385万円のグリルレス風ワゴンが日本上陸!? 中国BYD「e6」 バス定評も乗用車の販路拡大はあるのか?
くるまのニュース / 2022年2月25日 7時10分
中国の大手自動車メーカーのひとつ「BYD」はひっそりと日本の乗用車市場への参入を果たしていました。BYDとはどのようなメーカーなのでしょうか。
■経産省の資料には「定価」の記載も
中国の高級車ブランド「紅旗」や韓国最大の自動車メーカー「ヒュンデ」、さらにはヨーロッパで人気の「オペル」など、海外の自動車ブランドの日本(再)進出が話題となっている昨今、ひっそりとではありますが、中国の大手自動車メーカー「BYD」も日本市場への参入を果たしていることが明らかになりました。
経済産業省が発表した2021年度補正予算における「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」の補助対象車両を記した添付資料では、各メーカーの電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、そして燃料電池車(FCV)に並んで、BYDのミドルクラスEVである「e6」の名を見ることができます。
資料によると、e6の型式は「不明」、定価は385万円、そして補助見込額は60万円となっています。
クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金が補助対象としているのは、事実上新車購入が可能な正規販売車両のみであるため、その定義でいえば、BYDは日本市場で正規販売をおこなっている自動車メーカーのひとつに数えることができます。
実は、公共交通用の車両、つまりバスにおいては、BYDはよく知られた存在であり、東京や京都などの大手バス事業者では同社のEVバスがすでに導入され、BYDの日本法人も存在しており、日本語の公式サイトも用意されています。
日本ではまだ無名の存在といえるBYDですが、もともとはPC用などのバッテリーメーカーとして1994年に創業したという背景から、現在では世界最大級の車載用バッテリーメーカーという側面も持っています。
いうまでもなく、車載用バッテリーはEVの心臓部であり、電動化の進む昨今の自動車産業においては、車載用バッテリーの生産能力があることは大きな強みとなります。
実際に、BYDは中国本土で多くのEVをラインナップしているだけでなく、一部は欧州市場でも販売されています。
今回日本に導入されたe6も、価格帯やボディサイズは日産「リーフ」と近く、国産自動車メーカーにとっては脅威になるかもしれない存在です。
■BYDの日本市場進出が話題とならないワケ
一方で、BYDの日本市場参入は、紅旗やヒョンデのときほど話題にはなっていません。
BYD JAPANの日本語公式サイトを見ると、e6のページこそ用意されていますが、具体的な価格や購入方法についての記載はなく、モデルの紹介と「自治体・法人向け純電気自動車」の文字が見られるだけです。
BYD JAPANの広報担当者は、e6の日本導入について「国内のパートナー企業様による実証実験用途でのEV乗用車の要望をうけ、実験的かつ限定的に国内パートナー企業向けに販売しているもの」と説明します。
つまり、紅旗やヒョンデとは異なり、一般向け販売はおこなっていないことから、現時点では日本市場参入を大々的にすることはないようです。
では、今後一般向け販売の予定はあるのでしょうか。広報担当者は以下のように話します。
「e6以外の乗用車を日本で販売する計画はなく、一般向け販売の計画もございません。
BYD JAPANでは引き続き、日本における電気バスや電動フォークリフトの販売に注力し、電動化を後押しします」
自治体・法人向け純電気自動車となるBYD「e6」(画像提供:BYD JAPAN)
このように、少なくとも現時点では、e6をはじめとするBYDの乗用車を、日本市場で一般販売する可能性は低いといえそうです。
e6はBYDの本拠がある中国・深センなどではおもにタクシー用途として利用されており、その耐久性やコストパフォーマンスの良さは折り紙付きといわれています。
一日の走行距離がある程度固定されているタクシーは、EVと相性が良いとされていることから、e6は主にタクシー用途での利用がメインとなるのではないかと考えられます。
※ ※ ※
EVにおいては中国の自動車メーカーは世界をリードする存在であり、BYDはそのなかでも中心的存在です。
ヒョンデがEVの「アイオニック5」やFCVの「ネッソ」を導入したように、グローバル基準で開発されたモデルの日本導入はそれほど難しいことではありません。
そういった意味で、BYD、あるいはそれ以外の中国自動車メーカーが、日本市場へ本格的に参入してくる可能性は決して低くはなさそうです。
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