まさかのトヨタが新型「ヤリスGRスポーツ」を世界初公開! 「GRヤリス」と何が違う? 欧州発表でも日本導入はあり得るのか
くるまのニュース / 2021年12月8日 7時10分
欧州トヨタは、「ヤリス」のスポーティ仕様として「GRスポーツ」を欧州で発表しました。「GRヤリス」とはどのような違いがあるのでしょうか。
■日本では未発売の「ヤリスGRスポーツ」
2021年12月2日、欧州トヨタは「ヤリスGRスポーツ」を発表しました。「GRヤリス」と異なるスポーティ仕様とはどのような特徴があるのでしょうか。
GRブランドといえばGRスープラ/GRヤリス/GR86といった「専用モデル」が注目されていますが、GRスポーツはブランドの裾野をカバーする入門編モデルになります。
日本では、2017年のGRブランド導入当初はそれ以前のスポーツコンバージョンシリーズ「G’s」の血を引くチューニングカー的なイメージでした。
しかし、TNGA世代の「プリウスPHV」や「C-HR」、ダイハツとの協業の「コペン」、そして直近2021年に登場した「ランドクルーザー(300系)」、「ハイラックス」などではスポーツグレードという存在になりつつあります。
一方、海外ではさまざまなモデルにGRスポーツが展開されています。
なかには日本仕様には設定がないが海外仕様には設定されているというモデルも数多いです。
これには理由があり、実は海外向けモデルのGRスポーツのなかには現地法人が独自に企画・架装をおこなったモデルもあります。
そんななか、2021年12月2日にトヨタの欧州拠点が「ヤリスGRスポーツ」を発表しました。
現時点では欧州専売ですが、一体どのようなモデルなのでしょうか。
エクステリアには、フロントに「Gモチーフ」と呼ばれるメッシュが施された専用グリル、サイドはレッドアクセントがプラスされた専用アルミホイール(18インチ)、リアは「Tシェイプ」の専用ディフューザーが特長です。
変更点は少なめですが、日本仕様と違う3ナンバーボディも相まって精悍でスポーティなスタイルです。
ボディカラーはGRスポーツ専用色のアタックグレー×ブラックの2トーンカラーが設定されています。
インテリアは専用のステアリングやシフトノブ、レザー×ウルトラスエードのシート(オプション)などを採用。
ブラック×レッドステッチ×ガンメタリック加飾によるコーディネイトは、スポーティだけど子供っぽさを感じさせない絶妙な塩梅となっています。
パワートレインはガソリンが1.5リッター直列3気筒エンジン+ブリッピング機能付の6速iMT、ハイブリッドは1.5リッター直列3気筒エンジン+モーターとノーマルから変更はありませんが、フットワークはかなり手が入っています。
プラットフォームは軽量高剛性にこだわった設計のTNGA「GA-B」は世界共通スペックですが、欧州仕様のヤリスのフットワーク系は日本仕様と異なっており、サスペンションの構成部品は一クラス上の「GA-C」のアイテムが水平展開されています(トレッドが異なることやホイールが5穴なのはそのため)。
GRスポーツでは、さらなる走りのレベルアップのために床下にブレースを追加。体幹を鍛えた車体に組み合わされるのは専用セットアップのサスペンションと215/40R18のタイヤです。
ちなみにショックアブソーバーはZF製、タイヤはBSトゥランザT005が奢られています。
もちろんEPSも専用の制御に変更されています。更にフロント/リアタイヤのハウジングへのライナーの追加で、ドラック低減による空力性能向上もおこなわれています。
これらの変更で、ノーマルよりも俊敏な応答性と無駄な姿勢変化を抑えたハンドリングが実現されているといいます。
GRヤリスとの違いについて、開発者は次のように語っています。
「単にスポーティで元気なスポーツハッチなだけでなく動的質感や快適性にもこだわっています。
軽量ボディを活かした走りに加えてしなやかな足さばきによる追従性の高さやFFを感じさせないコントロール性の高さなど、GRヤリスとは違った世界観を実現できたと思っています」
■手軽なスポーティ仕様「ヤリスGRスポーツ」は日本に導入される?
しかし、このヤリスGRスポーツは残念ながら現時点では日本導入計画がありません。
恐らくGRヤリスの1.5リッター+CVT搭載モデル「RS」と販売面でバッティングする可能性があるという判断のようです。
ただ、GRヤリスはGRブランドの“頂点”を担う存在に対して、ヤリスGRスポーツは“裾野”を担う存在と各々の立ち位置は明確で購入ユーザーも異なります。
それを「同じヤリスの名がついたモデルだから……」という判断をしているなら、その人はGRブランドのピラミッドをまったく解っていないということになります。
レッドアクセントがプラスされた専用の18インチアルミホイール
ちなみにヤリスGRスポーツのご先祖さまとなるヴィッツG’s、GR/GRスポーツの保有台数は現在もかなりの数だと聞いています。
それらのオーナーに話を聞いてみると「次に買い替えるクルマがない」と困っているそうです。
さらに「GRヤリスじゃダメなの?」と聞くと「確かにGRヤリスは魅力的ですが、3ドアだし自分たちにはオーバースペック。もう少しライトな5ドアスポーツハッチがいいんだよね」と。
つまり、GRヤリスとヤリスGRスポーツの違いは、むしろメーカーよりもユーザーのほうがよく解っているのかもしれません。
トヨタは「お客様(=ユーザー)に寄り添う」が身上ですが、それはGRも同じでしょう。
それならば、ヤリスGRスポーツの日本導入を是非とも願いたいものです。
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