ホンダ新型SUV「ZR-V」は2022年に登場か ミニバン&SUVで巻き返し図る? 販売終了ラッシュの影でどう動くのか
くるまのニュース / 2022年1月11日 7時10分
近年のホンダは、毎年のように複数モデルの生産終了をアナウンスしています。果たして2022年のホンダはどのような動きとなるのでしょうか。
■「フルラインナップメーカー」のホンダ…2022年はどうなる?
軽自動車からスーパースポーツまで、バラエティ豊かなラインナップを持つホンダですが、実際には多くのモデルが販売終了となることが明らかとなっています。
2022年のホンダはどのようなラインナップとなるのでしょうか。
ホンダは以前から「フルラインナップメーカー」と称されるように、バラエティ豊かなラインナップを持っていることが魅力のひとつでした。
実際に、ホンダの公式サイトを見ると、軽スポーツカーの「S660」や高級セダンの「レジェンド」、スーパースポーツの「NSX」など、2022年1月現在で30ものモデルがあると記載されています。
しかし、さらに詳しく見ると、上記3台はすでにオーダー受付を終了しており、事実上新車購入が難しい状態となっています。
2020年には「ジェイド」「グレイス」「シビックセダン(後継はハッチバックのみ)」、2021年には前述のレジェンド、「クラリティ」そして、ミニバンブームの一翼を担った「オデッセイ」も2021年12月に国内モデルの生産を終了しました。
また、2022年3月にS660、12月にNSXの終了がアナウンスされているほか、一部報道では「シャトル」「CR-V」「インサイト」といったモデルも2022年内の生産終了が報じられています。
さらに、もともと販売台数がそれほど多くない「アコード」や「ホンダe」などを除けば、現在ホンダの主力車種と呼べるのは、「フィット」「フリード」「ヴェゼル」「シビック」「ステップワゴン」、そして軽自動車の「N」シリーズです。
2021年12月に電動パーキングブレーキを搭載する商品改良をおこない、もはや死角なしとなった「N-BOX」シリーズや、同年4月にフルモデルチェンジを果たしたヴェゼルは、今後も安定した販売が期待できそうです。
一方、2021年にフルモデルチェンジをおこなったシビックは、当面の間堅調な販売が予想されますが、月間販売台数目標が1000台ということを考えると、60万台規模であるホンダの国内年間販売台数への貢献はそれほど多くはなさそうです。
さらに、Nシリーズに需要がとられているフィットも、決して好調とはいえないのが実情です。
このように、一見すると多くのモデルがラインナップされているホンダですが、「売れ筋」と呼べるモデルはそれほど多くはないという見方も出来ます。
■2022年はステップワゴンにシビック!? 目玉は新型SUVの登場か
一方、2022年にフルモデルチェンジが予定されているものもあります。
新型ステップワゴンは2022年1月7日にジャパンプレミアし、同年春に発売を予定しており、その後は堅調な売上が期待出来ます。
1996年の発売以来、25年以上にわたってホンダの国内販売を支えてきた主力モデルのフルモデルチェンジだけにユーザーの注目度も高く、2022年におけるホンダの国内販売を占う重要なモデルとなることは間違いないでしょう。
また、2021年に新年シビック(ハッチバック)が発表された際、2022年にハイブリッド車と高性能モデルのタイプRが2022年に導入されることが明らかになっています。
2022年1月7日にジャパンプレミアされた新型「ステップワゴン」
ただ、近年世界的なトレンドとなっているSUVのラインナップが弱い点は、深刻な問題といえます。
最近の国内市場では、ヴェゼルとCR-Vという2モデル構成でしたが、CR-Vが報道どおりに販売終了すれば、SUVはヴェゼルのみとなってしまいます。
一説には、全長4m級のトヨタ「ライズ」のようなコンパクトSUVが新型モデルとして、さらに中国で発表されたCR-V PHEVが日本に導入されるのではないかといわれているようです。
なお、新型コンパクトSUVに関しては、2021年11月11日にインドネシアで世界初公開された新型「SUV RS CONCEPT」が「ZR-V」という車名で登場するともいわれており、これが日本に来る可能性もあり得るかもしれません。
SUVは、ほかのボディタイプよりも利益率が高くなりやすいことから、メーカーにとっても必要な存在です。
また、「軽自動車が多く売れることはうれしい一方で、『ホンダ=軽自動車メーカー』というイメージができつつあり、今後ビジネス上の課題となることは明らか」という業界関係者からの指摘もあるといいます。
これからもホンダは「フルラインナップメーカー」としてのポジションをキープするためにも、SUVを中心とした上級モデルの拡充は必要不可欠と考えられます。
※ ※ ※
2040年までに、すべてのモデルを電気自動車(EV)か燃料電池車(FCV)にするという目標を掲げているホンダ。
最近の「生産終了ラッシュ」は、電動化に向けた布石のひとつと考えられますが、その一方でいま現在はガソリン車が優勢なのも事実です。
将来と現在という、ふたつのニーズの折り合いをどのようにつけていくのかが今後のホンダには求められます。
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