「安心感めちゃアップ!」 トヨタ新型「ノア」&新型「ヴォクシー」 デザインだけじゃない「乗り味」の魅力とは
くるまのニュース / 2022年2月21日 17時10分
デザインが先行して話題となったトヨタ新型「ノア」&新型「ヴォクシー」ですが、クルマとしての性能はどれほど進化しているのでしょうか。パワートレイン、駆動方式などそれぞれの魅力とはどのようなところなのでしょうか。
■新型ノアと新型ヴォクシー、従来ミニバンを超えた乗り心地とは
2022年1月13日にフルモデルチェンジしたトヨタ新型「ノア」と新型「ヴォクシー」。
ミニバンはひと昔まえに比べて、用途は多様化し、さまざまな需要も高まりつつあります。
そうした新たな局面を迎えた今、新型ノア/ヴォクシーにはどんな魅力が備わっているのか、一般道での試乗を軸にチェックしてみました。
ラインアップは新型ノア/ヴォクシーとも、パワートレーンとしては、1.8リッターハイブリッド車と2リッターガソリン車があり、どちらもFFと4WD(ハイブリッドはE-Four)を設定。
乗車定員は7人乗りと8人乗りがあり、デザインとしては新型ノアには「エアロあり/エアロなし」の2タイプ、新型ヴォクシーには、1タイプで計3タイプが用意されています。
目に見えないところでの最大の変化としては、1990年代から使い続けてきたプラットフォームに代わり、TNGAプラットフォーム(GA-C)が採用されたことです。
これによって室内空間を最大限に確保しながら、ボディに対する前後のサスペンションジオメトリーの最適化や、従来より着座位置を下げるなどの運転ポジションの見直し、視界の拡大といった各方面での進化が可能となりました。
そこに、すべての電動モジュールを刷新した第5世代のハイブリッドシステムを搭載。
薄型化しつつ先代比15%高出力化されたリチウムイオンバッテリーと、フロントが95ps/185Nm、リヤが41ps/84Nmを発揮するモーターで構成され、最大熱効率40%を実現した1.8リッターエンジンと協調して、最高でWLTCモード23.4km/L(Xグレード)の低燃費を達成しています。
また2リッターガソリンエンジンは、レスポンスを向上しつつ全域でのトルクアップと燃費向上を果たし、10速シーケンシャルシフトマチックがついたDirect Shift-CVTを採用。
燃費は最高でWLTCモード15.1km/L(G、Xグレード)となっています。
試乗はまず、新型ノアのハイブリッド車(FF/7人乗り)の「S-Z」グレードから。
ドアを開け閉めしただけでも、薄っぺらい感じとはちがう剛性感が伝わってきます。
運転席に座ると、まず上から下までとてもよく周囲が見える、広々とした視界にびっくり。
Aピラーが先代の104mmから86mmまで細くなっているだけでなく、クォーターガラスもギリギリ下方までえぐって視界を確保しており、信号待ちで並んだコンパクトカーのホイールまでしっかり目視できたほど。
これなら、小学校低学年くらいの子供もボディの死角に入ることなく、安全確認がしやすいと感じました。
ルームミラーは、カラーヘッドアップディスプレイとパッケージオプションとなっているデジタルインナーミラーが装着されており、スイッチで鏡面ミラーに切り替え可能。
着座位置が先代より20mmさがり、かつ少し後方へずれていることもあり、ミラーとの距離感がちょうどいいのか、普段はデジタルミラーが苦手な人でも見やすいという意見が。
ヘッドアップディスプレイの文字も大きく、視認性がいいことも実感できました。
そして静かなアイドリングから走り出すと、なめらかな発進から余裕のある加速フィール。
アクセル操作に対して、思った通りの自然な反応が得られ、予想よりグイっと速く加速しすぎることがないので、とても落ち着いた挙動で加減速のコントロールがしやすいと感じます。
走行中にエンジンがかかっているのか、止まってるのかはメーター内のエネルギーモニターを注視しない限り判別が難しいほど、どちらでも静かでシームレスに切り替わります。
上り坂でアクセルを踏み足すような場面でも、本来ならブオンとエンジンの存在感がわかりやすくなりそうなところを、うまくモーターアシストがカバーしており、どんなときでもパワー不足を感じさせず、静かでなめらかな走りに感心しました。
また、下り坂ではある条件を満たすと減速をサポートするような制御が入り、どんどん加速してしまうような恐怖感をカット。
フル乗車中や荷物満載のときにはさらに、下り坂で予想以上に加速してしまうことがあるので、これは安心だと感じました。
さらに今回、トヨタ初搭載となった「プロアクティブドライビングアシスト」が全車標準装備となっており、これが一般道でのヒヤリとしがちな場面を予測して、サポートしてくれるありがたさを体感。
例えば後席の子供に「ママ」と呼ばれて思わず視線を子供に向けた瞬間に、前を走っていたタクシーがお客さんを見つけて急停車した、といった状況で減速操作をサポートしてくれます。
慌てて急ブレーキを踏まなくても、減速が間に合うようになるのです。
歩行者の横断や自転車が飛び出してくるかもしれない、といったリスクを先読みしてステアリング・ブレーキ操作をサポートするというこの機能は、いかに街中での普段の走行でも危険のタネが潜んでいるのかを実感させられました。
■斬新デザインだけではない! その乗り心地はどうなの?
続いて試乗したのは新型ヴォクシーのガソリン車(FF/7人乗り)の「S-Z」グレード。
こちらもアイドリングは静かですが、アクセルを踏み込むと控えめなエンジン音が聞こえてきます。
でも発進からのなめらかさはハイブリッドにも引けを取らないレベルで、音にも助けられてキビキビとしたスポーティさが強まっている加速フィールです。
少し急な上り坂では、アクセルを踏み足すとブオンとエンジン音が強まる場面もありましたが、それ以外では存在感は控えめで、高速道路での余裕ある走りも実感できました。
ハイブリッド車、ガソリン車ともにFFモデルで唯一気になったのは、市街地では軽く操作できてラクに感じるステアリングフィールが、高速道路に入っても同じような軽さのため、もう少しドッシリと落ち着きがあるほうが安心感が高まるのではと感じた点です。
ただ、同じ状況で乗り比べた男性ドライバーは高速道路でもとくに不安は感じないとの評価だったので、個人差はあるようです。
ガソリン/ハイブリッド、FF/4WD(E-Four)で異なる魅力とは(画像は新型ヴォクシー)
そして最後に試乗したのは、新型ヴォクシーのハイブリッド車(E-Four/7人乗り)の「S-G」グレード。
試乗するとFFで感じたステアリングフィールより、大きな差ではないですがやや剛性感が高まり、高速道路での落ち着きが感じられ、カーブなどでの操作感にも手応えがしっかり伝わってくるように。
乗り心地もさらに安定感が増し、高速道路だけでなく一般道でもガッシリとしたボディのカタマリ感が強まったように感じました。
これはE-Fourも新型となり、後輪へのトルク配分を約4割まで上げ、コーナリング中の前後トルク配分を最適に制御して操縦安定性をアップする技術が磨かれたことによるもの。
降雪時や雨天時のスリップ抑制など、日常域での安心感が高まっていると感じました。
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