「名前は同じなのに…もはや別人なのね」 自社ロゴ装着も中身は全然違う不思議なクルマ 3選
くるまのニュース / 2022年4月18日 6時10分
自動車メーカーのラインナップにはOEM車という他社モデルに自社のエンブレムを装着しているクルマが存在します。そんなOEM車を3台ピックアップしました。
■エンブレムと中身が異なる…なぜ?
自動車メーカーはさまざまなモデルをラインナップしていますが、なかにはエンブレムはそのメーカーながら中身は別のメーカーといった通称「OEM車」というものも存在します。
今回は、見た目はそのままにエンブレムだけ違うクルマを3台ピックアップしていきます。
●スバル「サンバー」
スバルは新型「サンバーバン」および「サンバートラック」大幅改良モデルを2022年1月13日に発表しています。安全機能や新開発「FR用CVT」を採用することでの燃費向上が図られました。
しかしこのサンバーは、スバルが自社で生産しているモデルではありません。
1961年に発売された初代サンバーは、リアエンジン・リアドライブ(RR)を採用するバン&軽トラックです。
とくに有名なのは、1990年に発売された5代目です。これは、軽商用車ながら直列4気筒SOHCエンジンとスーパーチャージャーの組み合わせや、4輪独立サスペンションが採用されたことにより「農道のポルシェ」と呼ばれるなど、スバルファンのみならず多くのクルマ好きから注目されました。
しかし、スバルは2012年に軽自動車市場からの撤退を決定したことによりサンバーの生産を終了。その後、スバルが販売する軽自動車はダイハツからOEM供給される「ハイゼットカーゴ」、「ハイゼットトラック」がベースとなり、基本的には エクステリア・インテリアのエンブレムが異なるに留まります。
また、前述の大幅改良モデルの発表の際、新型サンバーバンの上級グレードとして「ディアス」を約10年ぶりに復活させており、これのOEM元はダイハツ「アトレー」となっています。
●マツダ「マツダ2(欧州仕様)」
マツダは、グローバル市場においてコンパクトカー「マツダ2」を展開。最近では、2022年スーパー耐久シリーズに次世代バイオディーゼル燃料を使用した「マツダ2 Bio concept」で参戦するなど、新たな動きを見せています。
そうしたなかで、クルマ好きの間で驚きだったのが欧州市場でのマツダ2です。
これまでのマツダ2(ガソリン車)は日本とほぼ同じデザインのモデルが販売されていましたが、2021年12月6日にマツダは「マツダ2 ハイブリッド」を2022年春より欧州に導入することを発表しました。
このマツダ2 ハイブリッドは、トヨタの「ヤリス(ハイブリッド」のOEM車となります。この発表時にマツダは、「コンパクトカーならではの軽快なハンドリング、上質な乗り心地と快適な室内空間、最新の安全技術を備えたクルマ」と説明。
なお、エンジンはヤリス(ハイゼット)と同じで、エクステリア・インテリアにおけるヤリスとの違いはエンブレムに留まります。
●スズキ「ランディ」
ミドルサイズの国産ミニバンといえば、トヨタ「ノア/ヴォクシー」やホンダ「ステップワゴン」、日産「セレナ」などが挙げられます。
そうしたなかで、軽自動車のイメージが強いスズキには「ランディ」というミニバンがラインナップされているのです。
2022年4月現在販売されている3代目ランディは、2016年8月に登場した5代目となる日産「セレナ」のOEM車となります。
ランディのデザインはセレナの標準仕様をベースにしており、フロントグリルのメッキはセレナよりも幅が大きい造形となっているほか、セレナには設定されるエアロ仕様は存在しません。
パワートレインは、セレナが2リッタースマートシンプルハイブリッド車と1.2リッターe-POWER車を設定しているのに対して、ランディは2リッターガソリン車と2リッタースマートシンプルハイブリッド車と異なるラインナップです。
そのほか、セレナに採用される日産の先進運転システム「プロパイロット」もランディには非装着となっています。
※ ※ ※
このように各自動車メーカーには、自社のエンブレムを装着しながら中身は他社モデルというOEM車は数多く存在します。
自動車メーカーがOEM車を設定する理由はさまざまですが、主に自社が持っていないジャンルやユーザー層への提案として用意されていることや、各国の環境規制に対応するひとつの戦略としての手段など異なっています。
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