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「若者よ、ローンを組め!?」 新社会人は「クルマのローン」は通るのか? 入社した人に「言いたいコト」とは

くるまのニュース / 2022年4月21日 9時10分

春になると「新社会人でもクルマのローンは通る?」という質問を受けることがあります。「難しい」というのが一般論ですが、悩むくらいならまずは審査を受けてみよう!というのが筆者の見解です。

■悩むくらいなら、まずは審査を!

 少子化が叫ばれる昨今ですが、それでも毎年4月になると約90万人もの新社会人が誕生しています。
 
 学生生活に終わりを告げることへの不安と、新しい生活への期待が入り交じった新社会人たちの顔を見ると、ベテラン社員も若かりし時代を思い出してこそばゆい気持ちになるものです。
 
 クルマに関わる仕事をしている筆者のもとには、「新社会人でもローンを組めるのか?」という相談を受けることがしばしばあります。

 もちろん、ローンの審査は個々人に対しておこなわれるものであり、審査の内容は原則非公開であるため、ローンに通った場合でも落ちた場合でもそれが「新社会人だから」ということは断定できません。

 とはいえ、一般論でいえば、ローンの審査を通すためには、現時点で十分な資産や収入があり、今後も安定した収入が見込め、なおかつ過去にクレジットやローンを滞納することなく返済していることが前提となります。

 ただし、新社会人の人々には多くの場合この条件には当てはまりません。そのため、「新社会人はローンに通りづらい」というのが常識的な回答となります。

 しかし、筆者のもとに相談に来る人の多くは、こういった「常識的な回答」を期待しているわけではありません。すでにインターネットなどで十分に調べたうえで、「最後のひと押し」が欲しいという場合も少なくないようです。

 たしかに、新社会人がローンを組みにくいのはよく知られている話ではありますが、ローンの審査はあくまで金融機関と申込者との個別の事情であるため、実際のところは「審査してみなければわからない」というのが正確です。

 であるならば、実際にローンの審査を申し込んでみるというのが、最善の策であると筆者は思います。

 もちろん、すべての人にこうしたアドバイスをするわけではありません。単に移動の足が欲しいだけなら、カーシェアをすすめたり、わずかな予算で購入できるコスパの良い中古車をすすめたりします。

 ただし、憧れのクルマがあり、なんとかしてそのクルマを手に入れられる方法がないかという思いを込めて筆者のもとに相談に来る人に対しては、後先考えずにローンの申し込みをすることをすすめます。

 やや暴論であることは承知ですが、ローンの内容が明らかに不釣り合いであれば、ローン会社は容赦なく審査を落としてくれることでしょう。

 もしローンが通ったのなら、自身がどう思っているかは別として、金融のプロは「支払い能力がある」と認めたということです。

 もし、落ちてしまったなら、ほかの金融機関でも通る見込みは少ないので、大人しく社会人としての実績を積みましょう。

 筆者自身、新卒2年目の時点で、年収の2倍近い価格のクルマを、頭金なしの96回フルローンで購入しました。

 一般論からいえば、極めて「馬鹿らしい」ローンであることは重々承知ですが、幸いにして、金融機関は筆者の支払い能力を認めてくれました。

 当時、周囲の人に相談もしましたが、そのほとんどは「無理なく支払えるもっと安いクルマにしたほうがよい」というものでした。

 ただし、筆者はどうしてもそのクルマでなければならなかったので、ほかのクルマをすすめられても心に響くことはありませんでした。

 だいいち、筆者の収入や支出状況も知らない人が、「無理なく支払える」かどうかを判断することはできません。

 このような理由で、しっかりと熱意を持ち、真剣に考えている人に関しては、新社会人であろうが学生であろうが、筆者はできる限りローンの審査を受けることをすすめることにしています。

■「若者よ、ローンを組め!?」

 インターネットを見たり、周囲の人に意見を聞いたりすると、「ローンは組むべきではない」という主張を持つ人も少なくありません。そうした主張の根拠となるのは、「金利がもったいない」というものです。

 実際、現金一括で購入すれば金利はかかりません。逆にいえば現金一括で購入できないクルマは買うべきではないという人も少なくありません。

 もちろん、個々人の思想の問題ですから、そうした考え自体は否定すべきものではありませんが、筆者はこの意見には必ずしも賛同しません。むしろ、若者こそローンを積極的に活用すべきだと考えています。

 現在、日本人の平均年齢は約48歳前後といわれています。新車を購入するのもおおむねこの年齢層であり、さらにいえば、自動車メディアのおもな読者層でもあります。

 40代後半から50代前半といえば、社会人として25年から30年ほど経過したタイミングです。

 一定の資産を持っている一方で、今後大幅な収入アップは見込めず、子どもの教育費用や迫りくる老後のための資産形成を考え、できる限り月々の支出を減らしたいタイミングでもあります。

 よほど余裕がある人でなければ、この年代ではクルマに掛ける費用はおさえたいという人がほとんどです。

 ましてや、ローンを組んでまで年収以上のクルマを購入しようとする人は少数派でしょう。そのため、できる限り手元の現金で購入できるクルマを選んだほうが無難です。

 つまり、新車の購入をもっとも考える年代の人は、ローンを組まないほうが経済合理性が高いといえます。

思い切ってローンで憧れの新車を購入! 大変でも学びは多い?思い切ってローンで憧れの新車を購入! 大変でも学びは多い?

 一方で、若者は現時点こそ多くの資産はないかもしれませんが、今後収入は上がる見込みは高いという特徴があります。そして何よりも、クルマを使って遊び倒すことができるだけの無尽蔵の体力があります。

 であるならば、ローンによって資産が形成されるまでの時間を短縮化するというのは、それはそれで合理的ではないかと思うのです。

 もちろん、これもクルマに対する強い意志と、収入アップのための絶え間ない努力、そして「度胸」があることが前提です。その場の快楽を考えてローンを組むのは決しておすすめしません。

 筆者の個人的な経験でいえば、96回ローンを組んだことによって、現金一括に比べて70万円以上の金利が発生しました。

 もし、貯金をしてから購入すれば、70万円おトクに購入できたかもしれませんが、人生とはそう単純なものではありません。

 その後の筆者は、家賃とほぼ同額のローンを支払うために、仕事に一生懸命取り組み、転職や起業をした結果、当時に比べて収入は大きくアップしました。クルマを購入したことで生まれたご縁が、仕事につながったことも一度や二度ではありません。

 もし、あのときローンを組んでいなかったら、今の自分はなかったでしょう。相応の苦労はありましたが、そういう意味で、ローンを組んだことは筆者の人生にとって大きなプラスだったと考えています。

※ ※ ※

 アジアの新興国などでは、ローンの利用者がとても多いといいます。それはつまり、将来的な収入アップや安定収入が期待できることの裏返しといえます。

「分不相応なクルマに乗るのは単なる見栄でしかない」という人がいます。もちろん、それも大事なことですが、若者の「見栄」は、「向上心」の現れでもあります。

 新社会人を迎えた若者たちが、安心してローンを組めるような社会とすることは、すべての「先輩」たちの責務といえるでしょう。

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