急な大雪で立ち往生! 最悪な状況を回避するために取るべき行動とは?
くるまのニュース / 2022年2月5日 13時10分
今シーズンは北海道や日本海側の降雪地域を中心に、雪の多い冬になっています。2022年になってからもすでに各地で大雪による立ち往生が発生しています。東京をはじめ関東地方でも1月6日に雪が降り、首都高などでは翌日も通行止めになりました。そんな雪による立ち往生を回避するにはどうすればいいのでしょうか。
■全国的に例年よりも降雪が多い2021−2022冬シーズン
集中的な豪雪で、道路交通に大きな影響が出る事態が近年頻発しています。
2022年も、1月4日に新潟県中越地方に短時間に降った雪で、関越自動車道の群馬新潟県境にある関越トンネルをはさむ区間の本線車道で渋滞が発生、立ち往生に近い形となり、上下線で通行止めの措置がとられました。
また1月6日には南岸低気圧の影響で関東地方南部が大雪に見舞われ、とくに首都高では高架や橋梁部で多数のクルマが停留したことから、多くの区間が通行止めとなりました。
では、こうした高速道路でのクルマの立ち往生や停留はどうして発生するのでしょうか。
1月4日の関越自動車道でのケースは、スキーやスノボなどの行楽帰り、そしてお正月休みを地方で過ごした人のUターンラッシュに、時間あたり5cmから6cmの降雪(新潟県湯沢町のアメダスデータ)が重なりました。
関越道のこの区間は日本屈指の豪雪地帯であり、NEXCO東日本は定期的に除雪車を動かすなどして道路の安全確保に努めています。
しかしこの区間は長い上り坂が続くため、通行量の多い状況では車速が低下しがちです。そこに豪雪が加わると、視界不良などでさらに車速が落ち、渋滞が発生しやすくなります。そして本線上に渋滞の列が連なると、理想的な間隔での除雪車運行が困難になり、路面には雪が積もり続ける状態になります。
路面が多くの降雪に覆われると、まず2WDなどトラクションのかかりにくいクルマからスタックがはじまり、渋滞に拍車をかけます。そして渋滞で動かなくなったクルマの間に雪が積もるようになってくると、スタックするクルマはさらに増えます。こうした結果、雪のなかでの立ち往生が発生してしまうのです。
一方、1月6日の関東地方南部の大雪では、午後に雪が降りはじめてからもサマータイヤで走行するクルマが多く見られました。
東京23区内の幹線道路では、クルマの通行量が多いこともあり、路面の雪はシャーベット状で、サマータイヤでも(安全とは言いがたくとも)なんとか走行できる状況でした。しかし多くの区間で高架となっている首都高では、路面状況が大きく異なっていたことから、クルマの停留につながったと考えられます。
■雪による立ち往生を回避する方法とは
地熱の助けである程度の融雪が見込まれる地上の道路とは異なり、高架は路面から路盤の裏側まで、冷たい外気にさらされます。
1月6日の東京都心は、気温が13時に0度となり、17時20分に0度に戻るまで、ほぼずっとマイナス気温が続きました(東京のアメダスデータA)。そのため首都高の高架部分では一般道よりも滑りやすい状態で、サマータイヤではスリップして走ることができず、事故もあちこちで発生したことが、クルマの停留、立ち往生を引き起こしました。
高速道路上では区間の天候によって電光掲示板に案内が表示される。また、各種アプリなどから最新情報を確認しながら移動することが適切な行動に繋がります。
いったんこうした立ち往生につかまると、短時間では脱出できなくなります。なぜなら立ち往生の列の先頭または後方から除雪を進め、1台1台を動かすという地味な作業が必要だからです。
今回の関越道や首都高での立ち往生は、脱出までに数時間から半日を要しましたが、最悪の場合、数日という単位で動けなくなることもあります。
つまり「立ち往生からどう逃げるか」ではなく、「立ち往生に出くわさないこと」こそが重要なのです。
そのためにはまず、スタッドレスタイヤやチェーンなどの滑り止め対策を基本とし、天気予報や交通情報などで「いまどうなっているか、今後どうなるか」をこまめにチェックすることが大切です。
豪雪地帯を走っていて、今後雪が激しくなるという予報があれば、「安全のためホテルなどに宿泊し移動を控える」という判断も大切でしょう。また都市部では、凍結しやすい都市高速や橋梁、他のクルマのスタックの影響を受けやすい坂道などを避けるルートを選び、移動することがポイントとなります。
そして情報源はできるだけ公式に近いものを選ぶべきです。
今回の関越道の件では、NEXCO東日本が通行止めの措置をとったあとも、一部の地図アプリで関越道を通るルートがふだんどおり案内されたため、湯沢IC近辺に多くのクルマが集まり、身動きがとれない状態が発生しました。ここでさらに豪雪に見舞われたら、大規模な立ち往生につながった可能性もあります。
冬の道路上での立ち往生は、心身がつらいだけでなく、ときに命にもかかわります。つねに“最悪のケース”を念頭にした行動を心がけましょう。
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