なぜ高速道に「電話ボックス」や「鯉のぼり」設置? 知っておくと便利! 正しい利用方法とは
くるまのニュース / 2021年9月15日 18時10分
高速道路の路肩に設置されている謎の電話ボックスや鯉のぼりは、何のために設置されているのでしょうか。その理由をNEXCOに聞いてみた!
■高速道路に「電話ボックス」?誰が何のために利用する?
高速道路などの路肩では、「電話ボックス」のようなモノが設置されています。
日常においては利用する機会が少ないものですが、どのような役割があるのでしょうか。
高速道路の路肩に設置されている電話ボックスのようなものは、正式名称を「非常電話」といい、その名の通り、非常時に利用するために設置されています。
非常電話は、トンネル内やサービスエリアなど、高速道路上のあらゆる場所に設置されており、NEXCO各社の場合にはトンネル内などで200m、それ以外の場所では基本的に1km間隔で設置されています。
しかし、現在では多くの人が携帯電話を所持しているため「非常電話を使う機会なんてあるの?」と考える人もいるでしょう。
では、実際にこの非常電話はどのような場合に活用されるものなのでしょうか。
NEXCO東日本の広報担当者は「高速道路上での事故やクルマの故障など、非常事態発生時に利用してください」と話します。
もちろん、携帯電話が使用できる状況の場合には、携帯電話を使用するのもひとつの手ですが、事故の衝撃によっては携帯電話の破損や紛失も考えられます。
非常電話では、受話器を手に取ると自動的に道路管制センターへ電話がつながり、電話をかけている場所もおおよそ把握できるようになっています。
さらに、会話が困難な場合には、非常電話に設定されている「故障」「事故」「救急」「火災」などのボタンを押すことで、非常電話付近でどのようなトラブルがあったかを管制センターが知ることができます。
ボタンを押したり、会話ができないような状況の場合について、NEXCO東日本の広報担当者は「とにかく受話器を叩くなどの合図をして、緊急事態を伝えてください」と話します。
非常電話を利用する際は、路肩にクルマを停車させたり、クルマから乗員が降車したりすることが考えられますが、高速道路上では駐停車禁止なうえに、人が路上に出ることは事故のリスクも高く、非常に危険であるといえます。
NEXCO東日本の広報担当者は、非常電話の使用について以下のように話しています。
「高速道路は駐停車禁止のため、非常電話は事故・故障でやむを得ず走行ができなくなった際に利用するようにしてください。
また、非常電話まで移動する際には、通行車両や足元に十分注意し、ガードレールの外側など安全な場所を歩いて移動してください」
※ ※ ※
非常電話はあくまでも非常時に活用し、活用する際には焦らず、周囲の安全をしっかりと確保したうえで行動するように注意しましょう。
■なぜ高速道路に「鯉のぼり」があるのか?
非常電話のほかにも、高速道路上にはあらゆるものが設置されています。
高速道路に設置されているもののなかには、「吹き流し」や「スノーポール」などが挙げられます。
例えば、吹き流しは、一見「鯉のぼり」のようにも見える設置物ですが、実際には、風の強さや方向などを走行中のドライバーが目で見てわかるように設置されているものです。
吹き流しについて、NEXCO中日本の広報担当者は以下のように話します。
「吹き流しは、平野部や橋の上、トンネルの出入り口付近など、風の通り道となる場所に設置されています。
風速10m/秒で吹き流しがおおむね真横になびくようになっており、そのような状況では、クルマも風にあおられやすくなっているため、運転に注意が必要です」
風速10km/秒で吹き流しがおおむね真横になびくようになっている
また、スノーポールは、設置間隔が50mから100m程度、高さ2mから3mの積雪地に多く見られる棒状の設置物です。
積雪地では一般的によく見られるものですが、実際にどのような役割をもっているか知っている人は少ないかもしれません。
スノーポールは、赤と白の縞模様になっているのが特徴的で、吹雪などによって視界が悪い時の視線誘導や除雪の際の目標として設置されています。
スノーポールが設置されていることで、除雪作業も安全かつ円滑におこなうことができ、ホワイトアウトなどの視界が悪い時には運転者の走行の目安として役割を発揮します。
実際に、積雪の多い地域でクルマを運転する人は、スノーポールについて「普段の運転ではあまり存在を気にしていませんでしたが、たしかに吹雪のときなどは目印にして運転していることもあります」と話しています。
※ ※ ※
非常電話や吹き流し、スノーポールの利用方法や活用方法を知っておくことで、いざというときにも余裕が生まれます。
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