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なぜメルセデス・ベンツ新型「Cクラス」を街で見かけない!? デビューから半年経った通信簿とは

くるまのニュース / 2022年3月20日 10時10分

「Cクラス」といえばメルセデス・ベンツの中心的なDセグメントモデルなのですが、新型Cクラスが走っている姿を街で見かけることはまだ少ない状況です。日本デビューから半年以上が経ったいま、改めて新型Cクラスに迫ります。

■2021年6月にフルモデルチェンジした新型Cクラス

 2021年6月29日に、メルセデス・ベンツ「Cクラス」の最新モデルが日本で発表されました。

 この新型は。1993年にデビューした最初のCクラスから数えて、第5世代となるモデルです。Cクラスは長い間、国内におけるメルセデス・ベンツのベストセラーカーとして人気を集めているモデルです。

 ではそんな新型Cクラスとはどんなモデルなのか、また最新モデルの売れ行きはどうなのかを説明します。

 Cクラスは、メルセデス・ベンツのラインナップのなかで、“FRプラットフォームを採用したもっとも小さなセダン”という存在です。

 今回のモデルも、メルセデス・ベンツのフラッグシップたる「Sクラス」譲りの最先端技術や要素を数多く取り入れ、コンパクトでスポーティなセダンに仕上げられています。

 エクステリアデザインは、最新のメルセデス・ベンツ他モデルと同様の「官能的純粋(センシュアル・ピュリティ)」をテーマに、彫刻的な面を多用。シンプルでありながらクールでスポーティなものとなっています。また、片側130万画素を誇るデジタル・ライトやリア・アクスルステアリングなど、新型Sクラスにも使われる最新技術が数多く採用されています。

 インテリアで目を奪うのは、センターコンソールの上に並ぶ航空機エンジンの噴出口を模したエアコンアウトレット。その下には、11.9インチの大型ディスプレイが備えられています。

 新型Cクラスはシフトノブや運転支援系、オーディオなどの操作系をハンドル周りに集約し、一方で、センターコンソールの物理的なスイッチをミニマムに抑えて、必要度の低い操作系をディスプレイのタッチスクリーンでおこなうことにしているのも特徴です。

 運転中はハンドル周りだけで操作が完結するため、非常に運転しやすく、しかも見た目もスッキリ。モダンかつ合理的な操作系になっています。

 また、上位モデルに採用されているAR(拡張現実)ナビも採用されます。カーナビの案内で交差点などに差し掛かると、車両前方の風景が実写として映し出され、そこに非常に大きな方向指示が表示されます。こうした先進性こそ、メルセデス・ベンツの大きな魅力といえるでしょう。

 パワートレインには、1.5リッターのガソリンエンジンと2リッターのクリーンディーゼルエンジンに、ISGと呼ぶマイルドハイブリッドを採用。また、2リッターのガソリンエンジン車のプラグインハイブリッド(PHEV)も用意するなど、全車電動化されているのも特徴です。

 2021年6月に日本で発表されましたが、発売は、セダンが2021年の秋ごろ、セダンの4WDは2022年第一四半期、プラグインハイブリッドは2022年中ごろ、ステーションワゴンは2022年第一四半期に配車を予定。

 セダンとステーションワゴンの価格は599万円から682万円、プラグインハイブリッドの価格は未発表となっています。また、2022年1月18日に、ステーションワゴンの4WDをベースに車高を高め、専用エクステリアを装備した「C220d 4MATICオールテレイン」(796万円)が追加されています。こちらは実用性の高いクロスオーバー。「Cクラス」のラインナップ中、もっともカジュアルな雰囲気のモデルと言えるでしょう。

■「2022年2月までに まだ2200台ほどしか登録できていない」

 では、そんな新型「Cクラス」は、どれほど売れているのでしょうか?

 日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した2021年の「モデル別新車登録台数順位(暦年:1月から12月)」を見ると、新型Cクラスは、なんと21位以下の圏外。同ランキングで四半期の「2021年10月〜12月」を見ても、18位の952台という数字となっています。これは、ちょっと驚きの少なさです。

メルセデス・ベンツ新型「C200アバンギャルド」のインパネメルセデス・ベンツ新型「C200アバンギャルド」のインパネ

 過去のCクラスの記録を見れば、2014年導入の先代の4代目モデルは、暦年のランキングで2014年から2019年にかけて6年連続3位を獲得しており、メルセデス・ベンツではトップの成績を収めてきました。

 2007年導入の3代目モデルや、その前の2000年導入の2代目モデルは、「Aクラス」や「Eクラス」とメルセデス・ベンツのトップを争ってきました。つまり、Cクラスは、過去20年以上にわたってヒットしてきた大ベストセラーです。

 それが代替わりの年とはいえ、年間ランキングで圏外とは異常事態そのものではないでしょうか。

 メルセデス・ベンツ日本の広報担当者に話を聞くと、「じつは2022年2月末まで、新型のCクラスはまだ2200台ほどしか新車登録できていません」と言います。

 ただ、もう少し詳しく話を聞くと、人気がないというのではなく、半導体不足の影響で、そもそも日本への導入が遅れているというのが苦戦の理由のようです。「ディーラーへのデモカーの導入も遅れています」とも広報担当者。

 また、「マッチングのちぐはぐもある」という理由もあるそうです。

 メルセデス・ベンツの場合、注文を受けてから生産するのではなく、完成したクルマを日本に運び入れ、その中から売っていくという手法です。ところが、今回の半導不足の影響で、高性能な後輪操舵の機能を付けた車両の生産ができないなど、人気グレードを用意できないこともあるようです。

 ちなみにセダンとステーションワゴンの売れ行きは、7:3でセダンが多いとか。ガソリンエンジンとディーゼルの比率はだいたい半々ですが、若干ディーゼルが高いとも。

 また、納車が遅れているとはいえ在庫も存在しているとか。つまり、仕様をあらかじめ決め込んで新型Cクラスを探すというのは難しいけれど、仕様にこだわらなければ、在庫車をすぐに手に入れることも可能といいます。新型Cクラスが欲しい人は、まずはディーラーに相談してみるのがよいのではないでしょうか。

※ ※ ※

 現在はウクライナとロシアの戦争なども始まり、欧州の自動車メーカーの生産の先行きも不透明です。

 デビュー直前に世界がコロナ禍でロックダウン。デビューしたと思えば半導体不足に、欧州での戦争。なんとも不幸な星の下に生まれてしまった新型Cクラスですが、クルマの出来はピカイチ。事態が好転することを祈るばかりです。

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