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なぜバックすると「ピーピー」鳴る? MT車では音が鳴らずAT車で鳴る理由

くるまのニュース / 2021年8月29日 9時30分

AT車を運転していると、シフトを「Rレンジ」に入れた際、ピーピーという警告音が鳴りますが、MT車を運転すると警告音が鳴らないのはなぜなのでしょうか。

■昔のクルマでは鳴らなかった? バックの時にピーピー鳴る理由とは?

 近年のクルマでは、バックで駐車をする際など、シフトを「Rレンジ(リバース)」に入れると「ピーピー」という警告音が鳴るのが一般的です。
 
 このピーピーという警告音は、なぜ鳴るように設定されているのでしょうか。

 基本的に近年のクルマは、バックする際にシフト「Rレンジ(リバース)」に入れると、「ピーピー」という「リバースワーニング」が鳴るように設定されています。

 このリバースワーニングは、一部鳴らないクルマも見受けられますが、どのような違いがあるのでしょうか。

 リバースワーニングの設定の有無は、「MT(マニュアルトランスミッション)」か「AT(オートマチックトランスミッション)」かで、大きく異なると考えられます。

 MT車では、一般的に「Hパターン」と呼ばれる形状にシフトが並べられているため、Rレンジが5速の下や6速の隣など、一番高いシフトの付近に設定されていることが多く、Rレンジと、発進時に利用する1速を誤ることが少なかったといえるでしょう。

 また、5速から誤ってRレンジにシフトを移動させようとしても、一般的には回転数の違いからシフトチェンジできないため、運転者が自ら誤りに気づくことが多いと考えられます。

 トヨタ「86」などは、Rレンジが1速の隣に設定されていますが、シフトレバーの下部についているレバーを引き上げながら操作しなくては、Rレンジにシフトチェンジすることができない仕様になっているため、1速と間違うことは基本的にないといえます。

 マツダ「ロードスター」についても、Rレンジに入れるためには、シフトレバーを垂直方向に押し込みながら操作する必要があり、86同様に誤ったシフトチェンジをする可能性は低いといえるでしょう。

 こうしたMT車のシフトチェンジの特徴から、特にRレンジとほかのシフトに区別をつける必要はなかったのではないかと考えられます。

 一方でAT車の普及率は、1984年には42.9%と、MT車に比べその数は少なかったものの、2015年には98.4%となっており、現在の日本の新車市場ではAT車が全体の99%を占めるともいわれています。

 そんな1980年なかばから普及率が高まりを見せたAT車は、MT車のHパターンとは大きく異なり、当時、Rレンジと「Dレンジ(ドライブ)」や「Pレンジ(パーキング)」が一直線型になった「ストレートパターン」が一般的となりました。

 このストレートパターンに変化したことで、MT車に比べ、RレンジとDレンジの距離が近くなったとともに、簡単に誤ったシフトにシフトレバーが入ってしまう可能性が高くなったと考えられます。

 実際にロードスターでは、AT仕様にはリバースワーニングが設定されているものの、MT仕様には設定されておらず、オプションなども用意されていないようで、マツダの販売店スタッフは以下のように話します。

「AT車のストレートパターンでは、RレンジとDレンジが同じ直線状に並んでいるため、MT車に比べると、感覚的に慣れていても誤った操作をしてしまう可能性が高くなっているといえます」

 つまり、シフトがHパターンでRレンジへの操作ミスが少ないMT車には、基本的にリバースワーニングが設定されておらず、シフトミスの起きやすいと予想されるAT車では、音を出すことでRレンジとDレンジの違いを聴覚的にも認識できるようにし、事故の発生を未然に防いでいると考えられます。

 よって、昔のクルマがリバースワーニングが鳴らなかったというよりも、AT車の普及につれて、リバースワーニングを設定するクルマも増えたと捉えるのが良いでしょう。

※ ※ ※

 なかには、リバースワーニングについて必要ないと考えている人もいるかもしれませんが、前出の販売店スタッフは、「リバースワーニングの設定をオフにしたり、音量を下げたりすることはできない」といいます。

 リバースワーニングは、運転者自身にシフトがRレンジに位置していることを知らせる一方で、周囲の人へクルマがバックすることを伝える役割も持っています。

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