インパクト大の存在感! 電柱の「トラ柄カバー」はなぜ設置? 謎の「電柱標識板」とは
くるまのニュース / 2022年3月1日 9時10分
日常生活においてあまり意識しない電柱の存在ですが、電柱には黄色と黒色のトラ柄の柄が特徴的な電柱の腹巻きのようなカバーがみられます。この電柱カバーは一体なんなのでしょうか。
■トラ柄の電柱カバー その正体とは?
普段の日常生活において、電柱の存在を意識することはあまり多くはないでしょう。
しかし、街中の電柱に目を向けてみると、黄色と黒色のトラ柄が特徴的な電柱カバーのようなものが見られます。
街中でよく目にすることができるトラ柄の電柱カバーですが、正式な名称は「電柱標識板」と呼ばれるものです。
では、この電柱標識板は、どのような役割を果たしているのでしょうか。
大型ビルやインフラなど、あらゆる電気設備製品を開発する企業の担当者は「電柱標識板は、昼夜間にわたって電柱の所在を明確にして、歩行者や車両に電柱の存在を知らせる役割があります」と話します。
電柱はコンクリートカラー(グレー)であることが一般的で、街中では道路などに溶け込み、目立ちにくく気づかないうちに衝突してしまう可能性があります。
そのようなクルマなどによる電柱との衝突事故を未然に防止するための安全標識として、電柱の存在を示す電柱標識板が取り付けられていることがうかがえます。
さらに、この電柱標識板は黄色と黒色の組み合わせが多く、黄色の部分が反射板になっています。
そのため、周囲の標識や看板が見づらい夜間においても、この電柱標識板が巻かれていることによって、電柱の存在を一目で確認することができます。
では、なぜ黄色と黒色の組み合わせが多いのでしょうか。その理由について、前出の担当者は以下のように話します。
「黄色は信号でもおなじみのように、警告色として人間の目に止まりやすいことが考えられます。
そのような黄色を黒色と対比させることによって、より目立ち、非常に見やすくなるため、このような色の組み合わせが多いのではないかと思います」
実際に、黄色と黒色の組み合わせは街中でも見かけることが多く、例えば、踏切の遮断機や工事現場等における「立ち入り禁止」のテープなどが挙げられます。
ちなみに、JIS(日本工業規格)では、安全色が定められており、黄色は「注意」を表すカラーであるとされています。
このことから、電柱標識板は、反射板で周囲に電柱の存在を知らせる役割を果たすだけでなく、黄色と黒の組み合わせによって、電柱にぶつかってしまう危険性の注意を促していることがわかります。
※ ※ ※
なお、日本損害保険協会が提供しているデータによれば、電柱を破損っせた場合には「数万円から10万円」と木製やコンクリート製などの素材によって金額が請求される可能性があるようです。
また、電線が切断されたり、電線に関係する設備が破損した際の金額が加わることもあり、送電が停止されたことによる賠償金なども合わせて請求されることも考えられます。
■ほかにもある!道路と私たちを守る安全防止アイテム
前述したように、電柱標識板は、周囲に電柱の存在を示し、クルマや人と電柱の衝突を防ぐための製品ですが、そのほかにも、公道における安全防止対策の製品は多く存在しています。
公道での安全防止対策のアイテムのひとつとして挙げられるのが、「支線ガード」と呼ばれる支線を覆う黄色い製品です。
黄色い謎の存在ともいえる「支線ガード」
そもそも支線とは、電柱から伸びている、電柱を支えている線のことであり、支線ガードは主に電柱のすぐ脇で目にすることができます。
黄色のカバーが斜めに伸びた形状となっており、街中でよく見られるため、「これってなんだろう」と疑問に思ったことがある人もいるかもしれません。
では、支線ガードにはどのような役割があるのでしょうか。前出の担当者は、支線ガードの重要性について以下のように話します。
「支線は電柱を支えているため非常に頑強ですが、それと同時に非常に細い作りになっています。
そのため、万が一クルマや人が支線に勢いよく衝突してしまった場合には、人やクルマをひどく傷つけてしまうという恐ろしい危険性があります。そのような危険性から守るためにも、支線ガードで支線覆っています」
実際に、支線との衝突による事故の事例はいくつかあります。
2016年10月には、兵庫県で、白バイから逃走し対向車線を逸脱していたバイクが、対向車線を順走していた別のバイクと衝突し、前者の運転者がその弾みにより前方に投げ出され、支線にぶつかったことにより体が切断された痛ましい事故が発生しています。
また、2017年12月には、同じく兵庫県で、県道を走行していたクルマが後ろから車線変更してきたクルマと衝突し、押し出された弾みで支線に乗り上がってしまい、クルマが宙吊りになってしまったという事故も起こっています。
このような事故を少しでも防ぐためにも、支線ガードは公道における安全防止対策には必須の製品であることがうかがえます。
さらに、支線ガード以外にも、「電柱保護クッション」と呼ばれる、公道における安全防止のための製品があります。
電柱保護クッションはその名の通り、電柱をガードするためのクッション材であり、これを電柱に巻きつけることによって、クルマとの衝突による衝撃を半減することができます。
前出の担当者は、この電柱保護クッションがよく使用されている場所について「小学校や中学校などの子供の通りが多い付近や、頻繁にクルマが出入りするお店の駐車場付近に設置されていることが多いです」と話します。
※ ※ ※
電柱とクルマの衝突事故はいまだに発生しており、2021年5月には神奈川県で、運転者がわき見をしたことによりクルマが電柱に衝突し、電柱が倒れ、片側1車線の道路が通行止めになってしまったという事故が起きています。
このような事故を避けるためにもクルマを運転する際には、周囲の状況をよく確認することが大切です。
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