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2020年「関越道大規模立ち往生」はなぜ起きた? 事前IC封鎖も辞さない2021年の対策とは

くるまのニュース / 2021年11月30日 10時10分

NEXCO東日本新潟支社は、昨年2020年の大雪による大規模な立ち往生を踏まえ、2021年11月に大雪による立ち往生が予想される場合に計画的にインターチェンジを封鎖することを発表しました。

■2021年冬は立ち往生にどう備える?

 昨年(2020年)12月に新潟県内関越道で大規模なクルマの立ち往生が発生しました。

 これを踏まえ、NEXCO東日本新潟支社は、大雪による立ち往生が予想される場合に計画的にインターチェンジを閉鎖することを、2021年11月9日に発表しました。

 昨年2020年12月に発生した新潟内関越道での大規模な立ち往生では、2020年12月16日の夕方頃に塩沢石打サービスエリア付近で大型車が動けなくなり、17日の10時過ぎまでSA周辺を通行止めにしなかったことから最長52時間の立ち往生が発生しました。

 昨年の大規模な立ち往生の課題について、NEXCO東日本新潟支社の担当者は以下のように話します。

「課題はたくさんありますが、滞留しているお客さまへの情報提供を適切に行えなかったことが、早急に改善すべき大きな課題であったと考えています」

 また国土交通省の資料によると、冬用タイヤやチェーン未装着の車両など、滞留車両が多く発生したことや、正確な状況把握ができていなかったこと、広報が不十分だったことを課題として挙げられています。

 では、今年2021年から2022年にかけてどういった対策が検討されているのでしょうか。

 これについて、前出の担当者は以下のように説明しています。

「人命を最優先に、大規模な車両滞留を徹底的に回避する対策を実施します。

 大雪予報の段階で複数のインターチェンジを降雪前に予め閉鎖することに加えて、スタックなどが発生した際の通行止め範囲を従来から大幅に拡大することなどを、新たな試みとしておこないます。

 また、大雪が予想される場合には、『滞留を発生させない、滞留に巻き込まれない』ためにも、不要不急の外出を厳に控えていただくよう、さまざまな媒体を用いて強く呼びかけていきます」

 今後大雪が予想される場合には、大雪に関する緊急発表を予報の3日前におこない、2日前には閉鎖場所と日時の発表をおこなった上で、インターチェンジの封鎖をおこなうといいます。

 このほか、除雪体制の人員を最大300人から500人に増強、状況把握のカメラが100台増設など、さまざまな対策が立てられており、今後の周知方法については、ホームページやNEXCO東日本のアプリなどで周知していく予定となっています。

※ ※ ※

 昨年の大規模な立ち往生により、今年はさまざまな対策の徹底がうかがえます。

 その一方で急激な天候の変化も見られており、2021年11月28日には今年一番の冷え込みとなり、各地で季節外れの大雪の影響がみられました。

 これにより群馬県草津町では、思わぬ積雪によってノーマルタイヤを装着していたクルマがスリップしたり、動けなくなるクルマが続出し、複数の場所で渋滞が発生する事態となっています。

 こうした思わぬ積雪に備え、ドライバーは早めにスタッドレスタイヤに交換した上で、雪道を走行する際には十分な注意が必要といえます。

■そもそも大雪が降る要因とは?

 昨年2020年12月に発生した大雪による立ち往生ですが、そもそもなぜ大雪が降ったのでしょうか。

 これには「ラニーニャ現象」と呼ばれる異常気象が要因といわれています。

大雪が予想される異常気象「ラニーニャ現象」(画像はイメージ)大雪が予想される異常気象「ラニーニャ現象」(画像はイメージ)

 ラニーニャ現象とは、赤道付近の海面水温が低い状態が続く現象で、暖かい海水は西に移動し、インドネシア付近で海面水温が上がり積乱雲が発生。

 これにより、日本の上空には寒気が流れ込み日本海側で大雪となる傾向となっています。

 日本では、この現象により2018年2月頃に島根県松江市で記録的な大雪となり、その際も国道で大規模な渋滞が発生しています。

 今年2021年には、11月上旬にも気象庁からラニーニャ現象が発表されており、今後も同現象による大雪が予想されるため、昨年と同様の立ち往生が起こらないようにドライバー側も十分な対策が必要です。

 立ち往生が発生した際のドライバーが必要な対策について、前出の担当者は以下のように呼びかけています。

「大雪が予想される場合には不要不急の外出を控えていただくことが最善策ですが、タイヤチェーンの携行・早めの装着、燃料の事前補給などの対策をお願いします。

 仮に滞留に巻き込まれた場合には、NEXCO東日本公式ツイッターのほか、この冬に向け新設したLINEなどのSNSツールなどで情報を入手しつつ、支援物資の配布や救出をお待ちいただくようお願いします」

 昨年の関越道の立ち往生の際には、当時物資支援も上手くおこなわれていなかった際に、魚沼運輸のトラックドライバーは米菓を配って話題となっています。

 国や自治体による物資支援はあるものの、自身で食料や簡易トイレなどを常備しておくのが良いでしょう。

 また大雪に備えて、スコップや長靴などもクルマに積んでおくと安心です。

※ ※ ※

 昨年の大雪の立ち往生を踏まえ、さまざまな対策が取られていますが、自然による天候の変化は予期せぬタイミングで発生する場合も考えられます。

 このため、積雪地域在住のドライバーは特に日々の天気をチェックしつつ、緊急時に備え自身で対策をしておくことが大切です。

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