レクサス新型「LX600」を速攻カスタム!? トヨタ社長も感心したオフロード仕様! JAOSが手掛けたド迫力カスタムとは
くるまのニュース / 2022年1月31日 10時10分
2022年1月12日、レクサス新型「LX600」が日本で正式発表・発売されました。そしてその2日後の東京オートサロン2022では、オフロードを極めたカスタムが施された「LX600“OFFROAD”JAOS ver.」がお披露目されたのです。どのような経緯で開発されたのでしょうか。
■712台中わずか1台だけ出展された「LX600」とは
2022年の東京オートサロンには全部で712台の車両が出展されましたが、そのうちレクサスの新型「LX600」はわずか1台だけでした。
日本国内で新型LX600が正式に発表されたのが2022年1月12日。その2日後にレクサスとジャオス(以下、JAOS)の協業によって誕生した「LX600“OFFROAD”JAOS ver.」(以下LX600 JAOS ver.)が出展されたのです。
卓越した悪路走破性とレクサスならではの高級感を兼ね備えたLX600“OFFROAD”をベースに開発されたジャオス仕様とはどんなクルマなのでしょうか。
LX600 JAOS ver.は、フロントバンパー下部に標準カバーよりひと回り大きい樹脂製フロントスキッドプロテクター、リアバンパー下部にはリアスキッドプロテクターを装着しています。
側面には、精緻なリアルカーボンの織柄でLX600にふさわしい高品質と迫力を両立させたオーバーフェンダーを採用。
足元のホイールは、JAOSとENKEIが共同開発しているTRIBEシリーズの最新モデル「CROSS」をベースに、LX600やランドクルーザー専用として20インチ化したものを装着しました。
このようなカスタマイズが施されたLX600 JAOS ver.について、開発の指揮をとったJAOS赤星大二郎社長に話を伺いました。
――LX600 JAOS ver.はどのようなコンセプトでカスタマイズされましたか?
2022年1月12日に発表されたLX600には、先代「LX570」にはなかった”OFFROAD”というパッケージが新たに設定されました。
その”OFFROAD”をベースにJAOSとしてどのようなプロデュースができるのか?
同パッケージに相応しい「ラギッド (Rugged=武骨で頑丈)」なカスタマイズを色々と提案しLEXUSとの協業という形で車両を貸与いただいて開発に着手しました。
最高級SUVということで、まずは上質なカスタムであることを心がけました。
オフロードパーツを長年作り続けている弊社ですが、カーボン製のパーツなどこれまで私たちがあまり取り組んでこなかった素材やデザインのものも含めて新たな挑戦もありました。
ベースとなるLX600 OFFROAD自体が持つ卓越したオフロード機能を含め、「上質であること」を第一に、惜しみなくやりたいことをやらせていただきました。
――LXをカスタムするうえで、どのような配慮をされましたか?こだわりのポイントは?
私たちが30年以上取り組んできたオフロードパーツ開発や製作で積み重ねてきた知見をもとにしていますが、LX600はたくさん販売されるタイプのクルマではないので、まずはデザインや素材を重視しました。
こだわった点のひとつに、オーバーフェンダー(LX600用type-R)があります。
弊社が同じく今回のオートサロンに出展したランドクルーザー300では片側+9mmと構造変更申請が不要な片側10mm以内の軽微な改造におさめていますが、LX600ではより迫力のあるデザインにするため片側20mmのオーバーフェンダーを装着しており、こちらは構造変更が必要となります。
片側9mmのランドクルーザー300と同じく20mmのLXでは見た目もかなり印象が変わってきますね。
また、あえてボディ同色にはせず精緻なリアルカーボンの織柄にすることでLXにふさわしい高品質と迫力の両立を目指しました。
――タイヤは日本未発売と書いてありますがどんなタイヤですか?
オーバーフェンダーの張り出しに合わせてタイヤサイズも標準装着の幅265mmから285mmに変更しました。
日本未発売の20インチオールテレインタイヤ(TOYO TIRES OPEN COUNTRY A/T III:285/55R20)で、トーヨータイヤの協力を得てアメリカから空輸しました。
現在は日本未発売ですが、今後はニーズや評判を見ながら日本での発売も考えるとのことです。
――ホイールも専用サイズですね
ホイールは弊社のラリーレイドプロジェクト「TEAM JAOS」のラリーマシン用に開発されたENKEI製のホイール「JAOS TRIBEシリーズ」を履いています。
ENKEIとの共同開発で誕生したハイパフォーマンスホイールで、鍛造に匹敵するリム強度と鋳造ならではのディスクデザインを両立しています。
過酷なオフロード走行にも耐えるよう外的衝撃からリムフランジを守る「Wフランジリム」やリムの補強と回転で排土性を促す「フィン状リブ」などが採用されています。
今回は最新モデルである「CROSS」をベースに、LX600(およびランドクルーザー300)専用として20インチ化しました。
■オートサロン会場でサプライズを仕掛けるはずが…
JAOSはこれまで東京オートサロンに長年、オリジナルパーツを装着した4WD&SUV車両を展示してきましたが、自社ブースとして出展したのは今回が初めてとのこと。
しかし、JAOSは東京オートサロンへの出展以前に、1990年代から世界最大級のアフターマーケット見本市である米国SEMAショー(例年11月にラスベガスで開催)に自社ブースを出展していました。日本の4WD&SUVパーツメーカーとしては初となる1996年から2001年まで5年連続です。
1990年代半ばといえば筆者(加藤久美子)がSEMAへの取材に行き始めた頃で、その頃はまだ日本メーカーの出展はもちろん、日本車自体が出展されることもほぼありませんでした。
1985年に創業されたJAOSは日本を代表する4WD&SUVパーツメーカーとして、また自動車メーカーの純正オプションパーツを製作するメーカーとしてもJAOSは数多くの製品を世に送り出してきたのです。
ちなみに今回のオートサロンで赤星社長はじめJAOSのスタッフにとって非常に驚くことがあったといいます。
「発表されたばかりのLX600のJAOS仕様を出展して、皆さんに驚いてもらおうと思ったのですが、オートサロン開幕の14日、豊田章男社長とLEXUSインターナショナルの佐藤恒治プレジデントのお二方がJAOSブースを訪れてLX600“OFFROAD”JAOS ver.に対する感謝のお言葉を下さいました。
まったく予期せぬことで、本当に驚きました。こちらが来場される皆さんを驚かせるはずが、逆に驚かされてしまいました(笑)」
「LX600 "OFFROAD" JAOS ver.」のカタログに使われた写真
ところで、カタログ写真を含めたLX600 JAOS ver.が荒野を走るシーンの画像がとても印象的ですが、これらがどこで撮影されたのか、こんな場所が日本にあるのでしょうか。
JAOSに聞いてみたところ、こちらはJAOS本社がある群馬県内の採石場で施設が休業となる日に協力を得て撮影されたとのことでした。
異世界感たっぷりのラギッドなシーンはLX600 JAOS ver.にピッタリの背景です。
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