市販したのがスゴい! メーカーが作ったスーパーマシン3選
くるまのニュース / 2021年7月20日 6時10分
かつて、カスタマイズカーやコンプリートカーの製作は、チューニングパーツメーカーやショップ、小規模なバックヤードビルダーがおこなうのが定番でした。しかし、今では自動車メーカーでも、大規模なカスタマイズカーや、チューニングカーをつくっています。そこで、メーカーが手掛けたスーパーマシンを、3車種ピックアップして紹介します。
■メーカー謹製のスーパーマシンを振り返る
カスタマイズカーの文化は欧米では古くから存在し、その起源を遡ると馬車の時代からといわれています。
そうしたカスタマイズカーやコンプリートカーは、かつて小規模なバックヤードビルダーやチューニングパーツメーカー、ショップが製作するものでしたが、近年は自動車メーカーも参入しており、ライトなモデルからハードなモデルまで、数多く存在。
自動車メーカーがつくるカスタマイズカーやコンプリートカーの特徴としては、技術力の高さを生かした高い品質や、メーカーならではの大胆なモデファイが挙げられます。
そこで、自動車メーカーが手掛けた市販のスーパーマシンを、3車種ピックアップして紹介します。
●メルセデス・AMG「G63 AMG 6×6」
巨大なボディに6輪駆動でセレブをどんな場所にも連れていける「G63 AMG 6x6」
1979年に、NATOの軍用車両だった「ゲレンデヴァーゲン」を民生向けに改良して発売されたメルセデス・ベンツ「Gクラス」は、今ではプレミアムSUVの頂点に君臨するモデルです。
Gクラスにはこれまで数多くのバリエーションが存在しますが、ひと際異彩を放つモデルとしてメルセデス・AMG「G63 AMG 6×6」が挙げられます。
2013年に限定モデルとしてデビューしたG63 AMG 6×6は、メルセデス・AMG Gクラスのトップグレード「G63」をベースに、ホイールベースを伸ばして軍用車の技術を転用した6輪のピックアップトラックです。
ボディサイズは全長5875mm×全幅2110mm×全高2110mmと、小型のマイクロバスほどの大きさですが、乗車定員は4名で、富裕層が優雅にオフロード走行を楽しむことをコンセプトに開発されました。
外観は巨大なカーボンファイバー製のオーバーフェンダーとフロントルーフスポイラー、荷台にはロールケージが装着され、見るものを圧倒するスタイルを実現。内装はさまざまなオーダーが可能とするなど豪華絢爛です。
エンジンは最高出力544馬力を誇る5.5リッターV型8気筒ツインターボを搭載し、駆動方式は6WDを採用。
足まわりではポータルアクスルと呼ばれる「ウニモグ」にも採用される機構によって、最低地上高は460mmを誇り、渡河深度は1mにもなります。
また、5つのデフロック機構や、タイヤ空気圧調整システムを搭載、ロングストロークの足まわりなどにより、砂地、岩場、渡河といったあらゆる悪路を走破することが可能です。
生産台数はトータルでも100台ほどで、日本では2014年に限定数5台で正規輸入され、当時の価格は8000万円(消費税8%込)でした。
●ルノー「クリオ ルノースポールV6」
FFベーシックカーをミッドシップ・スポーツカーに仕立て上げた「クリオ ルノースポールV6」
ルノーはベーシックなモデルから超高性能なモデルまで、さまざまなジャンルのクルマをつくってきましたが、市販したスーパーマシンというとグループB時代の「5ターボ」、屋根すらも装備しないライトウェイトスポーツカーの「スポールスピダー」そして、2001年には2代目「クリオ」をベースにした「クリオ ルノースポールV6」が登場しました。
クリオ ルノースポールV6は、もともとワンメイクレース用に開発されたモデルですが、公道を走るための装備を追加されたピュアスポーツカーとして市販化。
フロントエンジンのFF車であるクリオに対して、クリオ ルノースポールV6はキャビンの後部分がエンジンルームとなっているミッドシップ車で、必然的に2シーター化されています。
外観はベーシックカーであるクリオのシルエットを残しつつも中身は完全に別物で、大きく張り出した前後フェンダーによって迫力あるフォルムをジ実現。
最高出力230馬力を発揮する3リッターV型6気筒自然吸気エンジンをリアミッドに搭載し、トランスミッションは6速MTのみで、0-100km/h加速は6.4秒、最高速度は237km/hというパフォーマンスを誇りました。
2003年にはクリオのマイナーチェンジとともにフロントフェイスを一新したフェイズ2が登場。日本にも「ルーテシア ルノースポールV6」として正規輸入され、当時の新車価格は588万円(消費税5%込)でした。
●日産「ジュークR」
「GT-R」のパワートレインを移植したスーパーSUV「ジュークR」
2010年に登場した日産のコンパクト・クロスオーバーSUV「ジューク」は、斬新な内外装のデザインが好評となったモデルです。
発売当初は1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載したFF車のみでしたが、遅れて高出力な1.6リッター直列4気筒ターボエンジン搭載車と4WD車が追加され、SUVの高まりからスマッシュヒットを記録しましたが、日本国内向けは2019年に生産を終了しました。
そして2011年に、欧州日産はジュークをベースに世界最速のSUVを目指して、コンセプトカーの「ジュークR」を発表。
ジュークRは3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジンと4WDシステムなど、「GT-R」のパワートレインが移植されており、見た目はジュークでありながら中身はGT-Rというモデルです。
ボディやブレーキも487馬力の高出力エンジンに合わせて強化され、最高速度は250km/h以上と公表されました。
そして、2012年に欧州日産は、さらに553馬力まで出力が高められたジュークRを5台限定で販売することを決定。
見た目は派手なエアロパーツが装着されたジュークで、パワートレインはGT-Rという、まさにメーカーならではの内容で、大いに話題となります。
さらに、2015年には600馬力のエンジンを搭載し、外装が大幅に変更された「ジュークR 2.0」が発表され、再び注目されました。
※ ※ ※
大規模なモデファイをおこなうカスタマイズカーはショップやバックヤードビルダーでも製作可能ですが、複数台を市販するとなると話は別です。
市販車として販売するには、安全性や信頼性、環境性能を担保しなければならず、小さな会社ではかなりハードルが高いといえるでしょう。
自動車メーカーの資金力と高い技術力があればもはや不可能は無いといえ、何よりもこうしたモデルは遊び心満点なところが見ているだけでも楽しいものです。
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