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トヨタの販売力をもってしても売れなかった? 苦戦を強いられたトヨタ車3選

くるまのニュース / 2021年7月26日 16時10分

トヨタは2020年に、初の国内シェア50%以上を達成しました。ヒットに恵まれたクルマが多いということもありますが、もうひとつの要因としては、かつて「販売のトヨタ」と呼ばれたほどの販売力です。しかし、いかに優れたトヨタの販売スキルをもってしても、売れなかったモデルが存在。そこで、苦戦を強いられたトヨタ車を、3車種ピックアップして紹介します。

■強力な販売力を持つトヨタでも売れなかったクルマを振り返る

 トヨタの2020年の新車販売台数(レクサスを含む/軽自動車を除く)は147万2210台で、国内シェアは51.1%と初の50%以上を達成しました。

 このコロナ禍においてトヨタが好調なセールスを記録したのは、ヒットに恵まれたクルマがあっただけでなく、トヨタの販売力の強さも理由ではないでしょうか。

 かつて「販売のトヨタ」といわれるほど、ディーラー網の多さや販売スキルの高さは今も健在です。

 しかし、トヨタの販売力をもってしても、売れなかったクルマが存在。そこで、セールス的に苦戦を強いられたトヨタ車を、3車種ピックアップして紹介します。

●パッソセッテ

ヒンジドアのミニバンが売れなくなったことを証明した「パッソセッテ」(画像は「ブーンルミナス」)ヒンジドアのミニバンが売れなくなったことを証明した「パッソセッテ」(画像は「ブーンルミナス」)

 トヨタは2003年に、3列シートと両側スライドドアのコンパクトミニバン、初代「シエンタ」を発売。取り回しのよいサイズのボディと広い室内、ユーティリティの高さから大ヒットを記録しました。

 そして次の一手として、2008年にトヨタ「パッソ」(ダイハツ「ブーン」の姉妹車)をベースに、シエンタの実質的な後継車として、「パッソセッテ」(ダイハツ「ブーンルミナス」)が登場。

 シエンタも併売されましたが2010年には販売を終了し、パッソセッテに一本化されました。

 パッソセッテの「セッテ」とはイタリア語の「7」を意味し、文字どおり7人乗りを表すネーミングです。

 シエンタとの大きな違いとして、リアドアは低コストのヒンジドアを採用し、さらに装備を簡素化した結果、価格は149万円(消費税5%込)からと、魅力的な価格設定を実現。

 しかし、ユーザーからは利便性の面でヒンジドアが不評で、パッソセッテの販売は極端に低迷してしまいました。

 そこでトヨタは、異例ともいうべきシエンタの再販を決定し、2011年にシエンタのマイナーチェンジモデルの販売が開始され、パッソセッテとブーンルミナスは2012年に生産を終了。

 今ではトヨタだけでなく国内の他メーカーも含め、リアがヒンジドアのミニバンは淘汰されています。

●オーパ

中途半端感は否めなかったステーションワゴンの「オーパ」中途半端感は否めなかったステーションワゴンの「オーパ」

 かつてトヨタは、コンパクトなモデルから大型サイズまで、数多くのステーションワゴンを同時期にラインナップしていました。

 そのなかの1台が2000年に発売された「オーパ」で、ミニバンでも乗用車でもない新ジャンルの次世代ミディアムカーというコンセプトで誕生。

 ボディは5ドアハッチバックに近いショートタイプのステーションワゴンで、フロントウインドウの傾斜を寝かせたシャープなフォルムが特徴でした。

 内装も広いだけでなく、コラムシフトの採用によりウォークスルーを可能とした前席や、スライド可能な後席と多彩なシートアレンジで生まれるフラットスペースなど、ミニバンのエッセンスも取り入れられていました。

 搭載されたエンジンは最高出力136馬力の1.8リッター直列4気筒エンジン搭載車のみを設定していましたが、後にトヨタ初のCVT(スーパーCVT)を組み合わせた2リッターエンジン車を追加ラインナップし、バリエーションを拡大。

 しかし、オーパはステーションワゴンとしては中途半端な印象で、使い勝手の良さが持ち味でしたがヒットすることはないまま、2005年に生産を終了。後継車は無く、一代限りで消滅してしまいました。

●ヴォルツ

いま見るとスタイリッシュなSUVながら売れなかった「ヴォルツ」いま見るとスタイリッシュなSUVながら売れなかった「ヴォルツ」

 かつて、日本からアメリカへの工業製品の過剰な輸出から日米貿易摩擦が起こり、1980年代には大きな社会問題へと発展。

 その原因のひとつが自動車で、日米間の貿易不均衡を改善するために、1980年代の終わりから日本企業とアメリカ企業の合弁事業が数多く立ち上がり、トヨタはGMと協業を開始しました。

 両社は北米と日本で販売するクルマの共同開発をおこない、そのなかの1台が2002年に登場した「ヴォルツ」です。

 トヨタとGMは共通のカローラ系プラットフォームを用いて、トヨタがショートワゴンタイプのコンパクトカー「マトリックス」を発売し、GMはマトリックスとデザインの異なるクロスオーバーSUVのポンティアック「ヴァイブ」を発売しました。

 このヴァイブを右ハンドル化して、アメリカにあるトヨタとGMの合弁会社で生産をおこない、日本へ輸入。トヨタブランドから販売したのがヴォルツと、少々複雑なモデルです。なお「スプリンター カリブ」の実質的な後継車でもありました。

 ボディはやや背の高いミドルサイズの5ドアハッチバックで、ルーフが後ろに向かって傾斜するクーペフォルムを採用。

 フロントバンパーやフロントフェンダー、サイドアンダーパネル、リアバンパーがボディ色とは異なるグレーに塗装されるなど、まさに現在のクロスオーバーSUVの作法に則っています。

 搭載されたエンジンは2種類の1.8リッター直列4気筒DOHCで、なかでも「Z」グレードには最高出力190馬力を誇るスポーツユニットの「2ZZ-GE型」エンジンを搭載。トランスミッションは4速ATと6速MTが設定されるなど、走りも重視したSUVというコンセプトでした。駆動方式はFFとスタンバイ式の4WDも設定されています。

 しかし、ヴォルツはトヨタ車らしからぬデザインが日本で受け入れられなかったのか販売は極端に低迷し、発売からわずか1年8か月で生産を終了。

 今では中古車市場に出回る個体も少ない、珍車となってしまいました。

※ ※ ※

 最後に紹介したヴォルツと同様に貿易不均衡是正を目的としたモデルとして、1996年に発売されたトヨタ「キャバリエ」があります。

 キャバリエがヴォルツと異なるのは、あくまでもGMが開発したシボレーブランドのOEM車だったことです。

 このシボレー キャバリエを右ハンドル化して、ウインカーレバーを右側に移すほか、日本市場向けの味付けを施してトヨタエンブレムに変えただけのモデルでした。

 当然ながら販売は低迷して2000年に販売を終了しましたが、両国はそれほどまでに緊迫した関係だったということでしょう。

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