今のトレンドを先取りしていた!? 往年のハイセンスなステーションワゴン3選
くるまのニュース / 2021年11月24日 16時10分
ここ数年で急激に人気となったクルマといえばSUVですが、その反面、国産メーカーでラインナップが激減してしまったのがステーションワゴンです。かつては隆盛を極め、各メーカーから数多くのステーションワゴンがラインナップされていました。そこで、往年のスタイリッシュなステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
■昭和から平成に登場したスタイリッシュなステーションワゴンを振り返る
1989年に誕生したスバル初代「レガシィ ツーリングワゴン」のヒットをきっかけに、国内の自動車市場ではステーションワゴンがブームとなりました。
スバルに追従するように各メーカーから次々と新型ステーションワゴンが登場し、まさに今のSUVブームに匹敵する勢いでした。
ステーションワゴンは日本でも古くから販売され、多くのモデルはセダンがベースで、ボディは商用車のライトバンと共通となっているのが一般的でした。
一方で、ライトバンとは決別したモデルも存在し、現行モデルのステーションワゴンに匹敵するスタイリッシュなモデルもありました。
そこで、往年のイケてるステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「サニー カリフォルニア」
アメリカ西海岸のライフスタイルをイメージした初代「サニー カリフォルニア」
1966年に、日産はマイカー時代到来に向けたモデルのダットサン初代「サニー」を発売。以降はセダンが主力の大衆車として代を重ねました。
そして、歴代では最後のFR車だった4代目の「310型」では、ライトバンだけでなくシリーズ初のステーションワゴンがラインナップされました。
1979年に登場したサニーのステーションワゴンは「サニー カリフォルニア」の車名で販売され、アメリカ西海岸のライフスタイルをコンセプトに開発。
プラットフォームはライトバンと共通でしたが、外観は積載量を重視するライトバンとは異なるボディパネルを採用し、リアハッチを大きく傾斜させてスタイリッシュなフォルムを実現しました。
なお、日産はサニー カリフォルニアをステーションワゴンではなく「5ドアスポーツセダン」と呼称しており、ライトバンのイメージからの脱却を図っていたといえるでしょう。
また、サニー カリフォルニアで最大の特徴だったのが、オプションで設定されたボディサイドの木目調デカールで、当時、アメリカのステーションワゴンやSUVでは定番のドレスアップアイテムでした。
アメリカナイズされたサニー カリフォルニアは若者から人気となり、木目調デカールは後のモデルにも設定されました。
●ホンダ「アコードワゴン」
日本独自のスポーティなデザインを採用した3代目「アコードワゴン」
1976年に、ホンダは初代「シビック」に続く新世代のモデル、初代「アコード」を発売。初代アコードはシビックよりも1ランク上の3ドアハッチバックとしてデビューし、その後、セダンを追加ラインナップすると主力はセダンへと移行しました。
そして1991年にはアメリカホンダがデザイン・開発・生産したステーションワゴンの「アコードワゴン」がラインナップされました。
続いて1994年に発売された2代目も同様にアメリカ製でしたが、1997年に登場した3代目では、シリーズ初となる国内生産となり、販売も国内専用モデルでした。
ボディが先代よりもダウンサイジングデザインされたことでよりシャープな印象となり、リアゲートを強く傾斜させたスタイリングはスポーティさを強調。
1999年に追加された高性能グレードの「SiR」には、最高出力200馬力を誇る2.3リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載し、前後ダブルウイッシュボーンのサスペンションと相まって軽快な走りを実現しました。
その後、アコードのステーションワゴンは5代目の「アコードツアラー」まで続きましたが、2013年に販売を終了。欧米の市場でも5代目が最後のモデルとなりました。
●トヨタ「アルテッツァ ジータ」
走りの性能だけでなくスタイリングも優れていた「アルテッツァ ジータ」(画像は欧州仕様)
1998年にコンパクトなFRセダンとして登場したトヨタ「アルテッツァ」は、デビュー前から「AE86型レビン/トレノ」の再来といわれて大いに話題となり発売と同時に人気を博し、走りも高く評価されました。
そして2001年には、ステーションワゴンの派生車「アルテッツァ ジータ」が追加ラインナップされ、ボディはセダンのデザインを継承しつつ、ショートルーフのクーペスタイルというスタイリッシュなフォルムを採用。
搭載されたエンジンはセダンと差別化され4気筒モデルは存在せず、最高出力160馬力の2リッター直列6気筒と、アルテッツァ ジータ専用に220馬力を発揮する3リッター直列6気筒が設定されました。
2リッターモデルは6速MTも選択できるなどドライビングプレジャーを重視し、3リッターモデルはATのみで、スムーズかつトルクフルな走行フィーリングに4WDモデルも用意するなどツアラー的な味付けと、キャラクターが分けられていました。
アルテッツァ ジータの足まわりはセダンと共通の4輪ダブルウイッシュボーンで、セダンに匹敵する優れたコーナリング性能と、セダンを大きく上まわるユーティリティを備えていましたが、日本で2005年にレクサスブランドが展開されると、アルテッツァは「IS」にスイッチされ、ステーションワゴンは設定されず一代限りで生産を終了しました。
※ ※ ※
現在、SUV人気に押されているステーションワゴンですが、近年はトヨタ「カローラツーリング」やスバル「レヴォーグ」「レガシィ アウトバック」といった新型車が登場するなど、人気復活の兆しもあります。
ステーションワゴンは優れた走りと使い勝手の良さを両立しており、今も欧州では人気となっているモデルです。
今後、ステーションワゴンのラインナップが増えるのは難しい状況といえますが、売れない要素はあまり見当たらないといえ、人気復活が期待されます。
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