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2023年にも日本登場!メルセデス・ベンツの最新型EV「EQE」ってどう? ドイツで速攻試乗

くるまのニュース / 2022年4月13日 7時40分

メルセデス・ベンツは着々とEV(電気自動車)シフトを進めています。日本では「EQC」「EQA」とSUVタイプしか選べませんが、欧州ではすでに高級モデルの「EQS」や3列7人乗りSUV「EQB」なども市場導入されています。今回、新たに登場した「EQE」の国際試乗会が開催されました。モータージャーナリスト、大谷達也氏のレポートです。

■着々とラインナップを増やすメルセデスのEV「EQシリーズ」

 メルセデス・ベンツが新たに開発した電気自動車(EV)、「EQE」にドイツで試乗しました。

 近年、ヨーロッパではEVの販売台数が急激に増えており、2021年には乗用車全体に占めるEVの販売比率が9.1%に達しました。つまり、新車で販売されたクルマの、ほぼ10台に1台がEVだった計算になります。

 それにも増して驚かされるのが、その伸び率。というのも、2020年のEV販売比率は5.4%だったので、2021年はほとんど倍増に近い勢いで数字を伸ばしていたのです(欧州自動車工業会の統計より)。

 ちなみに、日本のEV販売比率は2020年が0.6%で、2021年が0.9%でした(自販連の統計より)。つまり、伸び率としては欧州並みでも、絶対的な比率としてはまだまだ低いといえるでしょう。急速なEVシフトへの是非はともかく、日本とヨーロッパでは、ユーザーとメーカーの双方にEVに対する意識に大きな違いがあるのは間違いなさそうです。

 ドイツの代表的なプレミアムブランドであるメルセデスベンツも、目覚ましい勢いでEVのラインナップを増やしています。ドイツ本国ではすでに「EQC」、「EQA」、「EQS」、「EQB」などを発売。これに加わる形で登場したのが、今回、試乗したEQEです。

 メルセデス・ベンツのEVは、いずれもモデル名がEQのアルファベット2文字で始まり、それに続く3文字目がクラス(セグメント)を示します。

 ちなみにEQC、EQA、EQBの3台は、それぞれ「GLC」、「GLA」、「GLB」をベースとしたSUVですが、EQSとEQEはEV専用のプラットフォームを用いたセダンで、EQSは既存の「Sクラス」、EQEは既存の「Eクラス」に相当します。

 ただし、EQSやEQEの位置づけは、SクラスやEクラスとは微妙に異なっています。そのことは、それぞれのスタイリングを見比べればわかってもらえるでしょう。

 EQSやEQEは流麗なルーフラインが特徴的で、まるでクーペのようですが、SクラスやEクラスはリアウィンドウとトランクの間に明確な“折れ曲がり”があり、いかにもセダンらしい形に仕上げられています。インテリアにしても、EQSやEQEのほうが現代的で、SクラスやEクラスの落ち着いた雰囲気に比べると、より華やかに見えます。

 では、EQSとEQEでは、どのような違いがあるのでしょうか?

 これはSクラスとEクラスの関係と同じで、EQEのほうがEQSよりボディがコンパクトなほか、後席の居住スペースや装備品により重きを置いたEQSに対して、EQEはどちらかといえば前席重視のクルマづくりになっています。

■ビジネスマンにとってなによりの“おもてなし”となるEQEの静粛性

 今回は、EQEの主力モデルとなることが期待されているEQE350を中心に試乗しました。

メルセデス・ベンツ「EQE350」の走りメルセデス・ベンツ「EQE350」の走り

 EQE350は215kW(292馬力)を発生する1基のモーターで後輪を駆動。90kWhのバッテリーを積んでおり、航続距離は最長で660kmに達します(WLTCモード)。

 乗り始めてすぐ気づいたのが、車内の静けさです。「EVだから静かなのは当たり前」と思われるかもしれませんが、本来、EVはエンジン音がしないだけで、タイヤが発するロードノイズや風切り音はエンジン車と同じように聞こえてもおかしくありません。

 ところが、EQEはこうした音も徹底的に遮断されているので、高速道路を走っていても「サーッ」という軽いロードノイズが聞こえるだけで、車内は驚くほど静かです。

 私は「車内の静粛性」は、クルマの価値を作り出すうえでとても重要な意味を持っていると考えています。

 たとえば、小高い山の山頂にハイキングで訪れたときのことを想像してください。人影はまばらで、天気も穏やかであれば、ときおり小鳥のさえずりが聞こえる程度で、あとは何の音もしないはずです。そういう静かな場所にいると、気持ちがすーっと静まり返っていって、都会の喧噪のなかに身を置いているときとは心持ちがだいぶ変わってくるように思います。

 EQEを運転しているときの気持ちもそれに近く、心がすーっと静まりかえってとても穏やかな気分に浸れます。これは、忙しい毎日を過ごしているビジネスマンにとってなによりの“おもてなし”となるはず。その意味でも、EQEの圧倒的な静粛性はとても価値があるといえます。

 乗り心地は全般的にソフト。中型ないし大型のセダンであっても、最近は機敏なハンドリングを追求して足まわりを固めてしまうモデルが少なくないなか、あくまでも快適性重視の足回りとしたEQEは、1台のクルマとしてのコンセプトが明確で、個人的に強い共感を抱きました。

 それだけに、ワインディングロードを走っていてとりたてて楽しいとは思いませんでしたが、EQE本来の使い方を考えれば、これは重大な問題とはいえません。とはいえ、EQEのコーナリング性能は十分高く、安定感の点でも申し分なかったので、何不自由なくワインディングロードを走れるはずです。

 加速性能も十分以上でした。

 電気自動車の強烈なトルク感をことさら強調するタイプではありませんが、レスポンスが良好で、しかも息の長い加速感を示してくれるので、実際以上に軽快に走る印象を抱くことでしょう。

 今回は速度無制限区間のアウトバーンも走行しましたが、120km/hまではまさに一気に加速する感じ。そこから先はやや勢いが鈍るものの、それでも180km/hくらいまではストレスを感じることなく到達したので、日本でも余裕のある走りを楽しめるでしょう。

 私はまだEQSに乗ったことがありませんが、試乗した知人によると、EQEよりもさらに静かで、さらに重厚だとか。ただし、そのぶん、お値段も高くなるはずです。

 EQEは、早ければ2023年の3月くらいにも日本に向けた出荷が始まるそうです。

筆者の大谷達也氏筆者の大谷達也氏

Mercedes-Benz EQE350
メルセデス・ベンツ EQE350

・全長:4946mm
・全幅:1961mm
・全高:1513mm
・ホイールベース:3120mm
・荷室容量:430L
・モーター最高出力:215kW(292ps)
・モーター最大トルク:530Nm
・バッテリー容量:90kWh
・駆動方式:後輪駆動
・一充電走行距離(WLTPモード):最長660km

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