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トヨタ「アルファード」が2000万円 「クラウンミニバン&LM」の高級ミニバン市場がスゴい! 世界初公開された新型「GL8」とは

くるまのニュース / 2021年12月9日 7時10分

中国では高級ミニバンが人気を博しています。トヨタ「アルファード」やレクサス「LM」などが挙げられますが、かねてから同市場をけん引しているのがビュイック「GL8」です。中国ではこれらのモデルが凌ぎを削っているといいます。

■中国では2000万円を払ってでもアルファードが欲しい人が多い!?

 今、中国の高級ミニバン市場はトヨタ「アルファード」や「クラウンヴェルファイア」「シエナ」、レクサス「LM」、ホンダ「オデッセイ」などの日本勢が勢いを増しています。
 
 そこへ待ったをかけるのがゼネラルモータース(GM)のビュイックで、2021年11月に広東省広州市で開かれた広州モーターショー2021にて、同ブランドの主力ミニバンである「GL8」の新たなコンセプトモデルを発表しました。

 一方で、日本勢を代表するアルファードの売れ行きはどうなのでしょうか。

 月間販売台数を見てみると、毎月2500台前後しか販売されておらず、毎月10位前後に位置しています。一見するとあまり売れていないようですが、これにはアルファード特有の事情が存在します。

 大前提としてアルファードやクラウンヴェルファイア(2021年4月にヴェルファイアより改称)は中国においては「輸入車」として扱われていることを知っておく必要があります。

 日本車のみならず、多くの外資系メーカーの車種は中国の自動車会社との合弁企業を通じて生産・販売がおこなわれており、トヨタの場合は第一汽車との一汽トヨタ、広州汽車との広汽トヨタが担当しています。

 ですが、中国で販売されている車種のなかでも、アルファード、クラウンヴェルファイア、GR 86、GR スープラなどは中国国内で生産されていないため、輸入車特有の制約が課せられます。

 具体的には、輸入車であるために関税の課税、そして1か月に輸入できる台数が決められていることからの不安定な供給体制などです。

 関税に関しては、これを回避するためにさまざまな自動車メーカーが中国国内での現地生産をおこなっていますがレクサスやGRをはじめとした一部の高級車やパフォーマンスモデルは一定のクオリティを保つために中国で生産をおこなわず、輸入モデルとして扱われます。

 もうひとつである不安定な供給体制ですが、これは中国向けに割り当てられているアルファードの台数に起因します。

 どの月の販売台数を見ても約2000台、良くて2500台を超える程度なのですが、これは「それだけしか売れていない」のではなく、「それだけしか売ることができない」ということを示しています。

 そしてアルファードは中国でも大人気で、多くの富裕層から支持を得ています。

 月に販売できる台数が決まっているのに、人気と需要だけは高くなり続ける。そんな現象が続くと、信じられないことが起きるのです。

 それは、アルファードを手に入れるために日本円にして約2000万円もの大金を払うようなユーザーが現れるのです。

 これは一体どういうことなのでしょうか。

 アルファードの中国国内における希望小売価格は83万9000元(邦貨換算:約1497万5000円)です。

 日本仕様で一番高いグレード「HYBRID Executive Lounge S(7人乗り/E-Four)」が775万2000円なので、この時点でも日本に比べたら遥かに高いモデルとなっていますが、これは前述の通り輸入車に対して課税される関税の影響です。

 そしてここからがポイントとなりますが、割り当てが少ないモデルであるために、ディーラーはいち早く納車を希望する購入者に対し、追加料金を支払うことで優先的に納車することを提案します。

 その追加料金は平均して25万元(約446万2100円)とのことなので、前述の通り、本当に2000万円近くのお金を出してアルファードを手に入れることになります。

 ここまで中国で人気がある理由は、内装や装備、快適性などのアルファード自体の完成度ももちろんですが、香港のエンターテインメント界におけるスターなどがアルファードを送迎車として使ってきたからということも影響しています。

 そういったスターが使うモデルなのだからさぞかし良いものだろうと考え、多くの中国人がアルファードを求めていくようになりました。

 人気なのは新車市場だけではありません。なんと、新車での入手困難さが影響し、中古車市場でもとんでもない価格高騰が起きている状態となっています。

 前述の通り、車両本体価格は83万9000元(邦貨換算:約1497万5000円)となっていますが、中古車サイトではナンバープレートが交付されていない新古車が軒並み150万元(約2677万3000円)前後。

 また、6万キロ近く走ったヴェルファイアも新車より高い90万元(約1606万4000円)という高価格で掲載されています。

 優先的に納車してもらうための多額な追加料金を支払えない人は、ベースの価格よりは少し高いものの、追加料金を払う分を考えればまだ安い新古車・中古車を選ぶしかないということなのです。

※ ※ ※

 こういう点からもアルファードは、ほかのミニバンとは一線を画す、唯一無二の存在であることがわかります。

■アルファードのパクリではない! 中国高級ミニバン市場をけん引するビュイック「GL8」とは

 ビュイックが発表した前述のモデル「GL8 フラッグシップコンセプト」は、2017年から販売されている現行モデルを置き換える次世代のGL8を指し示すものとなっています。

 外観はエッジの効いたシャープなラインで構成され、フロントは大型なグリルと極細のヘッドライトが特徴的です。

 純電動なのはもちろん、そこへ現行モデルを凌駕する車内空間の快適さを提供することとしています。

 ちなみに、このコンセプトモデルがアルファードの完全なパクリと唱えるメディアもいますが、それは違うと筆者は思います。

 高級ミニバンを突き詰めたらどこの国、どこのメーカーもだいたい似たような形になります。

 さらに、実際の問題として両者を比べても見ても「パクリ」といえるほどの類似点は存在しません。

アルファードに似てる? 2021年に世界初公開されたビュイック「GL8 フラッグシップコンセプト」アルファードに似てる? 2021年に世界初公開されたビュイック「GL8 フラッグシップコンセプト」

 そもそもビュイックは中国車ブランドではなく米国GMのブランドです。

 GMが中国市場において初めて「高級ミニバン市場」を開拓したビュイックは、そのライバルの存在に危機感を覚えています。

 ビュイックは2000年に中国市場専売モデルとしてこのミニバンを投入し、以来、主にビジネスの送迎用途などで長年活躍してきたモデルです。

 中国におけるミニバンの販売台数ランキングを見てみると、GL8は毎月2位に位置するほど売れているモデルです。

 2020年の累計販売台数は15万6777台となっており、その凄い売れ行きが見て取れますが、これは価格帯の違いも影響しています。

 まず、GL8は高級ミニバン市場に殴り込みをかけていると同時に、ファミリー層向けのミニバンとしての側面も持っています。

 そのため、一番安いグレードは31万7900元(邦貨換算:約567万4000円)から販売。また、前世代のモデルも継続して販売しており、こちらは23万2900元(約426万5800円)からです。

 そして高級ミニバン市場へは最上級のGL8 アヴェニールというモデルを用意しており、こちらは一気に価格が上がって46万3900元(約828万1000円)から販売。

 この最上級モデルは専用の外装のみならず、通常は7人乗りであるのを4人乗りにし、極上の快適性を実現したモデルです。

※ ※ ※

 そうしたなかで中国の高級ミニバン市場に、アルファードやクラウンヴェルファイア、LM、オデッセイなどの日本勢が猛追を仕掛けているのです。

 トヨタに至っては、2021年11月に初めて「シエナ」を正式に中国へ投入しました。

 シエナは中国現地で生産されるため、安定した供給体制を維持できるでしょうし、価格も30万9800元(約552万9000円)からとなり、アルファードほどのモノを求めないファミリー層などには人気になると考えられます。

 今後、アルファードよりも安いGL8もシエナをライバルとして念頭に置くことになるでしょう。

 今回発表されたGL8 フラッグシップコンセプトは、ビュイックがもっと先の時代のために何を消費者へ提供し、どう日本勢に対抗するかを示すものだと感じました。

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