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ブレーキから「ゴリゴリ」異音はかなりヤバい!? クルマが止まるのに必要な「ブレーキパッド」交換すべき症状とは

くるまのニュース / 2021年12月16日 10時10分

クルマで走行するうえで重要な「ブレーキパッド」は、走っているうちにすり減ってしまいます。ただし、消耗具合を確認しにくく交換タイミングがわかりづらいのも事実。ブレーキパッとはどのような状態になったら交換すべきなのでしょうか。

■ブレーキパッドは走っているうちに消耗してしまう

 クルマを走らせる上で重要な要素は「走る・曲がる・止まる」です。この「止まる」に関して最重要ともいえるパーツが「ブレーキパッド」ですが、走っているうちに削れてくるので交換が必要です。

 ただし、タイヤのように外側から消耗具合を確認することもできず、残量がどれくらいなのかを確認しにくいのが悩ましいところです。ブレーキパッドはなぜ減ってしまうのでしょうか。

 クルマのブレーキには「ディスク式」と「ドラム式」があり、現在販売中のすべてのモデルは前輪もしくは4輪に、放熱性に優れるディスク式ブレーキを装着しています。

 ホイールと一緒に回転する「ブレーキローター」と呼ばれるディスクを「ブレーキキャリパー」に装着されたブレーキパッドで挟み込み、摩擦力を利用して回転エネルギーを熱エネルギーに変換させることで制動力を確保します。

 そしてこのブレーキパッドは、摩擦力を生み出す代わりに走るごとに少しずつ摩耗していきます。

 要するに減ることを前提として装着されている消耗パーツであることから、適正なタイミングで交換しないといざというときに止まれないという事態になってしまうわけです。

 また、変換された熱エネルギーはかなりの高温になるため、ブレーキパッドに使われる素材は耐熱性があるものが使用されています。

 材質としては、金属粉や繊維材などを樹脂で固めたレジン(セミメタルと呼ばれることもあります)系と、金属粉を焼結したメタル系があります。

 そしてこのブレーキパッドはホイールの隙間から見えるブレーキキャリパーの内側の、外からは見えない位置に取り付けられています。

 ブレーキパッドは新品では約10mm程度の厚みがあります。これが使い続けることで摩耗が進み、3mm程度にまですり減ると交換のタイミングとされています。

 そして厚みが1mm以下にまで減ってしまうとブレーキ自体の効きが悪くなるのはもちろん、ブレーキローターにもダメージを与えてしまい故障の原因にもなります。

※ ※ ※

 ちなみに、昔は4万km程度で寿命となるブレーキパッドも多かったようですが、現在では6万kmから8万kmでの交換が目安だといいます。

 走行距離が短くても市街地走行ばかりでブレーキの使用頻度が高い、いわゆる「シビアコンディション」ではパッドの減りも早くなりますし、サーキットでもスポーツ走行などハードな使われ方をすると、残量があっても割れてしまって交換せざるを得ないケースもあるのだそうです。

■交換時期が分かりづらい! どんな状態になったらNG?

 では、ブレーキパッドが減ってくるとどんな症状が出るのでしょうか。また減っているわけでもなさそうなのにキーキー音がするのも、ブレーキに何らかのトラブルがあるのでしょうか。

 都内の整備工場に勤務するH整備士に聞いてみました。

ブレーキパッドでブレーキローターを挟みこみ、摩擦でクルマを停止させるブレーキパッドでブレーキローターを挟みこみ、摩擦でクルマを停止させる

「ブレーキを踏み込んでスキール音(キーキーといった金属音)を立てる、いわゆるブレーキ鳴りがしてもあまり心配することはありません。とくに欧州車などは国産車とはブレーキに対する考え方の違いで、音が鳴っても止まれればいいという感じで作られています。

 ブレーキキャリパーに付いているスライドピンという可動部品が上手に作動しないと同じように鳴くこともあります」

 またローターは非常に錆びやすく、数日走らないだけでうっすらとサビが発生するそうですが、走りはじめはサビの影響で音が発生することもあるそうです。ただこれも10分も走ればとれてしまう程度のサビなので心配はいらないのだとか。

 ただし、走行中にブレーキを踏んでいないにも関わらずスキール音がする場合は、摩耗限界を知らせるセンサーがブレーキローターに当たって発生している可能性があり、なるべく早く整備工場や販売店に相談するのが良いです。

 そして、もっとも深刻な異音は「ゴリゴリ」と鉄の塊がこすれるような音なのだといいます。

「ブレーキを使用するとゴリゴリした音がする、または踏んで違和感がある場合は、パッドが極端に減っている、またはすでにパッドがなくなってバックプレートがローターに干渉している可能性が高いです。そのまま放置しておくとローターが破損してしまいます。

 また、ブレーキキャリパーにも何らかのダメージが入ってしまいますので、できるだけ早めに販売店やディーラー、整備工場などで診てもらうか、パッドを交換してもらってください」

 ブレーキパッドはブレーキローターを左右2枚で挟む形状で設置されています。左右2枚のパッドが必ずしも均一に摩耗するわけではなく、たとえば外側のパッドはすり減っていても内側の残量は残っているケースもあります。

 減っているパッドのみの交換で問題ないそうですが、それだけ一方のブレーキが効き過ぎている(いわゆる片効き)ので、そのあたりも交換ついでに調整してもらうのが良いでしょう。

 気になる予算ですが、一般的な普通車であればブレーキパッド単体(フロントブレーキ)であれば1万円から2万円(別途工賃が必要)、作業時間は2時間程度です。

 そういった異音や変な振動などがない場合は、法定点検か車検時にブレーキパッドの残量をチェックする程度でも大丈夫ですが、できれば5万km以内には交換しておいたほうが未然にトラブルを防ぐことができるので安心だとH整備士はアドバイスします。

※ ※ ※

 ブレーキパッド自体は数千km程度では使えなくなることはほとんどありませんが、年式が古くなるにつれ、残量だけでなくキャリパーの動きやブレーキフルードなども含めたメンテは重要になってきます。

 とくにこれからの季節は道路の凍結なども起こりやすくなりますので「最近ブレーキの効きが悪いな」と感じているようでしたら、まずはプロに見てもらってはいかがでしょうか。

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