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「経費で落とせる?」トヨタ最高級セダン「センチュリー」 購入する理想的な条件とは

くるまのニュース / 2021年11月30日 7時10分

「国産最高級車」として君臨するトヨタ「センチュリー」。そのほとんどは法人による購入といわれています。では、実際にセンチュリーを購入するには、どのくらいの利益が必要なのでしょうか。

■センチュリーのほとんどは「経費で落とす」?

 国産最高峰ともいえるトヨタ「センチュリー」。

 そのほとんどは法人による購入といわれますが、実際にセンチュリーを購入するには、どのくらいの利益が必要なのでしょうか。

 2008万円という国産車随一の価格もさることながら、皇族や政財界の要人が愛用するクルマであることからも、まさに「国産最高級車」として君臨しているクルマです。

 もちろん個人で購入することも不可能ではありませんが、クルマの性質上、センチュリーはほとんどが法人や官公庁、地方公共団体による購入となっています。

 法人が社用車としてクルマを購入する場合、基本的にはその関連費用を経費として計上することができ、いわゆる「経費で落とす」ということですが、そうすることで節税につながるというメリットがあります。

 法人が支払う税金の代表格である法人税は、会社の売上ではなく利益(課税所得)に対して発生します。

 法人税の税率は、法人の規模や種類によって異なりますが、関連諸税も含めた実効税率はおおよそ30%となることが一般的です。

 そのため、年間で1000万円の利益を得た会社は、法人税などとして約300万円を支払わなければなりません。

 一方、もし500万円分の経費を計上し、利益を500万円とすると、法人税などは約150万円となります。

 つまり、事業に必要なものに関してお金を使う(=経費を計上する)ことで、税金を節約することができるのです。

 ただ、2000万円の利益が出たからといって、2000万円のクルマを買えばその年の利益をゼロにし、法人税もゼロにできるわけではありません。

 クルマのように長期的に使用できる資産は、一定期間にわたって分割して経費計上することが定められており、新車の場合は6年間という耐用年数が設定されています。

 厳密には細かな計算が必要ですが、2000万円の新車を買っても、その年に経費計上できるのはおよそ330万円ほどです。つまり、突発的に多額の利益を得たからといって、同等の金額の新車を買うことは得策とはいえません。

 一方で、リースという形式を使うことで、リース会社に支払う費用全額を経費計上することは可能です。

 リース会社は車両に費用に加え、自動車関連税や自賠責保険料、車検費用、そして手数料などを含んだ金額を、月額利用料として請求します。

 リースを利用することで、会社はリース料の全額を経費計上することが可能となり、より節税メリットを得られるようになります。

 このように、個人の場合とは大きく異なる法人でのクルマの購入ですが、実際にはどのようなファイナンスプランとなるのでしょうか。

■購入 or リース? 法人の場合のシミュレーションはいかに

 前述のとおり、センチュリーの車両本体価格は2008万円です。

 センチュリーは、ほとんどフルオプションともいえる内容のため、追加する必要のあるものはほとんどありません。

 自動車税種別割や自動車重量税、自賠責保険料、登録諸費用などを合わせて乗り出し価格は2050万円と仮定します。ちなみに、自動車税環境性能割は非課税です。

 もし、このセンチュリーを現金一括で購入した場合、6年間にわけて経費計上をすることになるため、定額法で計算した場合、毎年の計上額は350万円弱となります。

 仮に、年間1000万円の利益を6年間続けた場合、法人税などとして約300万円×6年=約1800万円の税金を納めることになります。

 一方、センチュリーを購入すると、年間の利益が650万円ほどになるため、6年間で支払う税金は約200万円×6年間で約1200万円となり、単純計算で600万円程度の節税ができたと考えることができます。

 センチュリーを購入しなかった場合、約1800万円の税金を支払ったうえで、4200万円ほどの現金を6年後に手元に残すことができます。

 センチュリーを購入した場合、6年後に残るのは約2750万円の現金と6年落ちのセンチュリーです。

 仮に新車価格の20%の資産価値があるとすると、このセンチュリーの価値は約400万円程度となり、現金と合わせて約3150万円の資産があることになります。

 やや乱暴な計算ではありますが、このように考えると、実質1000万円ほどで新車のセンチュリーを手に入れることは可能だといえます。

一度はセンチュリーの後部座席に憧れる?一度はセンチュリーの後部座席に憧れる?

 では、リースの場合はどうなるのでしょうか。

 リース費用は、リース会社によって設定されるため一概にはいえませんが、センチュリーの場合、3年間のリースで月額は40万円程度になると思われます。

 今回は、月額40万円、年額480万円のリース費用と仮定してみたいと思います。

 前述の例と同様に、年間1000万円の利益を得る会社がこの条件でセンチュリーをリースした場合、年間の利益は520万円となり、法人税などは約160万円です。

 3年後に同条件で再リースすると想定し、計6年リースした場合、6年間で支払う税金は約960万円となります。

 リースの場合は契約終了と同時に車両を返却しなければならないため、6年後に残るのは、3120万円の現金のみです。

 新車でセンチュリーを購入した場合と同等の資産となりますが、購入した場合には車検費用や毎年の自動車関連税も支払わなければならないため、実際にはより多くの費用が必要となります。

 また、リースの場合は事務処理も簡略になるため、実務面でもメリットがあります。

 このように、節税メリットを考えると、2000万円を超えるセンチュリーを購入、あるいはリースするメリットも見えてきますが、実際にはどの程度の規模の会社が、センチュリーを検討できるのでしょうか。

 センチュリーのようなクルマは、社長や役員の専用車となることが多いと想定されますが、一般的にいえば、そうしたクルマにかけるコストの優先度は低いのが普通です。

 仮に、利益の1%をリース代に充てた場合、年額480万円のリース料を支払うためには、年間で4億8000万円もの利益をあげる必要があります。営業利益率が5%の場合、売上高は96億円にもおよびます。

 これだけの業績を安定して得られる企業は、相当な優良企業であり、東証一部上場も十分に狙えるレベルです。

 もちろん、社用車にどれほどコストをかけるかはその会社の経営方針による部分が大きいため、中小企業でも手が届く場合もあるかもしれません。

 しかし、センチュリーの想定月間販売台数は50台に設定されており、実際には10台前後の月もあることを考えると、やはり「国産最高級車」を手に入れるためのハードルは決して低くないようです。

 
※ ※ ※

 適切な節税は国税庁や税務署も推奨していることであり、それ自体は決して問題のある行為ではありません。

 また、「経費で落とす」は打ち出の小づちからお金が出てくるわけではなく、利益をあげていることが前提です。

 そもそも、そのクルマが事業に必要であることが明確でなければ経費として認められません。

 このように考えると、法人での購入もなかなか大変といえそうです。

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