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大ヒット映画に登場して一躍有名になったモデルも!? 1980年代の高性能フルタイム4WD車3選

くるまのニュース / 2022年1月18日 6時10分

普及が始まった頃の4WD車といえば、悪路走破性に特化したクロスカントリー車でした。しかし、1980年代の後半には、舗装路でも安定したスピーディな走りを実現するために開発された4WD車が登場。そこで、1980年代に発売されたハイパフォーマンスなフルタイム4WD車を、3車種ピックアップして紹介します。

■往年のハイパフォーマンスなフルタイム4WD車を振り返る

 今では軽自動車から超高級SUVまで広く浸透している4WD車ですが、もともとは軍用車に端を発するクロスカントリー4WD車から普及が始まりました。

 日本でも雪国を中心に生活に欠かせないクルマとして4WD車は人気となりましたが、1980年代の中頃には世界ラリー選手権において、乾いた舗装路でも優れた走行安定性を誇るマシンとしてフルタイム4WD車が開発され、高性能な市販車への採用が一気に拡大しました。

 4WD車はエンジンパワーを4輪で路面に伝えるため優れたトラクション性能を発揮し、とくに大出力のクルマでは4WDシステムは欠かせない存在です。

 そこで、1980年代に発売されたハイパフォーマンスな初期のフルタイム4WD車を、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「セリカ GT-FOUR」

走りの実力だけでなくスタイリングでも人気となった「セリカ GT-FOUR」走りの実力だけでなくスタイリングでも人気となった「セリカ GT-FOUR」

 トヨタは1970年に、量産スペシャリティカーとして初代「セリカ」を発売。当時、高額なスポーツカーにしか搭載されなかったDOHCエンジンを、身近な存在にした立役者でした。

 その後代を重ね、1985年に登場した4代目は、居住性を求めるニーズから駆動方式をFFとする大きな転換期を迎えたモデルです。

 フロントフェイスはリトラクタブルヘッドライトを3代目から継承し、ボディは3ドアハッチバッククーペのみで、ボディラインはトヨタ自身が「流面形」と表現したほど流麗なフォルムを実現しました。

 そして1986年には、最高出力185馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCターボ「3S-GTEU型」エンジンと、センターデフ式フルタイム4WDシステムを搭載した「セリカ GT-FOUR」が登場。

 足まわりは専用チューニングの4輪ストラットを採用し、4輪ディスクのブレーキも強化され、パワーに見合うようにシャシ性能も向上していました。

 セリカ GT-FOURは1988年にTTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)から、市販車をベースにしたグループA車両で戦う世界ラリー選手権(WRC)に本格参戦を開始。1990年にはカルロス・サインツ選手が日本車初のドライバーズタイトルを獲得し、その基本性能の高さを見せつけました。

 ラリーで活躍したセリカはハイパワーなフルタイム4WD車というイメージが定着し、5代目と6代目にもコンセプトを継承したGT-FOURがラインナップされました。

●「ギャラン VR-4」

生粋のスポーツカーをも凌駕する性能だったスポーツセダンの「ギャラン VR-4」生粋のスポーツカーをも凌駕する性能だったスポーツセダンの「ギャラン VR-4」

 三菱は1960年代には国内外のラリーに積極的に参戦するようになり、市販車のポテンシャルアップに技術をフィードバックしてしました。

 そして、セリカ GT-FOURと同じく、WRC参戦を目的として1987年に「ギャラン VR-4」が登場しました。

 ギャラン VR-4は6代目ギャランのトップグレードであり、外観の特徴は精悍な印象の逆スラントノーズのフロントフェイス、全体的には控えめなエアロパーツが装着されるにとどまり、比較的オーソドックスなセダンですが均整のとれたスタイリッシュなフォルムが好評でした。

 エンジンは最高出力205馬力を発揮する直列4気筒DOHCターボ「4G63型」で、センターデフとビスカスカップリングを組み合わせたフルタイム4WDに油圧制御の4輪操舵を搭載し、優れた加速性能と運動性能を実現しました。

 一方、乗り心地やリアシートの居住性も良好で、荷室容量も十分に確保され、新世代セダンとしてのポテンシャルも高くなっていました。

 さらにモータースポーツベース車として1988年に「VR-4 RS」が登場。パワーウインドウやエアコンなどの快適装備と、遮音材を廃止して大幅に軽量化され、ラリーだけでなくダートトライアルでも活躍。

 その後も改良を繰り返して段階的にパワーアップが図られ、1990年には最高出力240馬力に到達しました。

 ギャラン VR-4は1990年の1000湖ラリーとRACラリーにおいて、当初の目的だった優勝を飾り、後の「ランサーGSRエボリューション」シリーズ誕生の礎となりました。

●ランチア「デルタHF 4WD」

いま見るとスマートなナローボディもカッコイイ「デルタHF 4WD」いま見るとスマートなナローボディもカッコイイ「デルタHF 4WD」

 前述のセリカ GT-FOURとランサー VR-4が登場する以前から、WRCで活躍していたのがランチア「デルタHF 4WD」です。

 デルタは1979年に、オーソドックスなFFコンパクトカーとしてデビューしました。

 その後、このデルタをベースにしたマシンでWRCに参戦するため、1986年にはアバルトの手によって開発された「デルタHF 4WD」を追加ラインナップしました。

 ボディはベースとなった「デルタHF ターボ」からのままでしたが、フロントフェイスは異径丸目4灯を配置した専用のデザインで、それだけでも戦闘的な印象です。

 エンジンは最高出力165馬力を発揮する2リッター直列4気筒ターボで、トランスミッションは5速MTのみ。駆動方式はトルセンセンターデフを用いたフルタイム4WDを採用し、駆動力配分は前後56:44でした。

 そして1987年シーズンからWRCに参戦を果たし、1988年には出力を向上した「デルタHF インテグラーレ」が登場。外観はサイズアップしたホイールとタイヤを収めるために、前後ブリスターフェンダーとしたワイドボディの迫力あるフォルムに変貌し、エンジンも8バルブ仕様で最高出力185馬力まで向上。

 その後、1989年には16バルブエンジンで200馬力の「デルタHF インテグラーレ16V」、1992年にはさらに大きくフェンダーを拡幅し、最高出力210馬力を誇る「デルタHF インテグラーレ エボルツィオーネ」へと進化し、WRCでは6年連続でメーカータイトルを獲得するなど、デルタは最強を誇りました。

※ ※ ※

 冒頭のセリカ GT-FOURといえば、1987年公開の「ホイチョイ・プロダクション」製作の大ヒット映画「私をスキーに連れてって」で劇中車だったことから、有名になりました。

 劇中ではホワイトとレッドのカラーリングの2台のセリカ GT-FOURが登場し、雪上を舞台にしたカーアクションが繰り広げられ、セリカ GT-FOURの走りの実力を知らしめたといっても過言ではありません。

 ところが、この映画の監督で現在ホイチョイ・プロダクションズ社長の馬場康夫氏によると、映画の終盤で1台を転倒させて壊したことから、トヨタにこっぴどく叱られたそうです。

 とはいえ実際はセリカの宣伝効果はかなりのものとなり、売上にも相当貢献したのではないでしょうか。

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