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クルマの「ハイ/ロービーム」条件次第では違反となる? 街中ではローにするべき? 正しい使い方とは

くるまのニュース / 2022年2月14日 9時10分

クルマのヘッドライトには、「ハイビーム」と「ロービーム」の2種類が備わっており、それぞれ法令によって使う状況が定められています。一体、どのように使い分けるのが正しいのでしょうか。

■「ハイビーム」と「ロービーム」 なんとなくの使い分けはNG?

 視界が悪いなかで周囲を照らしたり、自車の存在を周知したりと、クルマにとってヘッドライトはもっとも重要な機能のひとつです。

 そんなヘッドライトには、「ハイビーム」と「ロービーム」の2種類が備わっており、それぞれ法令によって使う状況が定められています。一体、どのように使い分けるのが正しいのでしょうか。

 法令では、ヘッドライトの光の色や取り付けの位置、個数などが細かく規定されています。

 また、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の第42条では、ハイビーム・ロービームの明るさについて、以下のように定められています。

「走行用前照灯(ハイビーム)は、その全てを同時に照射したときは、夜間にその前方100mの距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有すること」

「すれ違い用前照灯(ロービーム)は、その照射光線が他の交通を妨げないものであり、かつ、その全てを同時に照射したときに、夜間にその前方40mの距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有すること」

 このことから分かるように、ハイビームのほうがロービームよりも明るいライトである必要があります。

 ただ、明るさにも上限があり、ハイビームは2灯もしくは4灯の合計が22万5000カンデラ以内、ロービームに関しては数値の規定はありませんが、ほかの交通を妨げない範囲であることが求められます。

 そんなハイビームとロービームですが、運転者のなかには「街中はロービーム」「山道などの暗い場所ではハイビーム」というように、シーンによって“なんとなく”使い分けている人も多いかもしれません。

 こうした使い分けは一概に間違っているとはいえませんが、実はハイビームとロービームの正しい使用状況は法律によって定められています。それぞれ、どのように使い分けるべきなのでしょうか。

 道路交通法第52条第1項では、灯火類全体について「車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間)道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない」としており、夜間の使用を義務付けています。

 また、ここでは「前照灯」について、「走行用」「すれ違い用」の明記がないため、ハイビーム・ロービームの両者を指しているといえます。

 つまり夜間の走行時には、ハイビーム・ロービームに加え、車幅灯、尾灯(テールランプ)も点灯させる必要があるということです。

 この条文だけを見ると、夜間走行時はハイビームを常時使用することが必要であるかのように取れますが、続く第52条第2項には、ハイビームを消灯させなくてはいけない状況が記されています。

「車両等が、夜間、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない」(第52条第2項)

 このように、ほかの車両とすれ違ったり、すぐ前方に車両がいたりする場合には、交通の妨げにならないよう、ヘッドライトの明るさを減らすことが求められます。ヘッドライトの明るさを減らすためには、ハイビームをロービームに切り替える方法が基本です。

 こうした法令に則って考えると、例えば、周囲にクルマがいない山道や生活道路などではハイビームを活用し、交通量が多い大通りに出た際にはロービームに切り替える必要がありそうです。

 ただ、こうした場所はあくまでも一例であるため、周囲の状況をしっかりと確認し、ほかの交通がない場合には基本的にハイビーム、ほかの交通がある場合にはロービームを活用するようにしましょう。

■ハイビーム忘れで取り締まりになることも?

 このように、法令によって使用の状況が定められているハイビームとロービームですが、切り替えを忘れたことによる取り締まりの事例などは過去に見られるのでしょうか。

 警察署の交通安全課担当者は、「ロービームからハイビームへの切り替え忘れを実際に取り締まった事例は直近ではありません」と話します。

 取り締まりにならない背景には、そもそも運転者の多くが状況に応じてしっかりとハイビームに切り替えていることや、万が一切り替えを忘れてしまっていたとしても、故意ではないことが関係しているようです。

 ただ、切り替えをおこなうことが義務付けられているのは事実であるため、この場合、厳重注意という形で再発防止に努めているといいます。

 なお、ヘッドライトの切り替え忘れは、道路交通法第52条の違反として「減光等義務違反」に該当し、違反点数1点、普通車では6000円、中型車・大型車では7000円の違反金が科せられます。

最近のクルマで標準化されているオートハイビーム機能最近のクルマで標準化されているオートハイビーム機能

 一方で、前述したようにハイビームは前方100m、ロービームは前方40mの距離を照らすことがそれぞれ義務付けられており、ロービームはハイビームに比べて広範囲を照らすことが困難です。

 そのため、とくに周囲が暗かったり、霧がかっていたりと視界が悪い状況においては、ハイビームほど視認性の向上に効果を発揮することができません。

 また、照らす角度もハイビームに比べて下向きであるため、そうした状況において、遠くから来る対向車に自車の存在を周知することにも向いているとはいえません。

 法律に則った操作をすることはもちろん、自車および周囲のクルマの安全な走行のためにも、ヘッドライトの切り替えは状況に応じて正しくおこなうことが重要です。

※ ※ ※

 2020年4月以降に登録される新型車からは、新たな規定に則って「オートライト」の搭載が義務付けられています。

 オートライトとは周囲の明るさに応じて、自動的にライトが点灯する機能で、夜間だけでなく、昼間のトンネルや橋の下などの暗い所でも自動的にライトが作動します。

 また、近年ではハイビームとロービームを自動で切り替える機能も普及しつつあり、トヨタでは「オートマチックハイビーム」、ホンダでは「オートハイビーム」などとして設定しています。

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