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【オービス】最新機器が神出鬼没! 車の「スピード超過」7つの取締り方法とは? 進化が続く違反摘発&事故防止の取り組み

くるまのニュース / 2022年4月2日 9時10分

速度超過による走行は、重大な交通事故を招く恐れがあり、本人だけでなく周囲も巻き込むとても危険な行為です。そこで、事故を未然に防止するために日々おこなわれている速度超過の取締り方法についてまとめました。

■春の全国交通安全運動の前におさらい

「令和4年春の全国交通安全運動」が、2022年4月6日から15日までの10日間実施されます。

 陽気も良く各地から花の便りも届き、絶好の行楽シーズンが到来します。クルマで出掛ける機会も増えるのではないでしょうか。

 しかし、そのような時に気を付けなければならないのが、交通事故です。スピードの出しすぎによる悲惨な事故のニュースも後を絶ちません。

 そこで警察は、事故を未然に防ぐためにさまざまな方法でスピード違反車両を検挙しています。その件数は多く、2021年中だと106万4818件にも上ります(警察庁調べ)。1日あたりだと約2900件、1時間あたりだと約122件になる計算です。

 そこで今回は、その速度超過の多彩な取締り方法や種類を筆者の観点でまとめました。

 予めお断りしますが、取締りの種類や名称などについて、定義などはっきりと決まったものはなく、各個人でとらえ方や認識も異なり、人それぞれの呼称があると思います。

 あくまでも「オービスガイド」を運営する筆者(大須賀克巳)が情報提供をするため、全国の取締りを10年以上調べてきたなかで、独断で決めている部分もあることをご了承ください。

■1.有人による速度取締り(通称、ネズミ捕り)

 ネズミ捕りは、警察官が計測と違反処理を現地でおこなう方式です。

 ネズミ捕りは、全国各地でおこなわれており、取締り場所も決まっていますが、おそらく検挙件数が最多なのもこの方法と思われます。

 このネズミ捕りの方法は(筆者による分類になりますが)大きく分けて3種類があると考えます。

(1) 警察官による機器を使用したネズミ捕り

 計測係の警察官が、レーダーや光電管などの速度計測機を使って速度超過のクルマをチェックします。

 レーダーや光電管を路上に置き、その前を通過したクルマの速度超過を確認すると、通常、計測係から停止係に無線で連絡をします。

 停止係は予め前方で待機し、赤い止まれの旗を出して違反車両を停車できるスペースへ誘導します。

 この停車スペースは通称「サイン会場」などとも呼ばれ、違反の内容により通称「青キップ」や「赤キップ」などの違反処理がおこなわれます。

「ある程度場所が決まっている」理由は、この違反処理をおこなう停車スペースが必要だからです。

ネズミ捕りでの違反車両を「サイン会場」へ誘導(撮影:オービスガイド)ネズミ捕りでの違反車両を「サイン会場」へ誘導(撮影:オービスガイド)

(2) パトカー、覆面パトカー、白バイなどによる待ち伏せ方式のネズミ捕り

 スピードを出して走行するクルマを、警察車両が横道で待つ、「待ち伏せ方式のネズミ捕り」があります。

 高速道路などではPAやSA、一般道では横道や空き地などに待機していることが多いです。

 スピードを出した車両が通過するとすぐに追尾し、赤色灯を回し、一定の距離を違反車両と同じ速度で走行し速度を計測します。

 スピード超過を確認すると、サイレンを鳴らして違反を知らせるとともに、路肩などに呼び止めて違反処理をします。

(3) レーザーパトカー、レーダーパトカーによるネズミ捕り

 北海道などで盛んなのが、レーザーパトカーやレーダーパトカーによるネズミ捕りです。路肩などに停めたパトカーの屋根に載せた計測器で速度を測る方式です。

 速度超過が計測されるとパトカーは違反車を追跡し、パトカー内などで違反処理をおこないます。

■2.車両追尾による取締り

 パトカー、覆面パトカー、白バイが長い区間を走りながら違反車両を探す方式です。

 ネズミ捕りに分類した待ち伏せ方式と同じように、スピードを出して走行するクルマの斜め後方(バックミラーの死角)などに位置を取り、赤色灯を回し、一定の距離を違反車両と同じ速度で走行しながら速度を計測します。

 覆面パトカーは、セダン型が多いのですぐに気が付きそうですが、追尾されている人はサイレンが鳴るまで気が付かないようです。筆者も何度か取締りを目撃したことがありますが、警察官の高度な技術が感じられました。

■3.オービスによる取締り

 オービスは、カメラと速度計測機とストロボの3つの装置が備わった機器とします。

 ストロボ発光には、違反車両を鮮明に撮影する以外に、違反者に違反を認識させる意味もあります。

 オービスは「速度違反自動取締装置」の通称ですが、現在は「固定式」「移動式」「半固定式」の3タイプが運用されています。

(1) 固定式オービス

 高速道路や幹線道路に昔からある大型の機器です。形状は道路をまたぐように設置された支柱上に取り付けられたものや、路肩や中央分離帯に自立しているものがあります。

 この固定式オービスのメリットは、24時間365日無人で何年も稼動し続けることですが、場所が固定されていることにより、位置を覚えられると効果が下がる欠点があります。

(2) 移動式オービス

 運搬や移動が可能な小型のオービスです。場所の固定化を防ぐためとともに、取締りの難しい生活道路でも速度違反を減らす目的で導入されました。

 形状は、三脚にカメラを載せた可搬式タイプと、ロボットのような半可搬式タイプがあります。

 2017年4月に愛知県で初めて可搬式タイプが導入されて以来、全国の都道府県で運用されるようになり、毎年台数も増えています。

移動式オービスによる取締り(撮影:オービスガイド)移動式オービスによる取締り(撮影:オービスガイド)

(3) 半固定式オービス

 2021年に登場した新しい方式のオービスで、固定式と移動式のメリットを合わせたような機器です。

 電源や通信設備などを備えた拠点を複数箇所に予め設置し、オービス本体がそれらの拠点を不定期に移動します。

 このためオービス本体がない拠点でも、ドライバーは速度を落とすため、固定式に比べ費用対効果が高いと思われます。

 また、移動式オービスが通常2~3時間運用なのに対し、半固定式は昼夜問わず連続で動き続けます。

 現在、半固定式オービスは大阪府・熊本県・茨城県で確認されていますが、今後増えることが予想されます。

※ ※ ※

 どの取締り方法にしても、法定速度で走行していれば問題はありませんが、場所によっては周囲のクルマのほとんどが速度超過をしている道や、制限速度で走っていると後続車の渋滞が発生することも実際にあります。

 後続車のプレッシャーに負けたり、円滑な流れに合わせるという理由で速度を超過してしまったりすることもあるかもしれませんが、事故を防止する意味でも、違反を避ける意味でも、後続車に先に行ってもらうなどの工夫をしながら、絶えず周囲に注意し、慎重にゆとりある運転を心掛けたいものです。

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