1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

国産初の「チャイルドシート」45年の歴史に幕 愛子さまも使われたタカタ製商品が生産終了のワケ

くるまのニュース / 2022年3月27日 9時10分

国産初のタカタ製チャイルドシートが一般向け商品の生産を終了したことを明らかにしました。愛子様も使われたチャイルドシートが45年の歴史に幕を下ろします。

■国産初のチャイルドシートが45年の歴史に幕を下ろす

 1977年に国産初のチャイルドシートを世に送り出したタカタ(現Joyson Safety Systems Japan株式会社以下、JSSJ)が一般向けチャイルドシートの生産を終了していたことが明らかになりました。

 タカタのチャイルドシートといえば、歴史の長さもさることながら自動車メーカーが純正品に指定するほど安全性が高く、そして使いやすくメンテナンスにも配慮が行き届いた上質な商品として多くの支持を得てきたことで知られています。

 日本でチャイルドシートの装着義務化が始まったのは2000年4月ですが、タカタが日本で初めて本格的なチャイルドシート「ガーディアンデラックス」を世に送り出したのは1977年12月。

 1977年といえば車両へのシートベルト設置義務はあったものの、着用義務はまだなく運転席・助手席に関しては努力義務のみで罰則もなくシートベルトを着用する人は非常にまれという状況でした。

 タカタは1961年からシートベルトの製造販売をおこなってきましたが、いち早くチャイルドシートを開発、発売した背景にはシートベルトの装着率を上げたい、という狙いがありました。

「子どもがきちんとチャイルドシートに座っていれば大人もシートベルトをつけてくれるのでは?」という思いです。

 タカタがチャイルドシートの製造販売を始めたあと、国内メーカーではカーメイト、リーマン、東海理化、コンビ、アップリカなどがいずれも高い安全性と使いやすさを誇るメーカーの製品が続々と登場し、レーマー(ドイツ)、マキシコシ(オランダ)、グレコ(アメリカ)など世界のトップメーカーのチャイルドシートも日本で販売されるようになりました。

 タカタ製チャイルドシートが人気を得ていた理由は一番に高い衝突安全性能、そして日本国内の工場で生産されていたという安心感と品質の良さにあります。

 国土交通省と自動車事故対策機構が、安全なチャイルドシート選びのために2001年から毎年おこなっている安全性能の評価試験「チャイルドシートアセスメント」においては、タカタ製17機種すべてが最高評価となる「優」を獲得。

 2004年には国内初となる「W優」(乳児・幼児両モードで最高評価『優』)を獲得し、シートベルト固定、ISOFIX、どちらのタイプのチャイルドシートでも「W優」を獲得するなど、その数は国内メーカーで最多を誇ります。

 2001年12月1日にお生まれになった敬宮愛子さまがお使いになっていた2種のチャイルドシートのうちひとつがタカタ製でした(もうひとつはコンビ製)。

 今回の生産終了となった理由について、JSSJの広報担当者は「少子化による需要減少」との回答でしています。

※ ※ ※

 JSSJによると一般向けチャイルドシートの生産は終了しているものの、自動車メーカー純正のチャイルドシートについては今後も生産を続けていくとのことです。

 国内の自動車メーカーの多くがタカタ製チャイルドシートを純正に指定しているのため、ディーラーなどで購入することは可能。

 メーカー純正といってもベースはタカタの一般向けチャイルドシートと同様であるため、たとえばトヨタ純正チャイルドシートでもトヨタ車以外のクルマにも装着が出来ます。(事前に必ず車種適合表で確認してください)

■生産終了で…その後のアフターサービスはどうなる?

 生産終了となると気になるのはアフターサービスですが、どのような対応となるのでしょうか。前出の担当者は次のように話しています。

――生産終了をしたチャイルドシートについてアフターサポートはどうなりますか?

 もちろんこれまで通りサポートをおこないます。

 ただし、お客様相談室へのお問合せフリーダイヤルは2022年2月末で終了しており、3月1日からは公式サイト内のお問合せへ統合させて頂く事になりました。

 いったん、問合せフォームでお問合せいただいた後、必要に応じてお電話にて対応させていただく予定です。

――補修部品などについてはいかがでしょうか?

 自動車メーカーの純正チャイルドシートとしては今後も作り続ける予定です。

 市販品と自動車メーカー純正品との違いはクッション部やカバーのデザインなどが違うだけで中身は同様ですので、基本的な部品については問題ないと考えています。

 また、一般向けチャイルドシートの部品においても生産終了から5年程度は保管する予定です。

「シートベルト着用率アップのため」に誕生した日本で最初のチャイルドシート 「ガーディアンデラックス」(撮影:加藤久美子)「シートベルト着用率アップのため」に誕生した日本で最初のチャイルドシート 「ガーディアンデラックス」(撮影:加藤久美子)

 なお2020年10月、JSSJが一部の車種向けシートベルトに関して強度偽装が発覚しましたが、チャイルドシートのハーネス(子どもの体を固定するためのベルト)については問題がないことが報告されています。

 現在、TAKATAやチャイルドガードブランドのチャイルドシートを使用している人は、公式サイトにて「お客様登録」することをことで今後、リコールなどが発生した際、メーカーから連絡を受け取ることができます。

 また、取扱説明書を紛失・破損した場合でも公式サイトからダウンロードが可能です。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください