油断してると「バチッ」と静電気発生! 冬にクルマの静電気を予防する5つの対策
くるまのニュース / 2022年1月23日 11時10分
空気が乾燥する冬は、クルマに乗るときに「静電気」に悩まされることが多くなります。クルマの静電気対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
■乾燥した冬に静電気が発生しやすいのはナゼ?
冬は空気が乾燥しやすく、「静電気」が発生しやすい季節です。
クルマはとくに静電気が発生しやすく、また、最近ではスマートキーが普及したこともあり、突然ドアノブに触れて静電気の被害に遭うことも多くなりました。
クルマの静電気への対策はどうしたらよいのでしょうか。
乾燥した冬に静電気が発生しやすいのは、人間の体だけでなくすべての物質は少なからずプラスとマイナスの電気を持っていることが関係しています。
通常はプラスとマイナスの電気量が釣り合っており、摩擦などで電気量のバランスが崩れた場合でも電気は常に「流れよう」とする性質のため、空気中の水分などで徐々に放電されます。
しかし乾燥した空気は水分が少ないため放電されにくくなり、体にたまっていきます。
そして、このたまった状態のところに、ドアノブやボディなど電気の流れやすい金属部分が近づくと一気に放電されるという仕組みです。
ちなみに静電気は、湿度20%以下、気温20℃以下になると発生しやすいといわれており、そのため湿度が高い夏よりも乾燥した冬に起こりやすくなります。
さらに冬は服の重ね着などで摩擦が多くなることも静電気が発生しやすい理由です。
また、静電気が起きやすい人、そうでもない人と体質によってかなり差があるようです。
都内の開業医H医師によると、肌の水分量が少ない乾燥肌の人は静電気をためやすいそうです。
「人間の肌(皮膚)は表皮、新皮、皮下組織の3層に分かれているのですが、表面は汗と皮脂で構成される『皮脂膜』があります。
この皮脂膜が加齢や洗い過ぎなどの理由で減ってしまうと、表皮の外側にある角層に蓄えられた水分が蒸発しやすくなってしまいます。
そして水分が減少していく『乾燥』になり、体内に静電気がたまりやすくなるのです」
注意したいのは入浴に関してです。とくに日本人は日頃から湯船にお湯を張って入浴しますが、40℃以上のお湯につかり過ぎると、せっかくの皮脂膜や細胞の隙間を埋める「セラミド」と呼ばれる脂肪が溶け出してしまいます。
また、必要以上に体をゴシゴシと洗ってしまうのも同様です。この季節熱い風呂を好む人も多く、さらに入浴後に保湿ケアなどをしないでいると、どうしても乾燥肌になりやすくなってしまうのだそうです。
「不足している水分を補うためにも、普段から保湿剤などで肌を保すると良いでしょう。
また昨今は、感染予防対策としてアルコールなどで手などを消毒する機会も格段に増えました。しかしアルコール消毒は菌を予防するだけでなく皮脂膜も削ぎ落としてしまうので、ハンドクリームなどで保湿すれば、ドアノブやボディに触れて起きる静電気の放出はかなり抑えられると思います」(H医師)
※ ※ ※
セルフ給油のガソリンスタンドでは静電気除去シートに触れてから給油をおこなうこととアナウンスされていますが、揮発した可燃性の燃料が漂っていることがあり、これは静電気の火花により発火したり、それが元で燃料に引火したりするおそれがあるためです。
また、ガソリンスタンドのスタッフが着る制服には帯電しにくい素材が使われていたり、スタンド内に水をまいて乾燥を防ぐなどの対策をおこなっています。
■革の手袋や天然素材は静電気が発生しづらいってホント?
クルマの静電気対策法としてさまざまなものがありますが、どれだけ有効なのでしょうか。前出のH医師に聞いてみました。
●ドアの開閉前に地面や塀を触る
衛生面を気にする人もいると思いますが、多少の水分を含むコンクリートの地面や塀や壁、樹木などに触れることで、体内にたまった静電気が放電されます。
金属パーツを直接触る前にペタッと触っておくだけでも、静電気の放電は抑制できます。
セルフ式のガソリンスタンドで静電気除去シートに触れるのも同じ理由です。
給油前に「静電気除去シート」をタッチ
●天然素材の服を着用(または重ね着の一番下に)
天然素材は適度に水分を含む性質がありますので、綿や麻、絹(シルク)、レーヨンなどの服であれば摩擦による静電気も溜め込むことはほとんどありません。
一方でアクリルやポリエステル、ナイロンやウールなどは静電気を溜め込みやすい性質がありますので、ウールの下は綿のシャツを着用するなど、上手に静電気を逃すことが重要です。
●手を保湿する
保湿剤やハンドクリームは手っ取り早く肌の水分量や皮脂膜に似た保護膜を形成するので、非常に有効です。
手元にない場合は水分を手につけるだけでも静電気を抑制する効果があります
●革の手袋を着用
天然の皮革は電気を逃す(ため込まない)ので、革製の手袋などを装着していれば静電気の被害はほとんど起こらないといえます。
手袋がない場合は、革製の財布などで一度金属分に触れると、静電気を自然放電できる効果が期待できます。
●静電気除去グッズを使用
静電気除去グッズはもちろん有効です。現在ではキーホルダー対応だけでなく、ブレスレットタイプも人気のようです。ただし常に持ち歩く必要があります。
※ ※ ※
クルマのエアコンには除湿機能がありますが、加湿機能がないものがほとんどで、暖かい車内も乾燥しがちです。
保湿効果のあるものや、マスク、のど飴、ドライアイ用目薬、リップクリームなどの乾燥対策グッズ、ペットボトルの飲料などで、車内の空気中の水分を少しでも確保すると良いでしょう。
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