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なぜ下がらない?「ガソリン価格」 対応バラバラでタイムラグ?「上限25円」ガソリン補助金は適切に使われているのか

くるまのニュース / 2022年4月7日 14時10分

ガソリン価格の高騰が高止まりしています。政府は2022年4月から上限「25円」の補助金を石油元売り会社に支払うことにしていますが、店頭価格は依然として高いままです。なぜ補助金が投入されているにもかかわらず価格高騰しているのでしょうか。

■「上限25円の補助金」投入されるも…安くならないのはなぜ?

 4月5日までガソリン補助金が満額の1リッターあたり25円も出ているなか、資源エネルギー庁が発表した4日時点のガソリン相場は、前週より10銭値上がりし、1リッター174円10銭になりました。

 同庁によれば補助金がなければ4月4日は204円近くなったと主張しています。

 石油元売りがスタンドに卸すガソリン価格、補助金無しで170円以下だった1月下旬より25円以上も高騰しているのでしょうか。

 残念ながら石油元売りがスタンドにガソリンを卸すときの価格は公開されていません。

 状況提供者からデータを見せて貰えるのですが、その数字を出すと辿られてしまうため、具体的な金額を紹介するのは難しい。

 そこで公開されている「ガソリン先物」の相場から辿って見ることにしましょう。参考までに書いておくと、よくニュースに出る「WTI原油相場」も先物の数字です。

 日本のガソリン先物相場を見ると、例えば状況が落ち着いていた2021年12月を見ると1リッター65円前後。

 これに53.8円のガソリン諸税と10%の消費税、配送&スタンドの利益が資源エネルギー庁の調査だと全国平均のため40円程度乗りますから165円くらいになるハズです。

 実際、12月の全国平均は165円。先物相場と実際の販売価格の関係を調べると、ほぼリンクされていると思っていい。

 ということで上限を5円としたガソリン補助金が始まった1月27日の先物相場を見ると、1リッターあたり74円。2月の全国平均のガソリン相場は172円でした。

 続いて25円の補助金が出ている4月4日の先物相場を調べてみたらリッターあたり83円。1月27日より9円高いだけ。25円の補助金が出ているのなら、150円台まで安くなっても不思議じゃありません。

 しかし、文頭に書いた通り174.1円と値上がりしています。補助金はどこに行ってしまったのでしょうか。

 経産省の発表によると補助金は石油元売りに支払われ、スタンドは安くなったガソリンを仕入れることになっています。

 それであればガソリンスタンドが安く仕入れたガソリンを高い価格で売っているのでしょうか。これまた前出の状況提供者のデータを見る限り、現実と違う感じ。

 調べてみると、石油元売りによって対応がずいぶん違うようです。

 補助金分を差し引いた卸価格にしている石油元売りもあれば、仕入れたガソリンの量の補助金を後から支払うというケースも。

 これ、経産省の指示と違いますが罰則など無いため実際は勝手に運用されているということだと考えます。さらに補助金分を反映するのにタイムラグがあるようです。

 酷いケースでは「翌月の月末に補助金分を支払う。それまではガソリンスタンド側が肩代わり」ということだってある。

 補助金分を引いたガソリン価格にしている石油元売りも、補助金を反映した価格になるまでしばらく時間が掛かるなどケースバイケースといいます。

 この件、石油元売りに聞いても「スタンドとの契約内容がそれぞれ違うため一概にはいえないんです」と逃げられてしまう。

 いずれにしろ本来なら25円の補助金が正しく反映されていればガソリンは170円を大きく下回るハズであり、174円を突破するようなことはまったく考えられないのです。

 政府の狙いを、石油元売り含めた流通段階で実現できていないということになります。

 そして税金から支払われた「25円の補助金」はどこに行ってしまったか、ということになる。必ず大もうけしている企業がいるのだと思います。

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