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「なぜエンブレムが腐食?」温泉の成分でクルマは錆びる? メッキが緑色になる場合も! 適切な対策方法は

くるまのニュース / 2022年2月14日 17時10分

温泉地にクルマで出かけることもありますが、SNSなどでは「温泉地へ行くならクルマのサビつきに注意」といった声が見受けられます。一体どのような事情なのでしょうか。

■「温泉地で劣化しやすい」は本当?

 SNSを見てみると、「温泉地ではクルマがサビやすい」という声が挙げられています。

 クルマのボディは経年劣化していくものですが、実際に温泉地では劣化が進みやすいのでしょうか。

 一般的にクルマのボディは、鉄やアルミ、合成樹脂などの素材から作られており、時間とともに経年劣化していきます。

 なかでも鉄はサビやすく、海の近くや豪雪地帯だと、潮風や融雪剤に含まれる塩分の影響によってクルマのボディが腐食してしまうケースが見られます。

 そうしたクルマの腐食についてSNSを見てみると、「温泉地をよく走行しているからクルマがサビる」「温泉地へ行くならクルマのサビつきに注意」「温泉旅館の送迎車がすごくサビててびっくり!」という声が挙げられています。

 このように、温泉地でクルマがサビつきやすいというのは本当なのでしょうか。

 大分県の温泉地付近に店を構える自動車販売店の整備士は、このことについて「実際に多く見られる事例です」と話します。

 天然温泉が湧き出る温泉地は日本各地にあり、「温泉」とひと言で表しても湯に含まれている成分はさまざまで、その性質である「泉質」も異なります。泉質によって効能が異なるため、人によって温泉の好みやニーズも分かれます。

 そんななか、日本で比較的多く見られるのが「塩化物泉」という泉質の温泉で、簡単に表すと塩分が豊富に含まれている温泉です。

 温泉街では、温泉が道路の側溝を流れていたり、温泉の蒸気が街に漂っていたりするため、空気が独特の匂いになっていることもあるでしょう。こうした温泉地の空気に含まれる塩分がクルマのボディの腐食を進めます。

 また、塩分のほかにもうひとつ重要となるのが「塩酸」です。泉質のなかには「酸性泉」といった酸性がかなり強いものがあり、これには塩酸が含まれています。

 本来、クルマのメッキパーツは硫酸や硝酸といった一部の酸性成分に強い耐性を持ちますが、とくにクルマ用いられることの多い「クロムメッキ」は塩酸には耐性が低く、簡単に腐食してしまいます。

 前出の販売店整備士はこのことについて、次のように説明します。

「当店付近の温泉の成分によるクルマの腐食事例のなかで、とくに多く見られるのがメッキ部分の腐食です。

 エンブレムをはじめ、外装にメッキ加工を施しているモデルでは、その部分だけが黒や緑に近い色へ変色してしまいます」

 すべての温泉に腐食の原因となる成分が含まれるわけではありませんが、温泉地でクルマを使用する機会の多いユーザーは、メッキパーツを中心に腐食対策を施しておくのが無難といえそうです。

■対策はどうする?駐車の場所にもポイントが

 では、温泉地でのクルマの腐食対策にはどのようなことが挙げられるのでしょうか。

 前出の整備士は、腐食対策について「確実に防ぐことは難しいのが実情ですが、対策としては『シャシーブラック』や『アンダーコート』といった、クルマの下回りのサビ止め塗装が挙げられます」と説明します。

 どちらもカー用品店で一部取り扱いがありますが、まんべんなく施工するためにはクルマをリフトアップする必要があるため、自動車販売店や整備工場などで施工してもらうのが良いかもしれません。

 また、前出の整備士は、それ以外の効果的な方法のひとつとして「クルマの駐車場所」が挙げられるといいます。

 前述の通り、温泉地のなかには街中の側溝を温泉が流れていることが多く見られます。

 なかには側溝の金属製の蓋(グレーチング)から湯気が出ている様子を目にすることもあるかもしれません。

 湯気には塩分や塩酸といった温泉の成分も含まれるため、その上にクルマを駐車してしまうと、クルマのボディが温泉の成分にダイレクトに触れることになってしまいます。

 そのため、そうした温泉の蒸気が出ているような場所にはクルマを駐車しないように心がけることが重要です。

 前出の整備士は「可能であれば屋内の駐車場が望ましいでしょう」といい、「温泉の成分をクルマに触れさせないことが一番効果的」と話します。

ボディカバーをすることでも対策となるというが…ボディカバーをすることでも対策となるというが…

 また、こまめにクルマのボディを洗車したり、拭いたりして、クルマに付いた温泉成分を取り除くことも効果があるようです。早めに対策することで深刻な腐食は防ぐことができそうです。

 一方で、クルマを外的要因から守る方法としては、ボディカバーをイメージする人も多いかもしれません。

 しかし、一般的に温泉地は都市部ではなく郊外にあることが多く、クルマが主要な交通手段となっているケースがほとんどです。

 前出の整備士も「近隣の住宅でボディカバーを使用しているクルマはほとんど見られません」と話しており、毎日クルマで通勤や買い物などをする人が多い温泉地では、ボディカバーの使用は現実的ではないかもしれません。

 なお、整備士によると、同じ温泉地付近であっても、温泉地の中心部とその周辺ではクルマの腐食度合いも異なり、温泉地の中心部のほうが深刻であることが多いようです。

 そのため、クルマの保管場所を可能な限り中心部から遠ざけるといったことを検討してみるのも良いかもしれません。

※ ※ ※

 愛車をキレイな状態で保ちたいと考えるのはふつうのことですが、どれだけ丁寧に保管していても経年劣化は避けられません。

 それでも、効果的な対策をすることで劣化のスピードを遅らせることができます。

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