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もう「豪華なランクル」じゃない! レクサス新型「LX」何が変わった? 14年ぶりの全面刷新の成果とは

くるまのニュース / 2021年10月15日 10時10分

2021年10月14日に世界初公開されたレクサス新型「LX」。これまでトヨタ「ランドクルーザー」の豪華版といわれていましたが、新型LXではどのような部分が変わったのでしょうか。

■新型LXは何がどのように変わったのか?

 1996年にレクサス初のSUVとして登場した「LX」。1998年に2代目、2007年に3代目と進化を遂げてきましたが、今回の登場した4代目となる新型は14年ぶりの刷新です(日本では2015年から導入なので6年ぶり)。

 巷では「ランクルの豪華版」「レクサス版ランクル」と呼ばれることもありますが、新型LXではどのような進化を遂げているのでしょうか。

 エクステリアは、トヨタ「ランドクルーザー(300系)」と同じく、よりボクシー、より堂々と、よりドッシリ構えたスタイリングが特徴ですが、前後のデザインは次世代レクサスのそれとなっています。

 フロントマスクは巨大なスピンドルグリルが特徴ですが、新しいスピンドルグリルの表現として7組のフローティングバーで立体形状をつくり、フレームの無いシームレスな構成です。

 この辺りも新型「NX」から展開されたスピンドルボディの思想が反映されています。

 このグリルは意匠性のみならず、ツインターボエンジン搭載に伴う冷却性能も考慮した機能的な側面も。

 バンパー左右のサイドラジエーターグリルも開口部を大きく取るだけでなく整流効果の高い形状になっています。

 ちなみにヘッドライトはオフロード走行時のダメージを受けにくい高めの位置なのはランクル300系と共通ですが、立体形状に進化したL字型のクリアランスランプや二重化したインナーレンズなどでシャープな印象です。

 サイドはランクル300系と共通する部分は多いものの、ボディカラーやホイール(22インチ)の効果なのかわかりませんが、ホイールアーチのエッジがよりシャープに見えます。

 そして、リアは最新レクサスのアイコンとなりつつある左右が繋がる一文字のコンビランプと次世代レクサスの象徴である「LEXUS」ロゴを採用。

 ランクル300系より洗練度の高いのはもちろんですが、ドシッと構えたスタンスの良さも感じました。

 インテリアは、新型NXと同じくTAZUNAコクピットの思想が反映されていますが、デザインは新型LX独自の物です。

 特徴的なのはデュアルディスプレイ仕様で、上部(12.3インチ)はナビゲーション用、下部(7インチ)は空調や走行系の表示用となっています。

 新型NXでは多くの機能がタッチパネルで物理スイッチは必要最小限ですが、LXはダイヤル/トグル/プッシュと操作方法や形状にも変化を付けることで直感的な操作性にも配慮。この辺りはリアルオフローダーならではのこだわりといえるでしょう。

 さらに12.3インチのディスプレイ上端は水平ですが、これは悪路走行に平行感覚を把握するための配慮のひとつです。

 シートは3列7人乗り、2列5人乗りに加えて、「EXECUTIVE」には後席にキャプテンシートを採用した4人乗りを用意。

 このシートはNASAが提唱する中立姿勢を参考に、最大48度のリクライニングと座面角度がコントロール可能。

 さらに専用の読書灯、リアシートディスプレイ、専用オーディオシステム、シャワー空調機能を備えた専用エアコン吹き出し口などを装備。

 センターのパームレストには様々な機能や装備を集中管理するリアコントロールパネルがビルトイン。これらによって、まさに「オフロードのLS」と呼べる快適性・利便性も備えられています。

 走りの部分はどうでしょうか。

 チーフエンジニアの横尾貴己氏は、実はランドクルーザー300系のチーフエンジニアも担当していますが(現在は異なる)、走りに関してはこのように語っています。

「LXは『もっとも過酷な環境を走るレクサス』ですので、どんな道でも気負いなく運転でき、すべての乗員が快適に移動できるクルマを目指しました。

 オフロードとオンロード、ともすれば相反する二つの性能を歴代最高レベルで両立させるには、『基本性能の見直し』と『新技術』が必要でした」

 プラットフォームは伝統のラダーフレームながらも最新の溶接技術の採用により高剛性(従来比20%アップ)と軽量化(世界初の曲線テーラード・ウエルドブランクを用いた工法)を両立したTNGA「GA-F」の採用。

 さらに高張力鋼板の採用拡大やボンネット/ルーフ/ドアパネルのアルミニウム化により約200kgの軽量化や、パワートレインの搭載位置(車両後方に70mm、下方に28mm)などによる低重心化や前後重量配分の改善などはランクル300系と共通ですが、LX独自の走りの実現のためにスポット打点増し打ちや構造用接着剤の最適配置(ドアオープニング周りフロアなど)などがおこなわれています。

 サスペンションはランクル300系と同じく新開発のフロント・ハイマウントダブルウィッシュボーン式、リア・トレーリング車軸式ですが、LX独自アイテムとして車高調整(3種類+乗降時ポジション)を設定。

 加えて車両姿勢を安定させるAHC(アクティブ・ハイト・コントロールサスペンション)や、緻密な制御が可能なリニアソレノイドバルブ式のAVS(アダプティブ・ヴァリアブル・サスペンションシステム)を採用しています。

 さらにこれまでメカニカルにこだわっていたパワーステアリングは電動式、ブレーキシステムはECB(電子制御ブレーキ)へと刷新(共にLX初採用)。タイヤは18/20インチに加えて、レクサス最大サイズの22インチをラインナップします。

■新型LXに初のFスポーツ設定! さらにはハイブリッドの噂も…

 さらにビックニュースなのは、LX初となる「Fスポーツ」の設定です。

 専用のサスペンション/EPSセットに加えて、パフォーマンスダンパー(前後)、トルセンLSD、リアスタビライザー、鍛造アルミホイール(22インチ)などの専用装備が奢られています。

 エクステリアはFメッシュのスピンドルグリル(漆黒のクロームグリルフレーム)、インテリアは専用ステアリング/シフトノブ/シートなどが採用されています。

 パワートレインは、従来モデルの5.7リッターV型8気筒エンジンを廃止し、LS譲りのダウンサイジングエンジンとなる3.5リッターV型6気筒ツインターボ(LX600)がグローバルでのメインユニットで、ロシア・東欧をはじめとする一部の地域にはディーゼルの3.3リッターV型6気筒ツインターボ(LX500d)をラインナップ。

 電動化に関しては現時点でのアナウンスはありませんが、電動化に積極的な姿勢を見せるレクサスを考えると、将来的に2021年9月に発表されたトヨタ新型「タンドラ」用に開発されたハイブリッドユニットの水平展開も無いとはいえないような気がしています。

米国ではLX初となる「Fスポーツ」がラインナップすることが発表されている米国ではLX初となる「Fスポーツ」がラインナップすることが発表されている

 このように見ていくと、ランクル300系に対してオンロード性能を重視したように思えますが、オフロード性能も抜かりなしです。

 歴代LXが引き継ぐホイールベースの黄金比2850mmの継承はもちろん、対地障害角(アプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレイクオーバーアングル)や最大安定傾斜角44度、登坂能力45度、最大渡河性能700mmと従来モデルと同等の性能を維持しています。

 加えて、路面状況に応じたオフロード走行支援をおこなうマルチテレインセレクトはランクル300系と同じくブレーキ油圧/駆動力/サスペンションを統合制御する進化版。

 さらに駆動力とブレーキ油圧を制御するクロールコントロールはECBを活かすためのLX専用仕様で静粛性にも考慮したスペックです。

 日本向けには3つのディファレンシャルロック(フロント・センター・リア)と18インチタイヤの採用に加えて、さらにオフロード性能引き上げた「OFFROAD」も用意されています。

 このグレードはマッドグレー塗装のホイールやブラック塗装のアーチモール、ダークメタリック塗装のフロントグリルなど専用エクステリアも特徴です。

※ ※ ※

 レクサスインターナショナルの佐藤恒治プレジデントは、新型について「すべてLXでありながら、まったく異なるLX」と語っています。

 前述の特徴からもわかるように、新型LXは歴代モデルと同じくランドクルーザーをベースに開発がおこなわれていますが、筆者(山本シンヤ)は佐藤プレジデントの言葉をこのように解釈しています。

 初代から3代目は言葉を選ばずにいうと「豪華なランクル」だったのに対して、新型は「ランドクルーザーの武器を用いたレクサス」になったということです。

 この辺りはレクサスのブランドの変革も大きく寄与しているのでしょう。

 恐らく従来モデルは「いかにトヨタと差別化するか?」に注力していたように感じましたが、現在は「トヨタというプラットフォームのなかで、レクサスの役目は?」という考えに変わっているように感じます。

 そのひとつの答えが次世代レクサスの第一弾となる新型NX、そして第二弾の新型LXだと認識しています。

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