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純ガソリン車は最後!? 日産新型「Z」は歴代モデルの集大成! 半世紀におよぶ歴史に迫る

くるまのニュース / 2021年9月6日 10時10分

7代目となる新型「Z」が北米で発表されました。日産が誇る日本のスポーツカー「フェアレディZ」の最新モデルには、どんな歴史が込められているのでしょうか。

■日産「フェアレディZ」がたどってきた歴史とは

 2021年8月18日に、米・ニューヨークで日産新型「Z」(日本名:フェアレディZ)の北米での市販モデルが世界初公開されました。

「Z」のサブネームが付けられてからは7代となる新型モデルには、歴代モデルの要素が数多く盛り込まれています。

 純ガソリンエンジン車としては最後になるであろう新型Zは、これまでのZの集大成ともいえるモデルですが、歴代モデルはどのような進化をたどってきたのでしょうか。

●フェアレディZとなった「S30/31」型

 それまで英国調の2シーターオープンカーだったダットサン「フェアレディ」に後継モデルとして、S30型フェアレディZが1969年に登場。

エンジンは直列6気筒の2リッター(L20型)、2.4リッター(L24型)、2リッターDOHC(S20型)が搭載されました。

 直列6気筒は全長が長いため、ボディの全長に占めるエンジンフード部分も長くなることから「ロングノーズ、ショートデッキ」を採用。古いジャガーやフロントエンジンのフェラーリ流のスタイルとなり、しかも安価であったことから、このモデルはアメリカで大人気となりました。

 そして、このロングノーズ、ショートデッキスタイルが、これ以後のフェアレディZの伝統となっていきます。

 フロントマスクのバリエーションでは、「ラジエーターグリルが開口しているZとZ432の標準マスク」「フロント前端を延長し、ラジエーターグリルを隠し、ヘッドライトにカバーを装着した240Z-G」「標準マスクのままヘッドライトにカバーを装着した、240Z-L」の3種類がありました。

 さらにモデル途中には、ホイールベースを延長した4人乗りの「2by2」を追加設定しています。

 なお「S31型」は「S30型」排出ガス規制対策後の型式です。

●GTカーの性格を強めた「S130型」

 2代目の「S130型」は、1978年に登場しました。

 排出ガス規制の強化をクリアしつつ、さらにパワーアップを図るためS130型は新たなエンジンバリエーションを設定し、2.8リッターエンジンを追加しました。

 しかしスポーツカーらしい軽快さは薄れ、グランドツーリングカー的な性格に変わっていきます。

 スタイルは、S30型を感じさせる思わせるフロントマスクの形状となり、2代目モデルにして伝統となった形です。

 モデル途中には屋根の一部が開く「Tバールーフ仕様」や、2リッターL型ターボエンジン搭載車を追加設定、高性能ぶりの復活とバリエーションを拡大していきます。

●エンジンをV6に変更した「Z31型」

 Z31型は1983年に登場しました。この時期にメーカーの型式規則が変更されたため、記号がZになったのです。

 エンジンは、伝統の直列6気筒から新型のV型6気筒に変更されました。

 V型エンジンは直列4気筒並みの長さであるために、本来であればロングノーズは不要です。しかし、ロングノーズがフェアレディZの伝統になっていたので、このスタイルを取ったのでしょう。

 特筆すべきはエンジン性能で、とくに3リッターターボエンジンは当時の国産車最強の230馬力を発揮しました。

 1985年には新開発の2リッター直列6気筒ターボエンジン(RB20DET型)を搭載。さらに1986年には大幅なマイナーチェンジでボディが丸みを帯びるとともに、3ナンバー車は輸出仕様と同じワイドフェンダーを採用して迫力を増しています。

 同時に3リッター自然吸気エンジン(VG30DE)を追加し、スパルタンさを取り戻していったのでした。

■最新モデルは伝統と未来が融合したスタイルを採用

●スポーツカーとGTカーが融合した「Z32型」

 1989年に登場したZ32型は、5ナンバー車を廃止ました。さらにスタイルの基本を2by2とし、伝統のロングノーズもやや低下しました。

 一方でテールランプはS30型のデザインを彷彿させ、フロントマスクや全体のプロポーションは変わっても、初代モデルからの伝統を感じさせるスタイルを採用しています。

歴代「フェアレディZ」歴代「フェアレディZ」

 エンジンは280馬力の3リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、高性能ぶりにさらに磨きがかかりました。

 1992年にはフェアレディZ初のコンバーチブルを追加。高級オープンモデルのジャンルを作ります。

 この時期にはより速いフルタイム4WD車が次々と登場し、相対的にフェアレディZの位置づけは「高級な雰囲気と高性能を楽しむGTカー」へと変化していきました。

●日産復活の象徴だった「Z33型」

 Z33型は日産の経営復活を象徴するモデルとして2002年に登場しました。

 S30型を現代的に解釈したスタイルとされ、フロントマスクや全体のプロポーションなどにS30型の要素を感じさせました。

 エンジンは3.5リッターV型6気筒(VQ35DE型)を搭載。当初こそ他車の流用を感じさせましたが年々改良し、2007年には大幅改良版の「VQ35HR」を搭載します。

 バリエーションのうえでも、2003年にはフルオープンのロードスター、2007年には3.8リッターエンジンのNISMO仕様を設定するなど常に魅力の向上を図り、フラッグシップとして力が入ったモデルとなりました。

●正常進化の「Z34型」

 Z34型は2008年に登場します。シャシはZ33型のホイールベースを短縮して改良したもので、運動性能も向上しました。

 ホイールベース短縮の効果により、全体のプロポーションやリアサイドウィンドウは、よりS30型を思わせる形状となっています。

 一方で、前後のランプには当時流行していた「ブーメラン型」を採用し、古さのなかにも新しさを感じさせる要素を取り入れました。

 エンジンは、バルブリフト量でエンジン出力を制御する仕組みを採用した「VQ37VHR」エンジンを搭載。

 トランスミッションは、MT車はエンジンの回転数を自動的に同期するシンクロレブコントロールシステム、AT車は7速に進化するなど、古典と最新技術が共存するモデルとなりました。

●新型モデル

 北米で2022年に発売される新型モデルは型式こそZ34型を名乗るようですが、スタイルに歴代モデルのモチーフを取り入れ、これまでのZの伝統と未来が融合したデザインとなっています。

 フロントマスクにはS30型の「240Z-L」、全体のラインはS30型やZ31型、Z33型、テールランプ形状はS30型やZ32型、テール部全体はZ31型後期モデルを思わせます。

 イメージカラーのイエローも、S30型やS130型が採用したものに近い色合いですが、現代の技術を用いて、より鮮やかな発色が可能になりました。

 内装もZ31型までの横に並んだ丸型メーターをデジタルで再現し、さらにインパネのセンターにはアナログのサブメーターを装備するなど、最新の技術と古典的なコクピットを融合しています。

 エンジンは、405馬力を発生する最新の3リッターV型6気筒ツインターボ(VR30DETT型)を搭載し、日産のフラッグシップモデルとしての性能を得ました。

 トランスミッションは6速MTと新開発の9速MTを設定。これまでのZファンはもちろん、そして将来のファンにもワクワクする走りを提供するようです。

※ ※ ※

 新型Zは、北米で2022年春に発売される予定です。日本では2021年冬に発表されることになっています。

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