斬新なアイデア? それとも異端児!? 流行に左右されず高評価だったホンダ車3選
くるまのニュース / 2022年1月23日 6時10分
ホンダは2022年1月7日に、新型「ステップワゴン」を発表。そして同年1月14日には、東京オートサロン2022の会場で新型「シビック タイプR」の実車を初披露して話題となりした。一方で、2021年に3車種の生産を終了し、さらに2022年にも生産終了が決まっている車種があるなど、あまり元気がない印象があります。しかし、かつてはホンダらしさあふれる画期的なモデルも存在。そこで、流行に左右されずに我が道を行くも高評価だったホンダ車を、3車種ピックアップして紹介します。
■ホンダらしさあふれる画期的なモデルを振りかえる
ホンダは2022年1月7日に、新型「ステップワゴン」を発表しました。従来の「スパーダ」に加えて、シンプルなデザインの「エアー」が新たに設定され、大いに話題となりました。
また、同年1月14日から16日まで、千葉県・幕張メッセで開催された「東京オートサロン2022」の会場で、新型「シビック タイプR」(プロトタイプ)の実車を世界初公開。
両車とも2022年中の発売がアナウンスされており、大いに期待が高まっています。
その一方で、2021年には長い歴史があった軽トラックの「アクティ トラック」、ホンダの救世主となった「オデッセイ」、スポーティな高級セダンという新ジャンルに挑戦した「レジェンド」が歴史に幕を下ろしました。
また、2022年には「NSX」と「S660」の生産終了が決まっており、さらに「CR-V」「シャトル」「インサイト」も生産終了するとの報道があるなど、ホンダは明るい話題が少なく、ちょっと元気がないように感じてしまいます。
しかし、かつてはホンダらしさあふれる革新的なモデルも存在。そこで、流行に左右されずに我が道を行くも高評価だったホンダ車を、3車種ピックアップして振り返ります。
●ホンダ初代「シティ」
スペース効率を重視したコンセプトが受け入れられヒットした初代「シティ」
ホンダは1972年に新時代の大衆車として初代「シビック」を発売し、国内外で大ヒットを記録しました。
そして、1979年にはボディを少し大型化してワンランク上のモデルとした2代目シビックが登場。そこで1981年に、シビックに代わるよりコンパクトで安価なエントリーモデル、初代「シティ」が誕生しました。
初代シティは、全長3380mm×全幅1570mmの小さなボディで、いかに室内空間を広くするかというコンセプトを明確にし、それまでのコンパクトカーの常識を覆すほどの全高1470mmというトールボディを採用しました。
全高が高いと空気抵抗の増加や、重心高が上がってコーナリング性能や横風に対する操縦安定性などに影響がありますが、ホンダはそれらの問題を解決しつつ、全体のフォルムも安定感のある「台形」をモチーフにしていました。
搭載されたエンジンは最高出力67馬力(「R」グレード、MT)の1.2リッター直列4気筒SOHC CVCCで、出力的には特筆すべき値ではありませんでしたが、665kg(同)という軽量な車体によって十分な走行性能と、低燃費を実現。
さらに広い室内による積載性の高さをアピールするために、シティのトランクに格納可能な原付バイクの「モトコンポ」を同時発売しました。
初代シティの斬新なコンセプトはユーザーから支持され、大ヒットを記録。その後も高性能なターボエンジンを搭載した「シティターボ」と「シティターボII」、オープンカーの「シティ カブリオレ」、さらにルーフを高くした「シティ ハイルーフ」などバリエーションを拡大して、常にトピックスにあふれたクルマでした。
●ホンダ初代「トゥデイ」
軽ボンネットバンの常識を覆したスタイリングが特徴の初代「トゥデイ」
1979年に、革新的な軽自動車であるスズキ初代「アルト」が誕生。徹底的なコスト削減策によって47万円という低価格を実現し、大ヒットを記録しました。
同時に、商用車登録の「軽ボンネットバン」というジャンルを確立し、1980年代の軽自動車市場で主流となりました。
そんな軽ボンネットバンにホンダは参入することを決め、1985年に初代「トゥデイ」を発売。1974年に軽トラック以外の軽自動車生産から撤退していたため、11年に市場へ復活を果たしました。
トゥデイは極端に短いフロントノーズと、ボンネットのラインから後端までつながるロングルーフ、そして伸びやかなフォルムが特徴ですが、最大のトピックスだったのは全高で、1315mmと軽ボンネットバンのなかでも異例の低さを実現。
また、新開発のサスペンションによって、タイヤをボディの四隅にレイアウトするショートオーバーハング化したことから、室内の前後長を長くして広い居住空間を確保。
前出の初代シティとは真逆のフォルムといえますが、スペース効率を高めるというコンセプトは同じだったといえるでしょう。
搭載されたエンジンは最高出力31馬力(グロス)の550cc直列2気筒SOHCで、ボンネット高を抑えるためにシリンダーを水平に配置し、ボンネット長も抑えて室内寸法の拡大にも寄与していました。
初代トゥデイの斬新なデザインとレイアウトは高く評価され、当時、パワー競争が起こっているなかでも、ローパワーなトゥデイはヒット作となりました。
●ホンダ3代目「オデッセイ」
定評ある低床化技術によって1550mm以下の全高を実現した3代目「オデッセイ」
前述のとおり2021年12月をもって国内向けの生産を終えたオデッセイは、初代を筆頭に日本のミニバン市場をけん引したモデルでした。
初代オデッセイは1994年に誕生し、5代目「アコード」のプラットフォームをベースに開発され、低床の広い室内に、セダンと変わらないドライビングフィールを実現したことから大ヒットしました。
その後1999年に、初代からキープコンセプトとした2代目が発売されましたが、2003年にはコンセプトを一新した3代目が登場。
3代目オデッセイのボディサイズは全長4765mm×全幅1800mm×全高1550mm(2WD)と、それまでのミニバンの常識を覆すほど全高が低く設定され、見た目的にもスタイリッシュかつスポーティなフォルムを実現しました。
一方で、フロア構造の工夫によって従来以上の低床化が可能となり、室内高は2代目よりも5mm高くされるなど、広い室内空間は維持されました。
この低い全高は多くの機械式立体駐車場に対応しただけでなく低重心化も実現し、4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションと相まって、優れた運動性能を発揮。
2008年に登場した4代目も低全高を継承しましたが、5代目では再び大きくコンセプトが変わり、全高を高くして後部ドアはシリーズ初のスライドドアを採用し、一般的なレイアウトのミニバンに変貌を遂げましたが、この5代目を最後に歴史に幕を下ろしました。
※ ※ ※
ホンダの現行ラインナップは、今後、縮小を続けることになりますが、このまま終わることはありません。
すでに発表されていますが、ホンダは2040年に販売するすべての四輪車を電動化し、内燃機関を全廃する目標を掲げています。
そのため、徐々にエンジン車とHVはEVとFCVに入れ替わっていくことになりますが、再びホンダらしさあふれるクルマの登場が期待されます。
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