大幅改良で何が変わった!? スバル新型「フォレスター」のスポーツグレードの実力を公道で試してみた!
くるまのニュース / 2021年11月29日 17時40分
スバル「フォレスター」は2021年8月19日に大幅改良され、通称「D型」に進化しました。実際にはどのように進化しているのでしょうか。
■フォレスターが大幅改良で「D型」に!
2021年8月19日に発表されたスバルの「フォレスター」大幅改良モデル。
今回の大幅改良では、よりSUVらしい迫力のデザインや全グレードで足回りを改良したといいますが、実際にどのように進化したのか試してみました。
ひとことで「クロスオーバーSUV」といっても、オンロード主体/オフロード主体、カッコよさ重視/ユーティリティ重視というようにジャンルは細分化しています。
そんなクロスオーバーSUV市場の“ど真ん中”をいくのがスバル「フォレスター」です。
スバルのクロスオーバーSUV三兄弟の二男坊であると同時に、ワールドワイドで販売台数をけん引するスバルのビジネスにとっても重要なモデルです。
現行モデルは2018年に登場した5代目で、登場以降もスバルの年次改良のサイクルに合わせて毎年進化がおこなわれてきましたが、今回の改良はモデルライフ後半に向けての大幅改良となります。
スバルとしては「アプライドD型」と呼んでおり、今回試乗したのは、1.8リッター直噴ターボを搭載する「スポーツ」です。
D型での注目の変更点のひとつがスバルの新デザイン言語「BOLDER」を一部盛り込んだフロントマスクの採用です。
具体的には大型化されたヘキサゴングリルと鋭さがプラスされたヘッドランプ、立体感を更に高めたフロントバンパー、サイドへの連続性を高めたLEDフォグランプ&フォグランプカバーなどが変更されています。
良くいえばプレーン、悪くいえば無個性だった従来モデルに対して、よりシャープに、より力強いデザインに進化。
筆者(山本シンヤ)は“スバルらしさ”がより強調されていると感じましたが、大きく変わったフロント周りに対してほかの部分は従来モデルと変わりません。
インテリアは、他グレードでシート表皮変更や加飾の見直しなどがおこなわれていますが、今回試乗のスポーツは変更がありません。
個人的には全グレードのなかで最上級の「プレミアム」と並ぶ好マッチングのコーディネイトだと思うので問題ありません。
機能面では、ドライバーモニタリングシステムを活かした「ジェスチャーコントロール」が追加されたのがポイントです。
手を「パー」の状態にすると設定温度アップ、「グー」の状態にすると設定温度ダウン(共に調整ダイヤル4操作分=2度きざみ)が可能です。
実際に試してみましたが想像以上に便利で認識率も高く、フォレスターは操作系と表示部が分かれているので、視線移動が抑えられて安全運転にも寄与します。
更にスバル初採用となる「カーゴアッパーフック(2か所)の設定もポイントです。
使い方は日常からアウトドアシーンまでユーザーのアイデア次第となりますが、S字フックやバーなどを組み合わせて使うことで、活用の幅はより広がるはずで、細かい部分ですが、フォレスターらしい進化のひとつとなります。
■フォレスターD型の走りはどんな感じになったのか?
メカニズムの変更はフットワーク系サスペンションのセットアップの変更ですが、実際に走らせるとどうでしょうか。
劇的な進化ではありませんが、「穏やかな」のなかに「芯の太さ」を実感。
具体的にはステア系は操舵の滑らかさや直結感アップ、サスペンションは前後バランスが更に適正化(=より4輪で曲がる印象)と、ロール変化はそのままによりソフトになった乗り心地(足がより動くようになった!?)などです。
ただ、新型「レヴォーグ」などと比べると操作に対する応答性やハンドリングの一体感という部分はやや大味な部分が残っているのも事実です。
この辺りはサマータイヤへの変更(デフォルトはM+Sタイヤを装着)や、STIパフォーマンスパーツ3点セット(フレキシブルタワーバー/フレキシブルドロースティフナー・フロント/フレキシブルドロースティフナー・リア)のプラスでかなりのレベルまで解消できると思います。
大幅改良により進化を遂げたスバル「フォレスター」
パワートレインは1.8リッター直噴ターボ(177ps/300Nm)、リニアトロニック(CVT)共に変更はなし。
個人的にはトルクフルで扱いやすい特性はフォレスターのキャラクターにマッチしていると思っていますが、現時点ではスポーツ専用ユニットなのでほかのグレードへの展開も期待したい所です。
ちなみにSTIのエキゾーストシステムをプラスするとサウンド(不等長エキマニが際立つ)/フィーリング共にアップするので、おススメです。
運転支援・安全装備は、フロントマスク刷新と並ぶ新型の進化ポイントのひとつです。
アイサイトは新型レヴォーグから展開された「新世代アイサイト」を採用。
つまりシステムとしてはフルモデルチェンジというわけです。
参考までにステレオカメラは従来比約2倍の画角を誇るヴィオニア製、カメラに採用の半導体はザイリンクス、CMOSセンサーはオンセミコンダクターの採用により画像認識・制御共に大きく向上。
ただし、レヴォーグで話題となっている「アイサイトX」はフォレスターには未採用となっています。
これらにより、プリクラッシュブレーキの作動領域拡大(交差点での右左折時の衝突回避をサポート)や衝突回避速度差のアップを実現していますが、それを身近に実感できるのは「アイサイトツーリングアシスト」の性能向上でしょう。
従来のシステムでもライバルに対して優位性は高いと感じていましたが、新型のシステムは更に精度高く、更に滑らか、更に自然な制御に仕上がっています。
※ ※ ※
改良でも大きく手を加える姿勢は久々にスバルらしい進化だと感じました。
決して派手さはないものの、確実に“総合力”が引き上げる、まさにクロスオーバーSUV市場の“ど真ん中”に位置するフォレスターらしい進化といっていいです。
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