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普通車上限630円増の1920円! 実質「値上げ」の首都高・新料金制度導入まであと1か月 その変更点とは

くるまのニュース / 2022年2月25日 14時10分

2022年4月1日から首都高速道路に新たな料金制度が導入されます。なにがどう変わるのでしょうか、そしてなぜ変わるのでしょうか。

■「都心部の通過交通を抑制するため」上限料金を見直し

 2022年4月1日、首都高速道路(首都高)に新たな料金制度が導入されます。この料金制度について、「なぜ変わるのか」、そして「なにがどう変わるのか」を検証しましょう。

 首都高の料金は、すべての出口に料金所を設けることが困難であることなどから、供用当初より「均一料金制」が採用され、最終的には「東京線」「神奈川線」「埼玉線」のそれぞれの料金圏で一定額(700円、600円、400円。一部区間例外あり)となっていました。

 これが2012年1月、「ネットワーク拡大にともなう利用距離のバラツキで不公平感も拡大した」「ETCにより距離料金を計算することが可能になった」ことを理由に、走った距離に応じ料金が変化する「距離別料金」へと移行します。このときのETC車の“初乗り”は500円で最大900円、現金車は900円(郊外方向は距離に応じて500円から700円)となりました。

 これがさらに変更となる端緒となったのが、2015年9月に国土交通省が発表した「首都圏の新たな高速道路料金に関する具体方針(案)」です。

 この方針案では、首都圏の高速道路料金について「現行の高速自動車国道の大都市近郊区間の水準に統一」「車種区分を5車種に統一」「起終点間の最短距離を基本に料金を決定」が打ち出されます。

 これを受け、首都高は2016年4月に料金を改定しますが、このとき激変緩和措置として「当面」上下限料金が設定され、ETC車の上限料金は「軽・二輪」で1070円、普通車で1300円となりました(その後、消費税率改定により1090円、1320円)。また現金車はETC車の上限料金と同一(一部区間例外あり)とされました。

 そして今回導入される新たな料金制度では、この上限料金が見直されることとなりました。

 その理由について、首都高は「都心部通過に際し周辺の道路よりも首都高が割安な場合などがあり、依然として都心部に渋滞が発生している状況」を挙げ、「都心部の通過交通をこれまで以上に抑制する必要があることを踏まえ、より公平な料金体系のさらなる前進に向けるため」上限料金を見直すとしています。

■軽・二輪で最大500円増、普通車で630円増

 では、新たな制度で、料金はどのようにかわるのでしょうか。まず上限料金「軽・二輪」で最大1590円(500円増)、「普通車」で1950円(630円増)となります。

首都高の値上げ、現金車はどうなるのか?首都高の値上げ、現金車はどうなるのか?

 ここで注目したいのは、この上限料金までは、これまでの料金カーブ(消費税抜き距離あたり料金単価29.52円/km)をそのまま延長した料金体系が採用されていることです。

 そのため従来の上限料金が適用となる距離(35.7km)までの利用では、新たな制度でも料金に変更はありません。つまりその距離を上回る走行に限り、上記距離あたり料金単価が新たな上限料金まで加算されていくのです。

 この従来の上限を上回る距離は、川口線と外環道が接続する川口JCT〜渋谷線用賀出口(38.6km)、湾岸線舞浜入口〜湾岸線本牧ふ頭(38.7km)などをイメージするとわかりやすいでしょう。

 ただ現金車については、これまで同様、ETC車の上限料金を支払うこととなるため、わずかな区間の利用でも「軽・二輪」1590円、「普通車」1950円(一部区間例外あり)と、大幅な値上げとなります。

 なお、こうした「値上げ」の一方で、新たな割引制度も導入されます。

 まず一般の利用者にとって身近なものが、ETC車に向けておこなわれる「深夜割引」です。これは比較的交通量の少ない深夜へ交通量の転換を図るためにおこなわれるもので、深夜0時から4時までの間に首都高の入口等(最初のETCアンテナ)を通過した場合、料金の20%が割引となります。

 また物流を担うトラックなどに多く適用される「大口・多頻度割引」は、車両単位の割引を見直すことで、割引率は現在の最大35%の割引から最大45%(ETCコーポレートカード利用、中央環状線内側を通行しない利用分)へと拡充されることとなります。

※ ※ ※

 こうして新料金制度を俯瞰してみると、上限料金の見直しで、たしかに都心部の通過交通抑制には効果がありそうです。

 しかし、都心部よりも渋滞が目立つことの多い中央環状線は、「大口・多頻度割引」の改定でさらに交通状況が悪化するのではないかと考えられ、制度設計がややちぐはぐな印象です。

 また短距離でも、原則として上限料金になる現金車は大幅な値上げとなり、事実上の“首都高締め出し”がより強化されることとなります。

 はたしてこの新料金制度で都心部の渋滞は解消されるのか、また外環道や圏央道など周辺道路や都内の一般道への影響はどうなるのか。興味を持って見守りたいと思います。

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