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「中国タクシー」に日本ナンバー装着! なぜ京都に導入された? 斬新グリルレスデザインに注目! 実車はどんな感じ?

くるまのニュース / 2022年4月16日 16時10分

京都のタクシー会社「都タクシー」では2022年3月にBYDが新たに日本へ投入した新車種「e6」を2台採用しました。実際にどのようなクルマなのでしょうか。

 中国の自動車メーカーBYDはバッテリーなどの卓越した電動化技術で有名で、すでに日本でも電気バスやEVタクシーの採用が進んでいます。
 
 京都のタクシー会社「都タクシー」では2021年2月にミニバン型のEV「M3e」を2台し、2022年3月にはBYDが新たに日本へ投入した新車種「e6」を2台採用しました。

 BYDは1995年に広東省深セン市でバッテリーメーカーとして誕生し、現在では蓄電池や半導体、電気自動車のメーカーとして業界をリードする中国民間企業に成長しました。

 自動車に関しては2003年、陝西省に本拠地を置く小型車メーカー「西安秦川汽車」を買収しBYDの自動車部門「BYD汽車」が設立されたところから始まります。

 自動車メーカーとしては20年にも満たない歴史ですが2021年の中国市場においてEV(前年比145%増)+PHEVの合計で1年間に約60万台を販売しました。

 これは世界トップクラスの販売台数でもあり、実際のところ2021年に世界で販売された新エネルギー車トップ10のうち約半数がBYD車です。

 中国市場はもちろん、世界市場においても、もっとも勢いのある自動車メーカーのひとつであることは間違いないでしょう。

 日本では2015年2月にプリンセスラインが京都市内を走る路線バスとして「K9」5台を導入し、本格的なEV事業展開が始まりました。

 また、同じ年には世界初のリン酸鉄(LFP)リチウムイオン電池を搭載したBYDフォークリフトの販売も開始されています。

 近年は日本全国のバス事業者が続々とBYDの電気バス導入を決め、2022年4月現在、24の事業者へ約60台が納入されています。

 今回タクシー向けとして導入されたe6は、日本国内では2022年1月から自治体や法人向けに販売されている電気自動車です。

 中国で2017年から販売している「宋MAX」を元にホイールベースを15mm延長させ、装備を簡素化させた商用モデルで全長4695mmx全幅1810mmx全高1670mm、ホイールベースは2800mmのクロスオーバーEVです。

 装備を簡素化させた商用モデルとはいっても高級感は十分に感じられます。

 17インチアルミホイールが標準装備されており、スタイリッシュなエクステリアデザインにマッチして、全体をシャープなイメージに仕立てています。

 ちなみに、現行のe6は2代目となっており、初代e6は2009年に発売されました。

 初代e6は発表以来、BYDのお膝元である深センをはじめ、香港やマカオ、シンガポールなど、世界各国の都市にてEVタクシーとして採用。

 今回日本で発売された2代目e6もすでに深センなどでタクシーとして採用されており、旧型よりも大幅に向上した航続距離などはタクシーというシビアな運行環境において大きな強みとなってくれそうです。

■e6の実車はどんな感じ? 実際に京都まで見に行ってみた!

 2022年4月初頭、導入されたe6を見るために都タクシーへ足を運びました。

 すでに営業用のナンバープレートは交付されており、公道も走行できる状態にありました。

 また、日本のタクシーには必須である自動ドアに関しては標準で装備していないものの、特注で製作した自動ドアがすでに取り付け済みです。

 タクシーの自動ドアは多くの場合がレバー式ですが、e6にはレバーの機構の搭載が困難であるという判断から、特別に電気式の自動ドアを設計したとのこと。

 これにより、簡単なボタン操作でドアの開閉が可能となったほか、外装に貼るデザイン、そしてタクシーとしての営業には欠かせないメーターの取り付けを待っている状態とのことです。

 e6の航続距離はWLTCモードで522km、荷室容量は580リットル、そして5人乗れる実用的な電気自動車です。実走行距離は350km-400km程度と予想されています。

 なお、都タクシーが最初に採用したM3eは7人乗れるミニバンではあるものの、一充電での実航続距離は250キロ前後でタクシーとしての使用にはやや不安が残るものでした。

 e6の価格に関しては一般社団法人 次世代自動車振興センターの資料によると385万円となっており、補助金として85万円が交付されます。

 日本独特のタクシー装備である特注の自動ドアの架装に費用が掛かるのがやや難点ではありますが、BYDは事業者から得たフィードバックを迅速に丁寧に製品に反映させ改善することで有名なので、実際の使用において出てきた不満なども速やかに解消されることが期待されています。

特別に電気式の自動ドアを設計して採用された都タクシーの新型e6(撮影:加藤博人)特別に電気式の自動ドアを設計して採用された都タクシーの新型e6(撮影:加藤博人)

 今回は特別にe6の後部座席に座らせてもらってその走りを体験しました。

 まず驚いたのが、以前から採用されていたミニバンのM3eとの違いです。

 ベース車の違いはあるものの、内装の質感は遥かに向上しており、シートなどは座っていても疲れを感じさせません。

 また、乗り心地に関しても程よく硬めのセッティングとなっており、M3eでは感じていた重心の高さや、僅かながらの不安定さもe6ではまったく感じませんでした。
 M3eを良い意味で「普通に走る電気自動車」とするならば、e6はその上をいく「ワンランク上の電気自動車」という感想です。

 室内空間も広々としており、長距離の移動も苦では無さそうだと率直に感じました。

 日本で販売されるe6は当面、自治体・法人向けの販売に限るとしています。

 今回のようにタクシーだけでなく、営業車や送迎車、公用車など、使い道はたくさんあるに違いないでしょう。

 航続距離、乗り心地、実用性、そして車自体の完成度。どれをとっても素晴らしい車であるのは確かなので、今後日本国内でますます目にする機会が増えることを期待します。

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