日産が新型SUV投入! スズキ独占のインド市場で売れるSUVに必要なモノとは

くるまのニュース / 2021年7月28日 9時10分

近年では、世界有数の自動車市場となったインド。以前からスズキが市場を独占するほど強みを見せていましたが、インドにおける「売れるSUV」とはどのようなものなのでしょうか。

■インドでもSUV人気高まるなかで、日本メーカーはどうする?

 世界第5位の自動車市場となっているインド。そんなインドではいま、SUVブームが始まろうとしています。
 
 果たして、インドではどんなSUVが人気なのでしょうか。

 本題に入る前に、インド市場のおさらいをしておきましょう。新型コロナ禍前となる2019年のインドにおける乗用車の販売台数は約380万台。

 同じ年の状況を国別でみると上位から中国(2577万台)、アメリカ(1748万台)、日本(520万台)、ドイツ(402万台)、そしてインドという順番です。

 日本人として驚かずにいられないのは、インド市場における乗用車販売シェアのナンバーワンは「スズキ」だということ。

 スズキのシェアは50%を超え、2位の韓国メーカー「現代(ヒョンデ/ヒュンダイ)」をはじめ、トヨタ、日産、フォルクスワーゲンなどを大きく引き離しています。

 さすがにシェア50%を超えると、2台に1台以上がスズキ車という計算になりますから、街で見るスズキ車の多さにびっくりします。

 では、そんなスズキは現地でどんなSUVを売っているのでしょうか。

 スズキのナンバー人気SUVというよりも、インドでもっとも売れているSUVとして市場をリードしているのが「ビターラブレッツァ」。

 どこかで見たことがあるけれど、見慣れたクルマとはちょっと違う、スタイルを見てそう感じた人も多いかもしれません。

 実は、日本でも売っている「エスクード」をベースに全長を縮めたバージョンです。

 ホイールベースは2500mmで共通ですが、全長は3995mmとエスクードより180mm短縮されています。

 エンジンは1.5リッター自然吸気となり、インドでは動力性能は重視されず、それよりも燃費が良いというイメージのほうが重要です。

 もう1台、スズキの主力となっているSUVが「エスプレッソ」。

 日本でいう「ハスラー」のような雰囲気を持っているこちらは、全長3565mmとビターラブレッツァよりも一回り小さく、プラットフォームは軽自動車などにも使われている「ハーテクト」です。

 ちなみに同社は「ジムニー」をインドで生産していますが、中南米、中東、アフリカなどに向けた輸出専用で2021年現時点ではインド国内では販売していません。

 では、ほかの日本メーカーはインドでどんなSUVを売っているのでしょうか。

 トヨタのインドにおける主力SUVは、2020年8月にニューモデルとしてデビューした「アーバンクルーザー」。全長3995mmの車体に1.5リッターの自然吸気エンジンを搭載します。

 スタイリングを見て、何かに気付く人もいるかもしれません。何を隠そうビターラブレッツァのOEMモデルなのです。

 トヨタはスズキと提携し、インドに限らず一部の海外市場では車両を融通しあっています。

 インドではスズキが圧倒的に強いこともあり、スズキの車両をトヨタとしてOEM販売しているのです。

 また全長4795mmとサイズはかなり大きいですが、東南アジア戦略車として開発されたSUV「フォーチュナー」もラインナップ。

 これは「ハイラックス」のメカニズムをベースにしたフレーム構造で、こちらは価格が高いこともあって販売台数は控えめです。

 日産は全長4384mmの「キックス」を用意していますが、驚くのは日本をはじめグローバルモデルとは異なるインド専用設計だということ。

 Vプラットフォームではなく、ルノー系のプラットフォームを使い、ルノーとの共用部品も多く組み込まれています。

 そしてもう1台、インドで主力といえるのは日本でも自動車系のニュースサイトでも話題になった「マグナイト」です。

 ダットサンブランドのような顔つきをしたこのSUVは、全長3995mmのコンパクトボディに1リッターターボエンジンを搭載。

 2020年12月の発売以来、2021年5月までに1万5000台以上を生産しました。インド向けの日産車では初めて、全長4mを切るSUVというのがポイントです。

■インド市場でボディサイズが「鍵」を握る?

 こうしてインドで販売している日系メーカーのSUVを見ると、主力はコンパクトモデルだということがわかります。

 さらに、「全長3995mm」というのがひとつのキーポイントになっていることが理解できますが、どうしてなのでしょうか。

 それは、インドの自動車の税金が大きく絡んでいるからです。全長4m未満の自動車だと税金の優遇措置があり、なんとインドの乗用車市場では全長4m未満の車両が大多数を占めているのです。

 少し前まで、スズキ以外のメーカーは全長4m未満のSUVを用意していませんでした。

 なぜなら、インドのニーズにあわせた現地仕様を開発せず、大きな車体が好まれるインド以外の市場に向けて開発した車種をインドへも展開していたからです。

 それもあって、インド市場に本気で取り組み、4m未満の小型車を積極展開していたスズキがより販売を伸ばすという結果になりました。

インド市場で好調なスズキの小型SUV「ビターラブレッツァ」インド市場で好調なスズキの小型SUV「ビターラブレッツァ」

 しかし、近年ではインドの自動車市場は世界でも有数の規模となっています。

 そこでインドという成長市場でシェアを高めたい他メーカーも、最近になって全長4m未満のモデルをインド専用に開発して投入してきたのです。

 その動きは日系メーカーだけに留まらず、たとえばインドでの乗用車シェアがスズキに次ぐ2番手となるヒョンデ/ヒュンダイも、2019年に「ヴェニュー」という4mを切るSUVを初投入しました。

 中国メーカー(中国とインドは仲が良くないので中国の会社であることが目立たないようにブランド戦略している)もそれに続く動きを見せています。

 インドの「全長4m未満」は、日本でいうと軽自動車枠のようなもので、軽自動車は日本だけの企画ですが、インドにもまたそれに近い感覚の規格が存在し、そんな事情に合わせた車種を用意しないと販売を伸ばすことができないのです。

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