ド迫力エアロの「軽トラ」がアツい! 個性派デザインが人気! 兵庫発の「エアロスーツ」とは
くるまのニュース / 2022年2月26日 7時30分
軽トラといえば日本の農業、漁業、林業などさまざまな仕事で活躍しているクルマです。一方で軽自動車をカスタマイズする文化も近年では根付いてきています。そうしたなかで、軽トラカスタム一筋18年という兵庫発の軽トラカスタムとはどのようなものなのでしょうか。
■18年前から軽トラカスタム一筋!
農作業はもちろん、漁業、林業など狭い道でもたくさんの荷物を積んで元気よく走る軽トラックは日本全国で活躍しています。
またアメリカを中心とした海外でもその使いやすさと耐久性で人気を博しており、25年ルール(製造から25年経過したクルマはアメリカの保安基準FMVSSを満たさずとも一般ユーザー向けに輸入・販売・登録が可能になる制度)解禁によって海を渡る軽トラも年々増加しています。
最近ではそのような使い勝手の良い軽トラをパーソナルユースとして使う人も増えており、人気者の軽トラをカッコよくカスタムして乗るオーナーも増えつつあるようです。
そうしたなか、2022年2月11-13日に開催された大阪オートメッセの会場にも、たくさんのカスタム軽トラが出展されていました。
なかでももっとも目立って、多くの来場者があふれていたのが翔プロこと翔-プロデュース(本社:兵庫県姫路市)が展開するカスタム軽トラです。
会場でスタッフの方に聞いてみたところ、その歴史は長く、まだ軽トラをカスタムすることなどほとんど誰もやっていなかった18年前から軽トラ一筋でカスタムパーツやコンプリートモデルを製造して全国に販売しているとのこと。
なぜ軽トラのカスタムを始めようと思ったのでしょうか。翔-プロデュース代表の金岡浩志氏に話を聞いてみました。
「世の中にはカッコいいスポーツカーやセダンがたくさんありますが、農作業に使われる軽トラはそれらのクルマのなかでも、もっとも『どんくさい』部類に入るクルマだと思うんです。
だけど、そのどんくさい軽トラをカスタムすれば、驚くほどカッコよくなります。
その『変わり映え』の度合いが大きいことで、軽トラをカッコよくしてやろうと思って始めたのがきっかけですね。
18年前、63キャリイ(2002年発売10代目スズキ・キャリイ)からスタートしました。
当時、誰もやっていなかったエアサス、ガルウィング、17インチホイール、全塗装でコンプリートしました。それが今につながっています」
確かに翔-プロデュースの作る軽トラは、ほかにない個性的なデザインのカスタムがたくさんあります。ワイパー部分を隠すだけでも、かなり印象が変わることが分かります。
しかし、翔-プロデュースのカスタム軽トラは単に「カッコいい」「個性的」というだけではないようです。
■一般ユーザーでもバンパーの付け外しが簡単なほど精度が高い
この派手で個性的なスタイルは関西独特のデザインかと思いましたが、実際、注文は全国から来るそうで、意外にも雪深い北海道からも多数の注文が来るといいます。
一般的に雪のなかでは地面とのすきまが少ない車高の低いカスタムカーは不向きと考えられますが、雪国からも注文が入るその理由は何なのでしょうか。
大阪オートメッセの会場でスタッフに聞いてみました。
――翔-プロのカスタム軽トラには雪国のオーナーもたくさんいらっしゃるそうですが、問題なく使えるのでしょうか。
バンパーに限らず、翔プロのエアロパーツは精度が高く、それでいて一般の方でも脱着がしやすい設計になっています。
バンパーの高さも「フル」と「ハーフ」の2種類があるので、雪深い場所や未舗装路で使うことが多ければハーフを選ぶと良いでしょう。
また、エアロパーツは外し方も比較的簡単で説明書を見ながらでも多少知識がある方なら問題なく脱着ができると思います。
――造形にもかなり深いこだわりがあるとのこと。ほかと違うのはどんなところでしょうか。
造形にこだわるのは、誰が付けてもキレイにつくことを第一に考えているからです。
カスタムパーツですから、カッコ良いとか斬新なデザインだということも大事ですが、オンラインショップで販売もしているのでどんな人が付けてもきちんとつくことが重要と考えています。
――かなり複雑なデザインですが、大丈夫でしょうか。
弊社が手掛けるカスタム軽トラの特徴ですね。18年前からずっと独自性のあるデザインにこだわってきましたので、複雑なデザインのものも多いです。
実際、細かい繊細なデザインのものもあるので、型からエアロパーツを抜くのはとても難しいのですが綺麗に抜けるような特別な技術で設計されています。
もちろん耐久性も抜群で長く使っていてもひずんだり、たわんだりもありません。
――デザインはどなたが担当されているのでしょうか。
すべて社長です。もちろん社内でも検討し、社長が出したデザインのアイデアに対して、私たち社員の意見も取り入れてもらえることもありますよ。社長に対しても意見が出しやすい良い環境だと思います。
ただ、弊社の場合、お客さんの要望に合わせて1台1台オーダーメイドのようなスタイルで仕上げていくので、最終的に選ぶのはお客さんですね。
スタッフがお客さんにさまざまなご提案をしながら、相談しながら仕上げていきます。
さまざまなデザインのエアロパーツがラインナップされている
ところで、翔-プロデュースではクルマの世界ではあまり聞かない「エアロスーツ」という言葉を使っています。これはどういう意図があるのでしょうか。
「私たちもおしゃれをするときにはスーツでビシッとキメて出かけますよね。
クルマも同じで『エアロスーツ』で全身をキメておしゃれしよう、というコンセプトです。それで、『エアロスーツ』という言葉を使っています」(前出スタッフ)
※ ※ ※
「スーツ」(suites)には「一揃いの」「一式の」という意味もありますから、「エアロスーツ」は、エアロパーツから足回り、全塗装まで一式揃った「カスタムコンプリート」をメインとする同社のカスタム軽トラにピッタリの呼び名といえそうです。
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