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トヨタ新型SUV「bZ4X」638万円スタート! 同価格で真っ向勝負も日産新型「アリア」不利? 戦いの行方は電池で決まるか

くるまのニュース / 2021年12月17日 10時10分

トヨタの英国法人は新型「bZ4X」の価格を明らかにしました。ライバルとなる日産新型「アリア」と比べると、どのような勝負となるのでしょうか。

■新型bZ4Xの英国価格を発表! 日産新型「アリア」と比べると?

 2021年12月15日、トヨタの英国法人は同社の新たなEVブランドなる「bZシリーズ」の第一弾新型「bZ4X」の価格を明らかにした。
 
 グローバルでの販売に先駆けて設定された価格はどうなのか。

 トヨタ初となる本格的量販電気自動車 bZ4Xのイギリス価格が発表された。

 ベースとなるFFモデルは4万1950ポンド。1ポンド152円とすれば638万円になる。

 すでに発表されている日産新型「アリア」のFFベースモデルが4万1845ポンド(同636万円)なので、ほとんど同じ価格設定ということ。

 ちなみに、アリアの日本価格は539万スタートです。

 結論から書くと、もしbZ4Xがイギリスのように日本でもアリアと同等の価格の価格設定をしてきたら、すでに先行オーダーを開始している日産にとって相当厳しい戦いになるだろう。

 最悪、濃い日産ファンじゃなければキャンセルすらあり得る状況。

 なぜアリア厳しいがのか。それはすべてのスペックでbZ4Xが優位だからだ。詳しく見ていきたい。

まず日本仕様のボディサイズ。bZ4Xのホイールベースは2850mmあり、アリアの2775mmよりずいぶん長い。

 全長もbZ4Xの4695mmにアリアの4595mm。ホイールベースで決まってくる車格からすれば(キャビンスペースはホイールベースで決まってくる)、bZ4Xのほうが車格は上の分、価格も高くて当然。

 そのため、ボディサイズを金額差に換算すれば、20万円から30万円相当と考えていいだろう。

 加えて電池容量でも差がある。bZ4Xのベースグレードは電池容量71.4kWh。アリアが66kWhと、bZ4X若干優位。

 また、欧州WLTPモードによる航続距離を見ると公表済みのアリアで359km。

 bZ4Xは電池容量多いだけでなく電費も良いらしく、関係筋の情報だと450kmくらいになると予想されている(日本のWLTCモードでは500km前後)。

 欧州の電気自動車比較サイトを見ると、寒い日にヒーター使うもっとも厳しい状況の航続距離でbZ4Xは270kmで、アリアは235kmと予想している。

 電気自動車の価格、電池容量によって決まって来る傾向。

 アリアも66kWhと91kWhの2タイプから選べるが、日本仕様で80万円差。電池容量からすればbZ4Xはアリアの66kWhより17万円高くていい。

■電池の寿命では日産不利か? トヨタと異なる電池事情とは

 また、日産の動き次第なのだけれど、決定的になりそうなのが電池の寿命。

 bZ4X、どうやら10年/24万kmで90%を目標にしているらしい。

 保証内容についちゃ不明ながら、これに近いスペックにしてきたら、日産は勝負にならない。

 ちなみに日産「リーフ」の保証は、8年/16万kmでおよそ70%(正確な数字は公開していない)というもの。

 もう少し正確に書くと、日産の保証は「本来12セグある電池表示が8セグになったら、9セグの電池に交換します」というものだ。

 そもそも8セグが何%か不明。リーフスパイ(バッテリー情報を知るアプリ)でOBD2(故障判断装置)から情報取ると、8セグになったら70%を切っているようだ。

 トヨタの10年/24万kmで90%と比べられたら大いに厳しい。というか勝負にならないです。

 加えてbZ4Xは100V/1500W電源を装備するなど、実質的なスペックで勝っている可能性大。

世界に先駆けて日本で予約開始した日産新型「アリア リミテッド」(日本限定車)世界に先駆けて日本で予約開始した日産新型「アリア リミテッド」(日本限定車)

 といったことを総合して考えたら、日本でもアリアと同じ程度の価格設定をしてきたらbZ4Xの圧倒的優位になってしまう。

 日産はどうしたらいいか。

 ひとつは電池の保証をトヨタ並にすること。というか絶対に同等としなければ勝負にならない。

 ふたつめは未だ価格を発表していない大容量電池搭載(91kWh)のベースグレードを思い切って安いすること。

 80万円差を40万円差くらいに縮め、580万円くらいに設定したらbZ4Xと価格で勝負出来るようになるだろう。

 このふたつを攻めない限り、bZ4Xが優位になること間違いなし。日産からすればbZ4Xが日本で高い価格を付けてほしいかもしれない。

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