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レクサス「LFA」が1億7500万円で落札! ニュル・パッケージは別格だ

くるまのニュース / 2021年8月21日 19時10分

2021年のモントレーで開催されたRMサザビーズオークションには、2台のレクサス「LFA」が出品された。スタンダードモデルとニュルブルクリンク・パッケージでは、どれくらい価値に差があるのだろうか。

■至高のV10サウンドを奏でるレクサス「LFA」

 2009年10月、第41回東京モーターショーで、歴史に残るクルマがワールドプレミアされた。レクサス「LFA」である。

 4.8リッターV型10気筒の1LR−GUE型エンジンをフロントミッドシップに搭載し、6速のASG(オートメーション・シーケンシャル・ギアボックス)を介して駆動するFR方式を採用したLFAの重量配分は48:52となっているが、それはトランスアクスル構造や、ラジエーターをリアへ配置するなどして実現された。

 シャシはカーボンモノコックを採用し、車両重量は1480kgと軽く、V10エンジンが発生する560ps/480Nmという出力によって、最高速度は325km/h、0−100km/h加速は3.7秒を実現している。

アメリカで販売されたニュルブルクリンク・パッケージはわずか25台のみ(C)2021 Courtesy of RM Sotheby'sアメリカで販売されたニュルブルクリンク・パッケージはわずか25台のみ(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●500台限定の「LFA」

 製造はトヨタ元町工場内の専用工房でおこなわれ、販売台数は500台のみ。日本での販売価格は3750万円だった。

 しかし、レクサスLFAの魅力は、それだけではない。実際に聴いたヤマハがチューニングしたエンジンサウンドは、それまでに体感したことがないものだった。V10エンジンの音だけではなく、内装材の材質や形状、風切り音にもこだわったサウンドの聴かせ方は、ゆっくり走っているときでさえ、走る楽しさを伝えてくれた。

 速いだけのクルマはたくさんあるし、価格が高いクルマもたくさんある。販売台数をごく少数に絞ったクルマも、もちろんある。カーボンセラミックブレーキローターや、グラスコックピットなどといった装備を持つスポーツカーはもはや当たり前の時代だ。

 しかしレクサスLFAは、それらのアイテムのすべてに、装備すべき意味を持っている。まさにスーパースポーツというにふさわしい、高い価値を持つクルマといえるものだ。

 そんなレクサスLFAは、世界各国からオーダーが入り、日本では最終的に約200台が販売されたといわれている。つまり残りの300台程度が、他国で販売されたわけだ。

 その500台という販売台数のなかには、サーキット走行をターゲットとした『ニュルブルクリンク・パッケージ』が50台程度含まれている。

 このニュルブルクリンク・パッケージは、標準車に固定式リアウイングやカナードスポイラーなど空力パーツを装備し、ホイールをアルミ鍛造からマグネシウム鍛造に変更。車高も10mm程度低くなっている。

●ニュルブルクリンク・パッケージとは

 今回、アメリカ・モントレーで開催されたRMサザビーズオークションに出品されたLFAは2台あったが、そのうちの1台がこのニュルブルクリンク・パッケージである。

 アメリカで販売されたニュルブルクリンク・パッケージはわずか25台のみ。そのほとんどは、オレンジやホワイトといった、世界的に人気が高いボディカラーだったのだが、この個体はブラックで、アメリカではたった3台しか存在していない。

 しかもこの個体は、オーストラリアにある『The Fox Collection』という、コレクターによって保管されていたもの。文字どおりの、コレクターコンディションである。

 走行距離は926マイル(約1500km)しかない。空調設備の整ったガレージで保存されていたので、コンディションは良好だ。

 こうしたこともあり、この個体につけられたエスティメートは、90万ドル(邦貨換算約9860万円)から110万ドル(同約1億2000万円)という、高額での落札が予想されていた。

■驚愕の「LFA」の落札価格とは?

 RMサザビーズオークションに出品されたもう1台のLFAは、標準モデルである。走行距離は3850マイル(約6160km)と少なく、ボディカラーはメタリックシルバー。このメタリックシルバーのLFAは、26台のみがデリバリーされた。

メタリックシルバーのLFAは、26台のみがデリバリーされた(C)2021 Courtesy of RM Sotheby'sメタリックシルバーのLFAは、26台のみがデリバリーされた(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●標準モデルでもプレ値がつく「LFA」

 インテリアは最初のオーナーのリクエストによって、レッドを基調としたレザーでまとめられていて、ステッチはブラック、ヘッドライナーは黒のアルカンターラで仕上げられ、フロアマットもレッドだ。シルバーのボディのなかで、ブレーキキャリパーのみをレッドとしているのは、このインテリアとのコーディネイトを考えてのもの。センスのよさが感じられる。

 この美しいLFAの落札予想価格は、50万ドル(邦貨換算5480万円)から70万ドル(同約7670万円)であった。同時に出品されていたニュルブルクリンク・パッケージと比べれば安いと思ってしまうところだが、しかし新車価格からいえば、2倍近いプライスとなっている。

 つまりこれは、レクサスLFAが走りを楽しむものではなく、コレクターズアイテムとなってしまったことを意味している。確かに、500台のみしか存在しないクルマということを考えれば、大事に保管をしておきたくなる気持ちもわかる。

 しかし、あのサウンドや走っているときのフィーリングは、ほかのクルマでは味わうことができない唯一のものだ。できればその価値が分かる人にオーナーとなってもらいたいのだが、それは贅沢な希望なのだろう。

 実際、2021年8月14日に開催されたオークションでの落札価格は、予想をはるかに超えるものとなった。

●予想よりもはるかに高額で落札

 まずニュルブルクリンク・パッケージは、160万ドル(邦貨換算約1億7500万円)であった。確かに状態は極めてよく、世界で25台しかないという希少性もある。が、この価格は、日常的に走りを楽しむ人が購入するというレベルのものではない。おそらくは個人のコレクターか、どこかのカーコレクションが、大事に保管をするのだろう。

 標準モデルの方も、81万9000ドル(約8950万円)と、予想落札価格を超えるハンマープライスとなった。

* * *

 もともと4000万円近いクルマを、新車で実際に所有できるなどというのは、かなりハードルが高い。しかし一縷の望みとして、何十年か経てば、もしかしたら中古車で買えるかもしれないと思っていた人もいたかもしれない。しかし、この落札価格を見るともはや値下がりすることは現実的にないだろう。

 LFAは、つくればつくるほど赤字であり、LFAが再販されることも、こうしたクルマがこれから先登場することも難しいだろう。LFAの走りやサウンドを自分のものとして楽しみたい人は、今後の値上がりのスピードよりも速く、市場に現れたらすぐに手を打つことをおすすめする。なにせ500台である。市場に現れる機会は、そう多くはないのだ。

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