デザインが超魅力的で性能も十分! 昭和の時代に発売された1.5リッターエンジン車3選
くるまのニュース / 2022年2月24日 6時10分
長年、日本の自動車市場で高い人気をキープしているモデルのひとつがコンパクトカーです。その多くは1.5リッターエンジン車が主流ですが、昭和の頃にも数多くの1.5リッター車が存在しました。そこで、昭和の時代に発売された魅力的な1.5リッターエンジン車を、3車種ピックアップして紹介します。
■昭和の時代に登場した魅力的な1.5リッター車を振り返る
日本では毎年4月1日時点にクルマを所有するユーザーに対して自動車税が課せられますが、その税額は排気量による区分で決まります。
そのため、かつては自動車税額が比較的安価な2リッター以下のモデルが人気でしたが、近年は性能的にも十分なことから1.5リッター以下のモデルの多くが販売台数の上位を占めるようになりました。
1.5リッター車はこれまでコンパクトカーの主流でしたが、ここ数年でミドルクラスのセダンやミニバンにも波及しています。
そんな1.5リッター車は昭和の頃にも数多く存在し、人気を集めていました。
そこで、昭和の時代に発売された魅力的な1.5リッターエンジン車を、3車種ピックアップして紹介します。
●マツダ5代目「ファミリア」
優れたコンセプトとデザインで空前の大ヒットを記録した5代目「ファミリア」
マツダは1963年に初代「ファミリア」を発売し、大衆車市場に早期から参入していました。
その後、1967年に登場した2代目ではロータリーエンジンを搭載した「ファミリア ロータリークーペ」がラインナップされるなど、ファミリアはファミリー層だけでなく、若者に訴求するスポーティカーへと変貌を遂げました。
そして、1977年に発売された4代目は、FRを継承しつつも小型車で流行していた2ボックススタイルの3ドア/5ドアハッチバックへと一新。使い勝手の良さと、優れた経済性から好調なセールスを記録しましたが、同クラスのライバル車が次々とFF化されるなか、室内空間の広さなどで不利な状況は否めませんでした。
そのため、1980年に登場した5代目ではエンジンからプラットフォームまですべて刷新され、駆動方式もFFとなり、さらにハッチバックだけでなく4ドアセダンが復活。
直線基調のシャープな外観デザインに、充実した装備、利便性や快適性を重視した室内設計に加え、イメージカラーに赤を設定して「赤いファミリア」というキャッチコピーも当たり、若者を中心に大ヒットを記録しました。
搭載されたエンジンは1.5リッターと1.3リッターの直列4気筒SOHCで、トップグレードの「XGi」は電子制御燃料噴射装置(EGI)によって最高出力95馬力(グロス、以下同様)を発揮し、さらに1983年にはシリーズ初の1.5リッターターボエンジン車が登場して、最高出力は115馬力を誇りました。
5代目ファミリアは1982年に計3回、1983年には計5回、国内市場ナンバーワンの月間販売台数を記録したほどの大ヒット作となり、第1回日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞する栄誉に輝きました。
●日産「パルサーEXA」
シャープなフォルムを採用したFFコンパクトクーペの「パルサーEXA」
日産は1970年に、同社初のFF車「チェリー」を発売。「サニー」クラスのボディサイズながら「ブルーバード」に匹敵する室内空間を実現しました。
その後、1974年に後継車の「チェリー F-II」が登場し、1978年には新時代のFFコンパクトカーとして初代「パルサー」が誕生しました。
そして、1982年に2代目へとフルモデルチェンジした際に、ハッチバックとセダンに加えて、2ドアクーペの「パルサーEXA(エクサ)」が登場。
当時、FF車は2ボックスかセダンが主流でしたが、パルサーEXAは短いルーフと切り立った角度のリアウインドウ、リトラクタブルヘッドライトを採用し、数少ないスタリッシュなクーペでした。
発売当初は1.5リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載し、キャブレター仕様は最高出力85馬力、EGI仕様は95馬力を発揮しました。
さらに1983年のマイナーチェンジで、最高出力115馬力を誇る1.5リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載した「パルサーEXAターボ」が登場。このモデルは日本初のドアミラー採用車となりました。
パルサーEXAのラインナップはこれだけに留まらず、1985年には限定モデルとしてオープンカーの「パルサーEXA コンバーチブル」が発売されるなど、実用性を重視したパルサーに対してスペシャリティカーに位置づけられていました。
その後1986年にフルモデルチェンジを果たすと、パルサーから独立したモデルとして車名が日産「EXA」となりました。
●ホンダ「バラードスポーツCR-X」
軽量コンパクトなボディで優れた走行性能を誇った「バラードスポーツCR-X」
ホンダは1983年6月に、FFライトウェイトスポーツカーである「バラードスポーツCR-X」を発売しました。
バラードスポーツCR-Xは3代目「シビック」や同姉妹車の2代目「バラード」と主要なコンポーネンツを共有して開発された3ドアハッチバッククーペですが、シビック、バラードよりも3か月ほど先行してデビュー。
シビックよりも180mm短いホイールベースという非常にコンパクトなサイズで、セミリトラクタブルヘッドライトのシャープなフロントフェイスに、ファストバックのフォルムは生粋のスポーツカーを体現していました。
トップグレードの「1.5i」に搭載されたエンジンは最高出力110馬力の1.5リッター直列4気筒SOHCで、3代目シビックにも同型のエンジンが搭載されましたが、最高出力は100馬力と差別化されていました。
現在の水準からすれば、それほどパワフルなエンジンではありませんが、わずか800kg(MT)と軽量な車体によって優れた加速性能とコーナリング性能を発揮。
この軽量なボディを実現するために、フロントマスク、ヘッドライトフラップ、フロントフェンダー、ドア・ロアガーニッシュ、サイドシルガーニッシュに軽量で耐久性の高いプラスチックを採用するなど、技術面も先進的でした。
その後、1984年10月には最高出力135馬力を発揮する1.6リッターDOHCエンジンを搭載した「Si」グレードが追加され、スポーツカーとしてのポテンシャルがさらにアップしましたが、ローパワーでも軽量化にこだわった1.5iこそ、バラードスポーツCR-Xのコンセプトを象徴するモデルだったのではないでしょうか。
※ ※ ※
前述のとおりコンパクトカーに搭載されているエンジンは1.5リッターが主流ですが、驚くべきことにメルセデス・ベンツ「Eクラス」も、今や1.5リッターターボエンジンを採用しています。
まさにダウンサイジングターボエンジンの見本といえますが、Eクラスの大きなボディでも1.5リッターエンジンで事足りてしまうのは、技術的な進歩にほかなりません。
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