見かけたら激レアな仕様も! タクシーの「行灯」には意味がある? シンボル以外の重要な役割とは
くるまのニュース / 2021年12月6日 17時10分
タクシーのシンボルともいえる「行灯」。実は、行灯は各タクシー会社・企業を表す以外にも重要な役割をもっています。行灯にはどのような役割があるのでしょうか。
■タクシーの「行灯」 重要な存在意義とは
タクシーの天井につけられている「行灯」は、会社や企業グループごとに形やデザインが異なり、タクシーのシンボルともいえる存在です。
この行灯には、「社名表示灯」という正式名称があり、その名の通り、タクシー会社および企業グループのトレードマークであると考えている人も多いかもしれません。
実際にタクシーをよく利用する人のなかには、行灯を確認することで、自身がいつも利用しているタクシー会社かどうか見分けている人もおり、それぞれの会社・企業を表していることに間違いはありません。
一方で、タクシーの行灯には、トレードマーク以上に重要な意義もあるようです。行灯には、一体どのような役割があるのでしょうか。
東京都でタクシーを運行する日本交通の広報担当者は、行灯の役割について「車内で非常事態発生時には行灯が赤く点滅し、緊急事態を外部に知らせるようになっています」と話します。
かつてタクシーには行灯の装着は義務化されていませんでしたが、1950年頃からタクシーの窃盗や強盗が相次ぎ、さらに「白タク」呼ばれる国から許可をうけていない違法タクシーが横行。
こうした状況を受け、SOSを外部に発信できるよう1960年似行灯の装着が義務化されました。
タクシーの行灯装着については、現在「タクシー業務適正化特別措置法」の第45条において、「タクシー又はハイヤーである旨の表示などをしなければならない」とされています。
また、別添には「車体の屋根の上には『タクシー事業者の氏名・名称若しくは記号』を表示した表示灯を別添(2)による位置に装着する」との規定があります。
さらに、前述の第45条には、「国土交通省令で定める場合を除き、類似するものを表示又は装着してはならない」とも記載があり、行灯に類似したものをタクシー以外の車両に装着することを禁止しています。
このように、タクシーの行灯は緊急事態やSOSを外部に伝えるための大切な手段であり、許可されたタクシーだけが装着できることで、違法タクシーと見分けるための重要なポイントにもなっています。
※ ※ ※
また、緊急事態の際には行灯が赤く点滅する以外にも「空車」「迎車」の表示板に「SOS」と表示している場合もあります。
SOS表示は、一般的に緊急時などタクシーの乗務員が危険な状態の際に用いられる表示であるため、万が一にSOS表示を見かけ場合にはタクシーに何かしらのトラブルが発生している可能性があると覚えておくと良いかもしれません。
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