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冬の西日はなぜ眩しい? 運転中の太陽光直撃は危険! 長距離ドライバーが実践する西日対策とは?

くるまのニュース / 2022年2月27日 9時10分

冬は太陽の位置が低く、西日が長く続き、そのため方角によっては運転中に眩しく感じることがあります。そこで、長距離トラックドライバーや、遠方まで納車する販売店スタッフなどに、「西日対策」としてどのようなことをおこなっているか聞いてみました。

■冬の西日が眩しい理由は太陽の高さにある!?

 冬は太陽の位置が低く、西日が長く続く季節です。そのため、進む方角によっては眩しい状態での走行を余儀なくさせられることもあり危険です。

 なぜ冬は西日が長く続くのかという疑問ですが、これは季節によって太陽の高度が違うことが関係しています。

 昼頃に太陽が真南を通過する高さを「南中高度」と呼びますが、これは現在地の緯度と地球の傾き(23.4度)を足して90度を引くことで算出できます。

 たとえば、「冬至」は1年でもっとも日照時間が短く、太陽が低い日ですが、東京は北緯35.5度なので地球の傾きを足して90度を引くと約32度です。「春分」と「秋分」は約55度、「夏至」は約78度と、季節によって太陽の高さ(角度)がかなり違うことが分かります。

 また沖縄の那覇は北緯24度、北海道の札幌では42度となっており、緯度が高い北のほうが冬の日照時間は短く感じられます。

 クルマの運転中は基本的に前を向いており、夏に太陽が高く昇っているときは直射日光が目に当たる角度ではないため、明るいけれど眩しさはあまり感じません。

 一方、冬に太陽が低い位置にあるときは眩しく感じやすいということになります。

 そして、すべてのクルマには「太陽光線の直射による運転者のげん惑を防止するための装置」として「サンバイザー」の装着が保安部品として義務付けられているのです(道路運送車両の保安基準 第45条の3)。

 また、西日の眩しさで見えなくなると危険なのが「信号」です。信号機のレンズが西日を受けてしまうと、どの色が点灯しているのか分からなくなる「疑似点灯」という現象が起こる可能性があります。

 現在の信号機はLED方式を採用したものに切り替わりつつありますが、注意したいのが2種類あることです。

 ひとつは少量のLEDをレンズ全体で均一に使う「集約形LED式」というもの。無白色のレンズを使用していることから消灯時でも白っぽく見え、太陽光が当たると白く反射してしまうことがあります。

 もうひとつは、LEDを細かく配置した「素子形LED式」です。レンズではなく透明なカバーでLEDを覆っているタイプで、太陽光が反射しても無点灯状態では黒く見えるため、西日対策がきちんと施されているといえます。

 ちなみに東京都や複数の県では素子形LED式を採用していますが、一部の県ではLEDの数が半分の集約形LED式を採用しているところもあり、全国で統一されていないのが現状です。

※ ※ ※

 西日を正面から受けて走行する場合、高速道路の「案内標識」は逆光になってしまい見えにくくなるものですが、こちらはNEXCOが対策済みです。

 標識の文字部分には小さな穴が開けられて、光を透過させることで視認性の向上が図られているものがあります。

 ちなみに夜間は、以前は内側から蛍光灯などで光らせる「内照方式」を採用していましたが、最近は近紫外線で発光シートの貼られた標識を照らす「紫外線発光式」を採用しているものもあります。

 ヘッドライトの光に反射して視認性を高めるなど、高速道路の案内標識は格段に見やすくなっています。

■長距離を運転する人たちが実践する西日対策とは?

 日常的にクルマを運転する人たちが実践する西日対策にはどのようなものがあるのでしょうか。標準装備のサンバイザーだけでは防ぎきれない西日はどう対処しているか、長距離を運転することが多いドライバーに聞いてみました。

 長距離ドライバーのIさん(50代・男性)は、量販店などで購入したカーグッズで西日対策をしているといいます。個々の価格も安価なので費用効果は高いそうです。

「トラックは着座位置の関係でアイポイントが高く、標準のサンバイザーだと信号や標識が見えづらいんです。

 その対策として社外品のバイザースクリーンを取り付けています。視認性を犠牲にせずに眩しさを軽減してくれ、使わないときは取り外しできるのも便利です」

眩しい西日はどう対処する?眩しい西日はどう対処する?

 このバイザースクリーンは、いわばサンバイザー型のサングラスのようなもの。半透明なので信号や標識は視認でき、眩しさを軽減してくれるといいます。

 納車で遠方まで出かけることが多い自動車販売店のN店長(40代・男性)は、サングラスを活用しているそうです。

「都内から遠方へ納車することが多く、高速道路を長距離走る機会があります。その場合でも西日にすぐに対応できるように、サングラスは必ず持っていきます。とくに偏光レンズのものを使用するようにしています」

「偏光レンズ」というのは、レンズカラーの濃度を上げずに余分な光だけをカットして、フロントガラスの映り込みや路面の照り返しなどを抑えてくれるものです。水面の反射を抑える効果もあるため、釣り用のサングラスなどでも使用されています。

 都内で個人タクシーを営むKさん(50代・男性)は偏光レンズだけでなく「調光レンズ」のサングラスも併用しているといいます。

 偏光レンズと調光レンズの違いについて、メガネ専門店のスタッフMさんに教えてもらいました。

「偏光レンズは『偏光膜』という特殊なフィルターを2枚のレンズで挟む構造になっています。

 自分が見たいものから直線的に入ってくる光を通しつつ、乱反射によって斜め方向から入ってくる光を『偏光膜』で抑え、必要な可視光線だけにしてくれるのでクリアな視界を確保できます。

 一方、調光レンズとは紫外線の量や気温に応じて色が変化するレンズのことです。日が当たらないところではクリアですが、屋外で紫外線が当たるとレンズ自体が発色します。

 紫外線が多いほどレンズの発色が濃くなるだけでなく、気温が低くなることで濃くなる性質もあります。真夏のビーチより真冬のスキー場のほうが濃くなるということです」

 偏光レンズのサングラスは乱反射の多い西日に対してかなり効果が期待できそうです。また調光レンズもトンネルや日陰、時間の経過など周囲の明るさに合わせてレンズが調光してくれるので、西日に対しても効果的でしょう。

「重要なのは『紫外線透過率』と『偏光度』です。『紫外線透過率』が1%以下、なおかつ有害な紫外線を99.9%以上カットしてくれるレンズのものがいいと思います。

 また偏光レンズなら数値が高いほど雑光をカットしてくれるので、できれば95%以上のものを使用する日対策になると思います」(メガネ専門店 Mさん)

※ ※ ※

 偏光レンズや調光レンズには度付きもあり、普段メガネをかけている人もレンズを交換すれば対応可能とのことです。

 さらに「クリップオン」や「オーバーサングラス」と呼ばれる普段のメガネの上に装着するものもありますので、西日対策用に偏光グラスは常備しておいてもいいかもしれません。

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