売れ筋ミニバンに何が? トヨタ「シエンタ」の人気が下降気味!? 販売低迷の意外な原因とは
くるまのニュース / 2022年4月14日 7時10分
トヨタ「シエンタ」は、販売ランキングで月間1位を獲得したことがある人気モデルですが、昨今は販売が低迷しているようです。人気ミニバンに何があったのでしょうか。
■かつてシエンタは月間1万台以上売れていた!
クルマは実用的な移動ツールですが、外観のデザインなどにより人気は左右されます。そのため売れ行きの浮き沈みも大きいです。
トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」は、その典型でしょう。
現行モデルは2015年7月に発売された2代目です。発売翌年の2016年は1か月平均登録台数が1万486台に達して好調でしたが、その後は売れ行きが落ち着き、2017年の1か月平均は8071台、2018年には7837台へと減っています。
発売から時間が経過して販売数が低下するのは当然ですが、2019年には再び1か月平均が9240台に盛り返しました。
その結果シエンタは、日本自動車販売協会連合会が発表する登録車の販売ランキングにおいて、1位のトヨタ「プリウス」、2位の日産「ノート」に続いて3位に入っています。
とくに2019年8月と9月は、プリウスとノートを抜いて、小型/普通車の月別1位を獲得しました。
シエンタの人気が回復した理由について、トヨタの販売店スタッフは次のようにいいます。
「前年(2018年)にマイナーチェンジをおこない、安全装備の強化や2列シート車が追加されてシエンタは人気をさらに高めました。
(当時)また、『ノア』や『ヴォクシー』の設計が安全装備を含めて古くなり、コンパクトなシエンタに乗り替えるお客さまが増えました」
ところが2020年に入ると、シエンタの登録台数は1か月平均で6058台、2021年には4817台まで低下しました。
2020年以降は新型コロナウイルスの影響でどの車種も売れ行きを下げましたが、シエンタは下降の仕方がほかの車種よりも大きいです。
2020年の登録台数は、2019年に比べると34%減となり、ライバル車のホンダ「フリード」にも抜かれ、さらに2021年も下降を続けています。
2022年も状況は変わっていないのですが、かつて登録車で月間トップの販売を記録したシエンタに何が起きたのでしょうか。
シエンタの人気低迷を販売店に尋ねると、以下のように返答されました。
「シエンタの売れ行きは基本的には堅調ですが、下降傾向も見られます。『ライズ』や『ヤリス』『ヤリスクロス』などコンパクトな新型車が増え、小さなクルマを求めるお客さまのニーズがシエンタ以外に分散されるようになりました」
ほかにも、シエンタが2019年に好調に売られ、欲しいユーザーに行き渡った事情もあるようです。
■シエンタのライバルは同じトヨタ車だった!
トヨタのコンパクトカーで室内の広い車種として、2列シート車の「ルーミー」もあります。2020年9月に姉妹車の「タンク」を廃止してルーミーに統合したこともあり、売れ行きは好調です。
シエンタのライバル トヨタ「ルーミー」
2021年の国内販売ランキング(登録車+軽自動車)では、1位のヤリス(21万2927台)、2位のホンダ「N-BOX」(18万8940台)に続き、3位にルーミー(13万4801台)が入っています。
なお、1位のヤリスには、コンパクトカーのヤリスとSUVのヤリスクロス、スポーツモデルの「GRヤリス」がすべて含まれており、このうち、ヤリスとヤリスクロスの登録台数はそれぞれ約10万台です。
クルマを選ぶときの判断基準でいえば、ヤリスとヤリスクロスは別のクルマとなり、そこで登録台数も分割すると、販売ランキングの1位はN-BOX、2位はルーミーとなります。小型/普通車に限れば、ルーミーが1位です。
このようにルーミーの売れ行きが衰えを見せないことも、シエンタの販売下降を加速させています。
そして直近では、シエンタは受注を中止しました。
この件について販売店は、「シエンタはお客さまからの注文を2022年4月上旬に中止しました。パーツなどの供給不足に加えて、近々フルモデルチェンジも控えているからです」と説明します。
最近は各メーカーともに、さまざまなパーツの供給が滞り、納期が遅れています。新聞などでは「半導体不足」の表現が目立ちますが、メーカーの開発者は「半導体は一部に過ぎず、(電気信号を伝えたりする)ワイヤーハーネスから各種のユニットまで、いろいろな供給が滞っています」と指摘します。
この影響をとくに深刻に受けているのがトヨタです。販売店では「カローラ、RAV4、プリウスなど、約15車種の受注が停止するなど、大きな遅れが生じています。契約から3か月以内に納車できるのは一部の車種だけです」とコメント。
これまでの販売推移を見るとシエンタの浮き沈みが目立ちましたが、今後はさらに厳しい状況になりそうです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ランクルにGT-R…「買えない人気車」販売の実態 納期遅延や受注停止が続く「新車購入」の現実
東洋経済オンライン / 2024年9月8日 9時0分
-
やっぱりジムニーなのか? キャンプブームが終わっても支持されるクルマ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月6日 6時10分
-
8月「イチバン“売れたクルマ”」はナニ? 上位は「軽ワゴン」占める… 「全面刷新」続々登場で順位も変化? 販売台数ランキング発表
くるまのニュース / 2024年9月5日 17時40分
-
203万円で「7人」乗れる! イチバン安い「国産ミニバン」どんな人が買う? 国産“随一の安さ”でも装備は十分! コスパ最高の「シエンタ」ユーザーの特徴とは
くるまのニュース / 2024年8月29日 21時10分
-
トヨタ「アルファード」競合不在の発売1年通信簿 今にガソリンエンジン車グレードが売れる意味
東洋経済オンライン / 2024年8月25日 8時0分
ランキング
-
1ユニクロ「完売品続出の新コラボ」必ず買っておきたい“コスパ最高アイテム”8選
日刊SPA! / 2024年9月11日 12時27分
-
2コーヒー、1日に2~3杯飲むと健康的って本当?「食べる」コーヒーレシピ4つ
ハルメク365 / 2024年9月11日 11時50分
-
3民主党政権になった途端に「政策評価」を廃止…経団連と自民党の出来レースだった【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】#6
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月11日 9時26分
-
4三谷幸喜「5年ぶり新作」に入り交じる期待と不安 「スオミの話をしよう」は傑作となるか、酷評か
東洋経済オンライン / 2024年9月11日 11時0分
-
5全長2.2mで3人乗れる! 63万円の新型「トライク」に反響あり! 長距離走れる“ハイスペック仕様”どんなモデル?
くるまのニュース / 2024年9月9日 8時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください