現行モデルではかなり貴重な存在? 100万円台の最新ホットハッチ3選
くるまのニュース / 2021年10月23日 6時10分
1970年代から一気に普及が始まり、近年では国内の自動車市場で常に販売台数上位にランキングされているのが、コンパクトカーです。このコンパクトカーのなかには、走りを重視したモデルも存在。そこで、100万円台で狙える国内の最新ホットハッチを、3車種ピックアップして紹介します。
■安価な価格で買える国内の最新ホットハッチを振り返る
近年、日本の自動車市場で、常に販売台数の上位にランクインしているモデルがコンパクトカーです。使い勝手の良いボディサイズに軽自動車よりも余裕あるパワーと広い室内空間、低燃費による高い経済性と安価な車両価格など、まさに優等生なクルマといえます。
国内でコンパクトカーの普及が加速したのは1970年代で、セダンが主流のなか各メーカーのエントリーモデルとして次々に誕生。
現在は5ドアハッチバックのボディが一般的で、かつてはそのボディ形状から「2ボックスカー」とも呼ばれました。
このコンパクトカーのなかには高性能なモデルも古くから存在し、「スポーツコンパクト」や「ホットハッチ」と呼ばれました。
そこで、100万円台で狙える国内の最新ホットハッチを、3車種ピックアップして紹介します。
●マツダ「マツダ2 15MB」
ノーマルで乗るもよし、カスタムベースにも使えそうな「マツダ2 15MB」
現在、マツダのラインナップのなかで、エントリーモデルとなっているのが「マツダ2」です。前身の「デミオ」の誕生から25年もの歴史があります。
ベーシックカーとして開発されたデミオですが、2014年に登場した4代目が2019年9月のマイナーチェンジで、車名をグローバルで統一したことでマツダ2となり、さらにプレミアムコンパクトカーというコンセプトを打ち出しました。
外観は精悍さと力強さを重視したデザインで、内装も上位モデルとイメージを共通化することで、上質なコンパクトカーの装いを実現。
搭載されるパワーユニットは1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンと、クラスで唯一の1.5リッター直列4気筒ディーゼルエンジンを設定しているのが特徴です。
そしてマツダ2には、走りに特化したグレードとしてモータースポーツベース車の「マツダ2 15MB」がラインナップされています。
15MBは装備を廉価グレードと同様に簡素化し、エンジンはスタンダードモデルと同じ1.5リッター直列4気筒ガソリンながら排気系の変更とハイオク指定によって、最高出力は110馬力から116馬力へと6馬力向上しています。
トランスミッションは6速MTのみで、ギア比と最終減速比は専用に設定され、コーナーの立ち上がり加速を重視したセッティングです。
15MBはモータースポーツベース車とはいえ、ひととおりの快適装備に、安全運転支援システムも搭載されており、普段使いも考慮されています。
価格(消費税込、以下同様)は165万円と安価に設定されているので、ホイールやタイヤ、足まわり、シートなど、後から自分好みに仕立てるのも楽しいでしょう。
なお、2021年6月にマツダ2は一部改良がおこなわれましたが、15MBのスペックや装備は従来のままとなっています。
●日産「マーチ NISMO S」
エンジンから車体までトータルでチューングされた「マーチ NISMO S」
日産のエントリーカーとして長い歴史のある「マーチ」は、現行モデルが2010年に登場した4代目にあたります。そして、2013年には高性能モデルの「NISMO S」が加わりました。
日産のラインナップでNISMOシリーズといえば、同社のレース活動をサポートするNISMOが開発を担当した特別なモデルで、マーチ NISMO Sにもさまざまな部分に手が加えられています。
搭載されるエンジンはファインチューニングされた1.5リッター直列4気筒で、最高出力116馬力を発揮。トランスミッションは5速MTのみです。
また、1010kgと軽量なボディは補強パーツの追加によるシャシ剛性のアップや、強化された足まわりとブレーキ、電動パワーステアリングの特性も専用のセッティングとされるなど、コーナリング性能とハンドリングを向上させています。
す。
外装では専用のカラーリングに専用のエアロパーツが装着され、内装はスポーツシート、本革とアルカンターラを組み合わせた小径ハンドル、220km/hスケールのスピードメーターなど、スポーティに演出。
価格は187万6600円と、安価な設定も大いに魅力的です。なお、1.2リッターエンジンにCVTを組み合わせた、よりライトなチューングモデルの「マーチ NISMO」もラインナップされています。
●スズキ「スイフトスポーツ」
軽量な車体にパワフルなエンジンというホットハッチの見本のような「スイフトスポーツ」
スズキ「スイフトスポーツ」といえば、今や国産ホットハッチの代表的な存在です。現行モデルは2017年に登場した4代目で、シリーズ初のターボエンジンの搭載が大いに話題となりました。
ボディはスタンダードなスイフトからトレッドを30mm拡大し、それに伴ってフェンダーを20mm拡幅(全幅で40mm)したことで、シリーズ初の3ナンバー車です。
シャシは新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用し、内装部品に至るまで素材を吟味した結果、3代目から70kgもの大幅な軽量化を実現。車重はわずか970kg(MT)を達成しました。
搭載されるエンジンは最高出力140馬力を誇る1.4リッター直列4気筒ターボ、トランスミッションは6速ATと、クロスレシオの6速MTを設定しています。
サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビームと、コンパクトカーでは定番のタイプですが、モンロー製ダンパーが奢られた専用セッティングによって優れたコーナリング性能を発揮。
また、軽量な車体ながらブレーキは4輪ディスクを採用しています。
スイフトスポーツはコンパクトな車体で使い勝手が良く、実用性も良好。それでいて日常のドライブをスポーティに演出してくれる生粋のホットハッチです。
価格はスズキ セーフティ サポート非装着車(受注生産)ならば、187万4400円からです。なお、2020年5月の一部改良で、6速AT車は安全装備の充実が図られました。
※ ※ ※
1980年代から1990年代にかけては、ホットなコンパクトカーが各メーカーから数多く販売されていました。
しかし、近年はニーズの変化から激減してしまい、これはホットハッチの本場である欧州でも同様です。
今後、電動化が進むとエンジン車の減少は必至で、生粋のホットハッチを新車で手に入れられるチャンスは長くはないでしょう。
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