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雪も走れる夏タイヤが激進化! ミシュランの新オールシーズンタイヤの実力とは

くるまのニュース / 2021年9月29日 10時10分

ミシュランの全天候型タイヤ「CROSSCLIMATE(クロスクライメート)2」が2021年10月8日より順次発売されます。正常進化したという新オールシーズンタイヤの実力はどうなのでしょうか。テストコースにて冬のスノー路面、そして春夏秋のドライ・ウエット路面を試走しました。

■人気のオールシーズンタイヤが進化して登場

 ミシュラン「CROSSCLIMATE(クロスクライメート)」シリーズは、欧州、そして日本でも人気の全天候型(オールシーズン)タイヤです。

 初代は2015年に欧州で発売。そこでは96%と高い消費者満足度を獲得したそうです。2017年には早くも「クロスクライメート+」に進化しています。日本では2019年に販売を開始、初年度の販売目標達成率は293%、2020年の成長率は前年対比156%、2021年は同137%と、評判が評判を生み、右肩上がりに成長しているのがわかります。

 そして今シーズン、新たに登場したのが「クロスクライメート2」です。サイズは15インチから20インチ、35シリーズから65シリーズまで全61サイズ、価格はオープンで、この10月8日より順次発売されます。

 新クロスクライメート2は、新開発のトレッドコンパウンド「サーマル・アダプティブ・コンパウンド」を採用しました。これはドライやウエット路面、スノー路面など刻々と変化する路面状況に幅広く対応するコンパウンドで、一年を通して安全性に寄与するといいます。

 トレッドパターンには「新Vシェイプトレッドパターン」を採用。これは従来のパターンよりもV字角が大きく切れ込んだデザインになっていて、これにより排水や排雪性能を向上、ウエット路やスノー路面で高いパフォーマンスを発揮するそうです。

 またエッジ部に施された面取り加工「Vランプエッジ」によりブロックの倒れ込みを防止、接地面が最大化されることによりドライ路面での高い制動力を発揮。さらにブロック同士がお互いに支え合う「LEVサイプ」により倒れ込みを抑制、グリップを発揮するとともに耐摩耗性と転がり抵抗低減に寄与しているそうです。

 この結果、雪上でのブレーキング性能が7%向上、ウエット路面でのブレーキング性能が6%向上、ドライ路面でのブレーキング性能が5%向上。さらに初期性能を長期間継続するといいます。

※ ※ ※

 カタログ上では従来モデルと比べて進化を見せるクロスクライメート2ですが、実際はどのようなタイヤに仕上がっているのでしょうか。

 まずは2月に北海道・士別市にある交通科学総合研究所士別テストコースで、スノー路面を試してみました。

■ドライ・ウエット路は夏タイヤと同じ感覚なのにスノー路面ではしっかりとグリップ

 最初におこなったのはスノー路面でのスラローム走行。205/55R16サイズのVW「ゴルフ7」で走ります。

ミシュラン「クロスクライメート2」のスノー路面走行ミシュラン「クロスクライメート2」のスノー路面走行

 まずは発進ですが、グッグッと路面を掴み、何事もなかったように加速していきます。パイロンスラロームに入ってもグリップが高く、安定した姿勢でクルマをコントロールできました。今回は同じコースで、冬の性能に定評のある他社製オールシーズンタイヤと比較しましたが、それと比べても遜色ないどころか、雪上での発進加速もブレーキングも上をいっていました。

 4WDのトヨタ「カローラスポーツ」でおこなったスノー路面での定常円旋回では、従来のクロスクライメート+よりも高い速度まで滑り出さずに粘ります。最終的には外へ外へと膨らんでいきますが、横グリップがかなり向上したことを実感しました。

 一般道試乗もおこないましたが、場所によって圧雪路からウエット、シャーベット、ドライ路と目まぐるしく変わる路面でも、不安になることなく走行できました。

ミシュラン「クロスクライメート2」のウエット路面走行ミシュラン「クロスクライメート2」のウエット路面走行

 その後、6月に栃木県にあるGKNプルービンググラウンドでドライ・ウエット路面での試走会が開催されました。

 まずはコーナーの続くワインディング路。ふつうに走り曲がり止まります。スポーツタイヤのようなガツンとしたグリップは感じないものの、クセのない感覚でタイヤを意識することなく走ることができます。

 高速周回路ではレーンチェンジなどもおこないましたが、こちらも素直な感覚。トレッドパターンがV型なので音に関しては不利ではないかと思っていましたが、実際に試走してみると速度を上げていっても車内に不快なノイズは響いてきません。

 ウエット比較では、何度試しても従来のクロスクライメート+より新クロスクライメート2のほうが手前で止まりました。ブレーキペダルから伝わる制動の手応えもあり、ウエットブレーキング6%向上という実力を体感しました。

※ ※ ※

 正直オールシーズンタイヤのクロスクライメート2は、ドライ・ウエット路を走行する限り、夏タイヤであるふつうのエコタイヤとの違いはわかりません。にもかかわらず、冬のスノー路面でもきちんとグリップし、安心してドライブができました。

 クロスクライメートシリーズは「雪も走れる夏タイヤ」というキャッチコピーで登場しました。従来品はそのとおり、夏タイヤ寄りのオールシーズンタイヤという印象が強かったのですが、新クロスクライメート2は夏タイヤの性能も向上させつつ、スノー路面でのグリップも相当上げてきた印象です。

 年間でほとんどを占めるドライ・ウエット路は夏タイヤと変わらず、数日ある突然のスノー路では安心して走行できる…正常進化したクロスクライメート2は、とくに都会に住むドライバーのニーズを汲んでいます。

 クロスクライメート2には「A-b」「AA-c」などのタイヤ・ラベリングがないので、燃費やウエットグリップが不安と思う人もいるかもしれませんが、そもそもラベリング制度とはリプレイス(交換用)の乗用車用夏タイヤを対象としているので、このオールシーズンタイヤには適用されません。つまりタイヤ・ラベリングがなくても、ウエットグリップも転がり抵抗もきちんと考えられています。

 タイヤというのはバランスの商品ですが、クロスクライメート2はどこかの性能を落としてどこかを上げるというアプローチではなく、従来品と比べて性能チャートの面積を全体的に大きくしたような正当進化を遂げているのが、冬と夏の試走会でわかりました。

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