見た目も価格も超絶インパクト! 浮世離れした昭和のスポーツカー3選
くるまのニュース / 2022年1月11日 16時10分
日本でマイカーの普及が始まったのは1960年代の中頃からといわれています。しかし、当時はまだ大衆車でも庶民には非常に高額な買い物であり、そう簡単に買えるものではありませんでした。そんな時代だったにも関わらず、すでに登場していたスポーツカーがあります。そこで、超高額で見た目のインパクトも凄かった昭和のスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。
■1960年代に誕生した浮世離れした国産スポーツカーを振り返る
1966年4月に、日産はダットサン初代「サニー」を発売しました。そして、同年11月にはトヨタ初代「カローラ」も誕生。まさにマイカー時代到来を告げる2台の大衆車が、同時期に誕生しました。
しかし、1966年当時は大卒初任給が2万2000円ほどだったなか、サニーとカローラの価格は40万円台後半と初任給20か月分に相当するほど高額で、とても庶民が簡単に買える値段ではなかったようです。
一方、そんな時代でも国産スポーツカーが登場しており、価格だけでなく見た目にも浮世離れしたモデルも存在しました。
そこで、1960年代に発売された超高額で見た目のインパクトも凄かったスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。
●プリンス「スカイラインスポーツ」
コンセプトカーをそのまま市販したような斬新かつ先進的なモデルの「スカイラインスポーツ」
日産「スカイライン」は65年もの長い歴史を刻むモデルで、初代は1957年にプリンス自動車の前身である富士精密工業から発売されました。
その後、1963年には2代目となるプリンス「スカイライン」が登場しましたが、その少し前の1962年に、もう1台のスカイラインとして「スカイラインスポーツ」がデビュー。
スカイラインスポーツは高級セダンである初代「グロリア」のシャシとパワートレインをベースに開発され、内外装のデザインはイタリアの工業デザイナーである、ジョヴァンニ・ミケロッティが担当。
ミケロッティはトライアンフのスポーツカーや、現在のBMW「3シリーズ/5シリーズ」の原点ともいえる「1500シリーズ」、国産車では日野「コンテッサ」など、数多くの名車を手掛けました。
特徴的なのがフロントフェイスで、左右に吊り上がって配置された丸目4灯のヘッドライトは、当時の国産車では考えられないほど斬新な造形でした。
全体のフォルムは伸びやかで美しいスタイリングとなっており、内装は比較的シンプルなデザインながら欧州テイストの高級スポーツカーに仕立てられました。
また、オートチューニング付きラジオや、電動で伸縮するオートアンテナが標準装備されるなど、当時としては先進的な装備を搭載。
発売当時のスカイラインスポーツの価格は、クーペが185万円、コンバーチブルが195万円と、まさに超高級スポーツカーという設定でした。
高額な価格に加えボディの製造工程の大半が手作業だったことから、生産台数はクーペが35台、コンバーチブルが25台と、合計でもわずか60台しか生産されませんでした。
●トヨタ「2000GT」
美しいスタイリングと世界に通用する性能を実現したスポーツカーのトヨタ「2000GT」
前出の初代カローラがデビューした翌年の1967年5月に、日本の自動車史に燦然と輝く名車トヨタ「2000GT」が発売しました。
トヨタは世界に通用するスポーツカーをつくるという目標を掲げてトヨタ2000GTを開発し、外観は、英国製FRスポーツカーの伝統的なフォルムであるロングノーズ・ショートデッキで、複雑な曲面で構成された流麗かつ美しいファストバックスタイルです。
内装はローズウッドをふんだんに使ったインパネやセンターコンソールに7連メーターを搭載するなど、やはり英国調に仕立てられました。
搭載されたエンジンは当時としてはかなり先進的な2リッター直列6気筒DOHCで、最高出力150馬力(グロス)を誇り、最高速度220km/h、0-400m加速15.9秒、0-100km/h加速8.6秒と、トヨタの目標どおり世界トップクラスの動力性能を実現していました。
また、リトラクタブルヘッドライトや、足まわりでは4輪ダブルウイッシュボーンと4輪ディスクブレーキが採用されるなど、当時の国産車の水準を大きく超えた設計でした。
後にフロントフェイスのデザイン変更を含むマイナーチェンジがおこなわれ、1970年までの3年ほどで生産を終了。海外にも輸出されましたが、全生産台数はわずか337台でした。
トヨタ2000GTは生産工程の多くが手作業だったことから当時の販売価格は238万円で、およそカローラ5台分に相当するほど高額で、今なら数千万円クラスだったといわれています。
●マツダ「コスモスポーツ」
世界初の量産ロータリーエンジン車という偉業だった不屈の名車「コスモスポーツ」
マツダは1961年に、ドイツのNSUバンケル社とロータリーエンジンについて技術提携をおこないました。
ロータリーエンジンはシンプルな構造によって小型軽量で、さらに高性能で「夢の内燃機関」と評されており、マツダ以外の数多くのメーカーもNSUバンケル社と提携していましたが、唯一マツダだけが量産化に成功。
そして1967年に、世界初の量産ロータリーエンジンを搭載したピュアスポーツカーの「コスモスポーツ」が発売されました。
491cc×2ローターの「10A型」ロータリーエンジンは最高出力110馬力(グロス)を誇り、まさにスポーツカーにふさわしいエンジンでした。
また、コンパクトなロータリーエンジンの特徴を生かして、外観は低く伸びやかなフォルムの2シータークーペで、未来感あふれる斬新なデザインが採用されました。
また、動力性能は最高速度185km/h、0-400m加速16.3秒を達成。発売翌年の1968年には早くも性能向上が図られ、最高出力128馬力(グロス)を発揮し、最高速度は200km/h、0-400m加速は15.8秒を達成するなど、ロータリーエンジンの性能の高さを世に知らしめました。
なお、コスモスポーツの価格は初期型が148万円、後期型が158万円とかなり高額なクルマでしたが、マツダはすぐにロータリーエンジン車の拡充を開始し、大衆車である「ファミリア」などにもロータリーエンジンが搭載されました。
※ ※ ※
高性能なスポーツカーは、いつの時代でもクルマ好きにとって憧れの存在ですが、今回、紹介した3台は当時の人の目にはどのように映ったのでしょうか。
おそらく、夢や幻を超越した存在で、多くの人にとって非現実的なものであり、手に入れるなど想像もできなかったことでしょう。
現在は物が溢れている時代とあって、たとえ高額なクルマであってもリアリティがあり、それも生活が豊かになった証といえます。
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