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もう二度と出ることは無いかも? 大排気量エンジンのスポーツワゴン3選

くるまのニュース / 2021年7月29日 6時10分

近年、SUV人気に押されて需要が低迷しているステーションワゴンですが、使い勝手の良さとドライビングプレジャーについて優れたバランスのモデルといえます。そこで、今はなき大排気量自然吸気エンジンを搭載したスポーティなステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。

■大排気量NAエンジンを搭載したスポーティなステーションワゴンを振り返る

 ここ数年で急激に勢力を拡大しているSUVですが、その影響で数を減らしているのがステーションワゴンです。直近ではスバル「レヴォーグ」やトヨタ「カローラツーリング」など新型車が登場して、比較的好調なセールスを記録していますが、絶対数は多いとはいえません。

 そんなステーションワゴンは、ユーティリティの高さとドライビングプレジャーが高次元でバランスしているモデルといえ、日本市場では1990年代に隆盛を極めていました。

 当時はバリエーションも豊富で、ベーシックなモデルから高級車までラインナップされ、なかには高性能なモデルも存在。

 そこで、今はなき大排気量自然吸気エンジンを搭載したスポーティなステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「ステージア アクシス350S」

王道のフォルムでスポーティなLサイズワゴンの代表的存在だった「ステージア」王道のフォルムでスポーティなLサイズワゴンの代表的存在だった「ステージア」

 かつて、日産は数多くのステーションワゴンをラインナップしていましたが、現在は市場から撤退してしまいました。

 その日産を代表するステーションワゴンとして君臨していたのが「ステージア」です。

 1996年にステーションワゴン専用モデルとしてデビューした初代「ステージア」は、9代目「スカイライン(R33型)」と主要なコンポーネンツを共用するかたちで開発。なかでも伝説的な高性能モデルとして、スカイラインGT-Rのエンジンやドライブトレインを移植した「ステージア オーテックバージョン260RS」が今も語り継がれる存在です。

 その後、2001年には11代目スカイライン(V35)とプラットフォームを共用する2代目がデビューし、よりプレミアムな大型ステーションワゴンへと進化しました。

 2代目では260RSを彷彿とさせる、最高出力280馬力の2.5リッターV型6気筒ターボを搭載した「250t RS FOUR V」が設定されていましたが、さらに特別なモデルとして2003年にオーテックジャパンから「ステージア アクシス350S」が登場。

 最高出力280馬力を誇る3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTが組み合わされるなど、シリーズ最強の自然吸気モデルでした。

 しかし、2代目ステージアが登場した頃にはすでにステーションワゴン人気も陰りをみせており、次第に販売は低迷。2007年に生産を終了して、後継車はありませんでした。

●スバル「レガシィツーリングワゴン 3.0R」

シリーズでも貴重な水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載した「レガシィツーリングワゴン 3.0R」シリーズでも貴重な水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載した「レガシィツーリングワゴン 3.0R」

 スバル「レガシィツーリングワゴン」といえば、高性能ステーションワゴンの先駆け的存在で長らく市場をけん引していたモデルでしたが、2014年に6代目レガシィのデビューとともにツーリングワゴンは国内販売を終了しました。

 レガシィというと初代から高性能グレードにはターボエンジンが定番ですが、2003年に登場した4代目では異色の高性能モデルとして「3.0R」が登場。

 3.0RはB4とツーリングワゴンのどちらにも設定され、上質かつパワフルなフィーリングの3リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力は250馬力を発揮しました。

 出力的にはターボエンジンに劣りますが、大排気量自然吸気エンジンならではのアクセルレスポンスに優れた特性と、スムーズな吹け上がりが特徴です。

 トランスミッションは当初6速MTが組み合わされ、後に5速ATが追加されました。

 さらに、2004年には専用チューニングのビルシュタイン製ダンパーや、専用の外装パーツ、18インチホイールを装備する「3.0R Spec B」が追加ラインナップ。

 3.0Rは4代目のみにラインナップされ、販売台数もターボエンジン車よりも少ないことから、今では貴重な存在です。

●BMW「M5ツーリング」

F1テクノロジーをフィードバックして開発されたV10エンジン搭載の「M5ツーリング」F1テクノロジーをフィードバックして開発されたV10エンジン搭載の「M5ツーリング」

 欧州でもSUV人気が続いていますが、まだまだステーションワゴンの需要も高く、各メーカーからラインナップされ、ハイパワーなモデルも昔から数多く存在しています。

 そんな欧州製高性能ステーションワゴンのなかでも際立って特殊なモデルだったのが、BMW「M5ツーリング」です。

 M5は5シリーズをベースにした特別な高性能モデルとして知られていますが、2005年に発売された4代目M5では、当時、BMWがF1用エンジンを供給していたことから、その技術をフィードバックした最高出力507馬力を発揮する5リッターV型10気筒自然吸気エンジンを搭載。

 10連の独立スロットルを装備し、最高回転数は8000rpmを誇るなど、まさにシリーズ屈指のNAエンジンです。

 なお、エンジン始動時は最高出力400馬力に抑えられた「P400パフォーマンスプログラム」モードが自動的に選択され、フルパワーを発揮させるにはドライバーがマニュアルで「P500プログラム」モードに切り替える必要がありましたが、400馬力でも十分すぎるパワーといえるでしょう。

 トランスミッションは7速SMG(AMT)が組み合わされ、駆動方式は2WDのFRです。

 外観は前後ワイドフェンダーでフロントフェンダーには「Mハイパフォーマンスモデル」の証であるエアアウトレットが装着され、専用の19インチホイールや4本出しマフラーなど、見た目にも高性能さを主張しています。

 4代目M5は約2万台生産されましたが、M5ツーリングはわずか1000台ほどの生産台数で、日本には正規輸入されませんでした。今では欧州でも大変希少なモデルです。

※ ※ ※

 日本で大排気量エンジン車は自動車税の面で不利になりますが、とくに自然吸気エンジンの独特のパワーフィールは大いに魅力的です。

 しかし、最高出力や環境性能の点ではターボエンジンが有利なため、世界的にも大排気量の自然吸気エンジンは数が少なくなってしまいました。

 現状ではまだまだ入手可能ですが、今後は電動化も進むため、大排気量自然吸気エンジンはますます貴重な存在になりそうです。

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