かなりイケてたのに残念ながら消滅! 有終の美を飾ったステーションワゴン3選
くるまのニュース / 2022年3月5日 6時10分
かつて日本でちょっとしたブームにまでなったステーションワゴンですが、ニーズの変化から人気が下落。今では国産ステーションワゴンのラインナップはわずかになってしまいました。そこで、シリーズ最後を飾ったステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
■残念ながら消滅してしまったイケてるステーションワゴンを振り返る
1989年に、スバル初代「レガシィ」が発売されました。なかでもオールマイティに使えるステーションワゴンの「レガシィ ツーリングワゴン」がスマッシュヒットを記録しました。
その後、1990年代にはステーションワゴンの人気も急上昇し、各メーカーから次々と新型ステーションワゴンが登場し、ちょっとしたブームにまで発展しました。
国産ステーションワゴンはそれ以前から存在し、セダンをベースとしていたこともあって、小型のモデルから大型の高級車まで豊富なラインナップが展開されていました。
しかし、ニーズの変化から次第に数が減少し、現行モデルではわずかな車種となってしまいました。
そこで、シリーズ最後飾った魅力的なステーションワゴンを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイラインワゴン」
シリーズで唯一、直6ターボエンジンを設定していた「R31型 スカイラインワゴン」
現行モデルの日産「スカイライン」は4ドアセダンのみですが、プリンス自動車から販売された2代目からステーションワゴンが設定されていました。
その後も5代目までステーションワゴンがラインナップされ、6代目では一旦5ドアハッチバックにスイッチしましたが、7代目(R31型、通称:セブンス)で復活しました。
1985年に4ドアハードトップと4ドアセダンのみが先行発売された7代目スカイラインは、1973年に消えた「スカイラインGT-R」以来となる2リッター直列6気筒DOHCエンジンが搭載されたことで話題となりました。
そして、翌年の1986年に2ドアクーペが登場し、ステーションワゴンも追加されました。
スカイラインワゴンの外観はセダンに準じた直線基調の伸びやかなデザインで、当時の流行だった「ハイソカー」のイメージを取り入れていました。
内装も基本的なデザインはセダンと同じですが、分割可倒式のリアシートはリクライニング機構を採用するなど、ユーティリティを強化していました。
エンジンは1.8リッター直列4気筒に加え、トップグレードの「スカイラインワゴン GTパサージュ ターボ」には、最高出力145馬力を発揮する2リッター直列6気筒SOHCターボの「RB20ET型」を搭載し、トランスミッションは電子制御4速ATが組み合わされました。
スカイラインワゴン GTパサージュ ターボは歴代で唯一6気筒ターボエンジンを搭載した魅力的なモデルでしたが、8代目のR32型ではワゴンが消滅し、1996年に発売された「ステージア」へ受け継がれました。
●ホンダ「アコードツアラー」
ちょうどいい性能でデザインも洗練されていた「アコードツアラー」
ホンダ「アコード」には1991年に、シリーズ初のステーションワゴンである「アコードワゴン」が登場しました。アコードワゴンはアメリカホンダで開発・生産された輸入車で、好景気とワゴンブームという背景に加え、洗練されたデザインよってヒット作となりました。
その後、アコードワゴンは代を重ね、2008年には車名を「アコードツアラー」に改められた5代目が登場。
それまでアコードワゴンはアメリカナイズされた印象でしたが、アコードツアラーは欧州テイストなモデルに仕立てられていました。
外観もボンネット、フェンダー、ボディサイドのプレスラインがアクセントになって、エッジが効いたシャープなデザインを採用。
搭載されたエンジンは全グレードとも2.4リッター直列4気筒で、最高出力206馬力を発揮し、トランスミッションは5速ATのみです。
2011年のマイナーチェンジでは、2リッターエンジン車が追加されるとともに、2.4リッターエンジン車には「タイプS」グレードが設定されました。
タイプSは専用セッティングのスポーツサスペンションに、17インチの大径フロントディスクブレーキを装着し、外観も専用デザインのフロントグリルやヘッドライト、空力性能に優れたフロントスポイラーやサイドシルガーニッシュなどが装備され、走りだけでなく見た目にもスポーティでした。
しかし、アコードツアラーが登場した時にはすでにワゴンの人気は下火だったため販売は好調とはいえず、2013年に生産を終了。この代をもって、アコードワゴンは歴史に幕を下ろしました。
●スバル「レガシィ ツーリングワゴン」
最後のモデルで性能的にも集大成といえた「レガシィ ツーリングワゴン」
前述のとおりレガシィ ツーリングワゴンはワゴンブームの火付け役で、なかでも高性能なターボエンジン+フルタイム4WDという組み合わせは、レガシィのブランドイメージ向上には不可欠なものでした。
その後も同様なコンセプトで代を重ねましたが、国内向けのレガシィ ツーリングワゴンは2014年に5代目をもって生産終了。しかし、この5代目こそ、シリーズの有終の美を飾る集大成といえるモデルでした。
2009年に登場した5代目は、北米市場を意識してボディサイズがさらに大型化したことで話題となりました。
そして、伝統的な高性能グレードとして発売当初からラインナップされたのが「2.5GT Sパッケージ」で、エンジンは最高出力285馬力を発揮する2.5リッター水平対向4気筒ターボを搭載。トランスミッションは6速MTと5速ATが設定され、上質なハイパフォーマンスワゴンに仕立てられていました。
さらに、2012年にはシリーズ最強となる最高出力300馬力を発揮する、2リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載した「2.0GT DIT」が2.5GTに代わって登場。
トランスミッションはリニアトロニック(CVT)で駆動方式はフルタイム4WD。走行モードが選択可能な「SI-DRIVE」を標準装備し、低燃費な走りとスポーティな走りが両立されました。
足まわりではやはり伝統的なビルシュタイン製ダンパーが奢られ、さまざまな路面状況でも安定した走りを実現。
2014年に6代目がデビューすると、前述のとおりツーリングワゴンは廃止されセダンのB4のみとなり、同年に登場した「レヴォーグ」が後継車です。
※ ※ ※
繰り返しになりますが、国内メーカーのステーションワゴンは少なくなってしまいました。しかし、前出のレヴォーグや、トヨタ「カローラツーリング」など、魅力的なモデルはまだまだ健在です。
さらに、SUVに該当しますがスバルは2021年12月に新型「レガシィ アウトバック」を発売し、さらに選択肢が増えました。
ステーションワゴンはセダンに匹敵するドライビングプレジャーと、優れたユーティリティを併せ持つ優等生なクルマです。かつてのようには戻りませんが、今後、ランナップの拡大に期待されます。
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