人気復活の可能性はある? かなりイケてる最新セダン3選
くるまのニュース / 2021年12月10日 16時10分
1990年代は、日本の自動車市場でトップセラーといえばセダンでした。しかし、ニーズの変化から人気は徐々に低下し、近年はラインナップも少ない状況が続いています。しかし、直近でも新型セダンが登場するなど、セダンの未来は閉ざされていません。そこで、アグレッシブなデザインの最新国産セダンを、3車種ピックアップして紹介します。
■アグレッシブなデザインの最新セダンを振り返る
クルマにはさまざまなジャンルのモデルがあり、人気となるジャンルも時代によって変化しています。現在、日本の自動車市場では、SUVやコンパクトカー、軽ハイトワゴンの人気が高く、その反面、販売台数で低空飛行が続いているのがセダンです。
1990年代の初頭までトップセラーに君臨していたのはセダンです。ファミリーユースやビジネスユース、パーソナルカーとしても人気がありました。
しかし、時が経つとともにユーザーニーズも変わり、セダンの人気は低下。売れなければつくらないという負のスパイラルによって、ラインナップも減少してしまいました。
ところがここ数年で見ると、わずかではありますが新型セダンも登場しており、市場規模は大きくないながらも注目を集めていいます。
そこで、洗練されたデザインの最新国産セダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●スバル「WRX S4」
アグレッシブなデザインのボディとパワフルなエンジンを組み合わせた新型「WRX S4」
スバルは2021年11月25日に、スポーツセダンの新型「WRX S4」を発表。新型WRX S4はアメリカで先行して発表されていましたが、日本仕様の全貌が明らかになりました。
まず、特徴的なのが外観で、スバル車のアイデンティティであるヘキサゴングリルを配置したフロントフェイスは、先代以上にシャープな印象です。
ボディサイズは全長4670mm×全幅1825mm×全高1465mm(アンテナを含む)とロー&ワイドなスタンスで、全体のシルエットは前傾姿勢を強調し、大きく張り出した前後フェンダーによって迫力あるフォルムを実現。
また、斬新な試みとして、4輪のフェンダーアーチや前後バンパーに樹脂パーツを装着。通常はSUVにおいて機能的な外観を演出する手法ですが、あえてセダンに導入したことでデザイン上のアクセントになっているのと同時に、空力性能の改善によって直進安定性を高める役割もあります。
内装ではさらにデジタル化が進み、ドライバーの眼前にフル液晶のメーターを装備し、スピードやエンジン回転数などに加えてブースト計も表示され、さらに大型のセンターディスプレイが運転に必要な情報を直感的に伝え、ドライビングをサポートします。
なお、上位グレードの「STI スポーツR」ではレカロ製スポーツシートがオプション設定されるなど、スポーツセダンであることをアピールしています。
パワーユニットは全グレード共通で、最高出力275馬力を発揮するパワフルな2.4リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載。組み合わされるトランスミッションは「スバルパフォーマンストランスミッション」と呼称される新開発のCVTのみで、駆動方式は先代から継承した不等&可変トルク配分電子制御4WDの「VTD-AWD」です。
このCVTは8速マニュアルモード時に「スポーツ変速制御」によって、トルク制御とブリッピングを駆使してシフトアップ&ダウンをおこなうことで、トップレベルの変速速度とキレのある変速感覚を実現しています。
新型WRX S4のグレードは「GT-H」と「STI スポーツR」の2ラインに分かれ、それぞれに最新の安全運転支援システムである「アイサイトX」を搭載した「EX」グレードを設定。価格(消費税込、以下同様)は400万4000円から477万4000円です。
●日産「スカイライン」
歴代最強のパワフルなモデルと先進的なモデルを両立した13代目「スカイライン」
かつて、日産のセダンラインナップはエントリーモデルの「サニー」から最上級の「プレジデント」まで、あらゆるニーズに対応した複数のセグメントのモデルが展開されていましたが、現在はわずか3車種のみです。
そのなかでも注目されるモデルが、2014年に発売された13代目「スカイライン」です。この13代目は2019年に大幅なマイナーチェンジがおこなわれて、あらゆるパワーフォーマンスが向上しました。
外観デザインは「Vモーション」を新たに採用した精悍なフロントフェイスと、流麗かつグラマラスなシルエットに、フェンダーとボディサイドのキャラクターラインが複雑な造形となっているのが特徴です。
パワーユニットはシステム最高出力364馬力の3.5リッターV型6気筒+モーターのハイブリッドと、304馬力の3リッターV型6気筒ツインターボエンジンを設定。
さらに、マイナーチェンジでシリーズ最強となる、最高出力405馬力を誇る3リッターツインターボエンジンの「400R」が加わりました。
また、ハイブリッドモデルには新開発の安全運転支援システム「プロパイロット2.0」が搭載され、高速道路での同一車線ハンズオフ走行が可能となりました。
歴代スカイラインに共通する先進性とスポーティカーというポジションは、最新モデルも継承しています。
価格はガソリン車が435万3800円から、ハイブリッド車が490万8200円から、400Rが562万5400円です。
●トヨタ「カムリ」
スタイリッシュなフォルムのボディが特徴のFFフラッグシップセダン「カムリ」
国内のトヨタのセダンラインナップのなかで、FFモデルのフラッグシップが「カムリ」です。現行モデルは2017年に発売された10代目で、アメリカでは「RAV4」に次いで好調なセールスを記録しています。
外観デザインで特徴的なのが、巨大な開口部を有するグリルを配置したフロントフェイスで、全体のフォルムも伸びやかで美しい流麗なスタイリングです。
2018年8月にはよりスポーティな「WS」グレードが追加ラインナップされ、スタンダードなカムリとフロントフェイスのデザインをシャープな印象に大きく変えたことが話題となりました。
パワーユニットは全グレードがハイブリッドで、熱効率に優れ最高出力178馬力の2.5リッター直列4気筒エンジンに、120馬力のモーターが組み合わされ、システム最高出力は211馬力を発揮します。
一方で、WLTCモード燃費27.1km/L(「X」グレード)と、ミドルクラスセダンながら驚異的な低燃費を達成しています。
さらに2021年2月にマイナーチェンジがおこなわれた最新のモデルでは、フロントフェイスではデザインの一部が変更されたのと同時に、安全運転支援システムのアップデートが図られました。
価格はスタンダードモデルのカムリが348万5000円から、WSモデルが393万7000円からです。
※ ※ ※
今やファミリーカーの定番車種といえばミニバンですが、近年のSUV人気から、子育てが一段落したファミリー層がミニバンから3列シートのSUVに乗り換えるケースが増えているといいます。
さらに、少子高齢化が叫ばれて久しいですから、将来的にSUVからセダンへの乗り換え需要も高くなるのではないでしょうか。
しかし、現状の国内メーカーのセダンラインナップでは選択肢は豊富とはいえず、かつてのような人気復活の道は険しいといわざるを得ません。
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