トヨタが最強キャンプ仕様の新型「タコジラ」初公開! ホンダ・日産もキャンプ仕様を続々お披露目する理由
くるまのニュース / 2021年11月10日 11時50分
米国のカスタムカーイベントとして有名な「SEMAショー」。2021年は、トヨタ・ホンダ・日産などが相次いで本気のキャンプ仕様をお披露目しました。なぜ各社はキャンプ仕様を手掛けたのでしょうか。
■トヨタ・ホンダ・日産が相次いで本気キャンプ仕様を初公開!
2021年11月2日から5日に、2年ぶりのリアル開催となった米国のカスタムカーイベント「SEMAショー2021」。
2021年はアウトドア仕様やキャンプ仕様などのカスタムを施したモデルが多く展示されていましたが、なぜ例年よりも多くなっていたのでしょうか。
SEMAショーの常連出展者には、同年8月頃の新型コロナウイルス感染再拡大によって出展を急遽取りやめたところも少なからずありましたが、日本の自動車メーカーはトヨタ、日産、ホンダ、レクサスの4社が出展しました。
なかでも4社の出展で共通していたのは「SUV+トレーラー」「ピックアップトラック+ルーフテント」「ピックアップトラック+キャンパーシェル+カーゴトレーラー」などアウトドアレジャーやヘビーなオフロード走行に対応したカスタムモデルです。
SEMAショーは本来、ピックアップトラックやSUVに関する展示が主流ではありますが、2021年はとくにアウトドアレジャーやキャンプに特化したカスタムとなっていたのが特徴的でした。
その理由はどんなことでしょうか。キャンピング仕様のピックアップトラックを出展していたいくつかの出展者に話を聞いてみたところ、納得の理由が見えてきました。
「全米がコロナ禍に見舞われるなか、当初は家でじっとしていた人々も、やがて安全性の高いアウトドアレジャーを楽しむようになりました。
大自然のなかのキャンプや釣り、山歩きなどは密になることはなく、換気も十分、家族や少人数の仲間だけで楽しめる遊びです。
また、1人当たり1500ドルという給付金でキャンプ用品やレジャー用品、クルマに取り付けるテントなどを買う人も増えました。
それが理由で自動車メーカーやキャンプ用品や釣り具用品などのアウトドアレジャー用品メーカー、テントメーカーなど、今後まだ拡大が予想されるアウトドア系、キャンプ系の出展が増えたのです」
レクサスブースでは新型「LX600」が米国初登場となりましたが、デモカーは大型トレーラーを引いていました。
トレーラーの上に載っていたのはレクサスのレースカー(RCF GT3)でしたが、担当者の話によると「新型LXはけん引力(towing capacity)が7000ポンドから8000ポンドに大幅アップしています。ボートをけん引したり、キャンピングトレーラーをけん引したりも余裕です」とけん引力をアピールしていました。
ちなみに日本ではほとんど考慮されることはありませんが、米国ではけん引力の大きさがアピールポイントとなります。
クラス最大級8000ポンドの牽引力を持つ新型LX600は会場の注目を集め、多くの人がプレゼンテーションに聞き入っていました。
また、トヨタブースでは、ネーミングセンスが凄い「TOYOTA TACOZILLA(タコジラ)」というモデルが展示されていました。
タコジラとは、TACO(MA)+(GOD)ZILLAのことで、(GOD)ZILLAとは「ゴジラ」を意味しています。
米国では、化け物的な存在のことを、「●●+ZILLAと呼ぶので「TACOZILLA」=「モンスター級の凄いものに生まれ変わったタコマ」という意味になります。
その凄いものとは、「タコマ」(ピックアップトラック)ベースのキャンピングカーです。とにかく時間と手間の掛け方もモンスター級で、開発陣のこだわりが凄まじいのです。
・タコマの丸みを帯びたボディラインと違和感がないように、キャンピングカーの部分の丸いエッジと滑らかなアルミ表面を採用。
・実用性も十分に配慮。身長180cmの人がなかに立って移動できるよう室内を設計。
・初期の装備と寸法をテストするため基本的なキャンピングカーフレームを作成し、フレームを微調整して補強。
・上部と下部が先細りするボディ形状のためオフロードでも走りやすく、木や障害物を避けやすい。
※ ※ ※
ちなみに、キャンパーシェル部分の上と下が細い独特の形状のため、後部ドアのデザインには非常に苦労しており、後部ドアの設計だけで100時間以上を掛けているといいます。
来場者からの評価はとても高く、「ぜひとも発売して欲しい!」との声が会場から多く聞こえてきました。
■ホンダ、日産も個性的なオフロード仕様を展示!
ホンダブースでは、「Trail Sport」仕様の「パスポート」(SUV)と「リッジライン」(ピックアップトラック)がお披露目されました。
Trail Sportモデルは、頑丈なフロントとリアのスタイリングを特徴とし、タフな低クラッディングコンポーネント、より高い最低地上高とさらにアグレッシブなタイヤスペック、オフロードサスペンション、アンダーボディ保護アイテムやフルサイズのスペアタイヤなどを備えています。
また大きな特徴としてはホンダらしく「オンロード性能」も大事にしていることで、i-VTM4トルクベクタリング全輪駆動システムによって快適さはもちろん、ピックアップトラックとしてクラス最高のオンロードダイナミクスを犠牲にすることなく、十分なオフロード性能も兼ね備えています。
キャンプ装備にも十分な配慮がとられており、オレンジ色のステッチが印象的なデザイン性と実用性に優れたベッドシステムをはじめ、簡単に掃除できるように設計された全天候型フロアマットも組み込まれています。
ホンダのピックアップトラックは、日本であまりイメージがないかもしれませんが実はアメリカでは20年以上の販売実績があります。
米国ホンダのエンジニアリングチームは高性能の小型トラックを作成してきた20年以上の経験を活かして、この新しいシリーズのアドベンチャー対応車両を開発しており、今後もオフロード性能をおよびキャンプ装備の充実を図っていくとのことです。
ホンダブースでお披露目された「Passport TrailSport Rugged Roads Project 2.0」と「Ridgeline HPD Trail Tour Project Vehicle」(撮影:加藤博人)
日産は、新しいプロジェクトとして、「オーバーランド」の名前を冠した「パスファインダー」(SUV)と「フロンティア」(ピックアップトラック)を出展しました。
2車種のうち新開発のNISMOオフロードパーツで武装し、車中泊にも対応しているのが、パスファインダーです。
パスファインダーはアメリカで生産されるSUVで日産「テラノ」の直系モデル。SEMAに出展されたモデルは、2021年9月に発売が開始されたばかりの新型モデルで5代目となります。
装備されているのは、次のとおりです。
・NISMOオフロード2インチリフトアップキット(プロトタイプ)
・NISMOオフロードホイール18×8インチ(265/60R18 Maxxis RAZRATタイヤ)
・NISMOオフロードエクスペディションルーフラック(プロトタイプ)
・NISMOオフロード6インチドライビングライト
これらのNISMOパーツなどのほかに「ROAMアドベンチャーカンパニー83Lラギッドケース」、「カスタム製作のフロントバンパーガード&ロックレール」なども採用されました。
ヘビーなオフロードユースや車内泊を伴うアドベンチャーに心強い仕様となっており、今回お披露目された新しいNISMOオフロードパーツは、2022年初頭から米国日産のディーラーやNISMO販売店、オンラインで購入が可能となります。
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