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東京・大阪間の高速SA「うどん出汁」の境界線はどこ?「関東風」「関西風」だけじゃない「名古屋飯」の存在も!?

くるまのニュース / 2022年5月1日 7時30分

うどんの出汁は地域ごとに特色があり、とくに鰹節ベースの関東風と昆布ベースの関西風という違いがあります。東京から大阪へ向かう高速道路のSA/PAで、関東風から関西風へ出汁が切り替わる境界線はどこにあるのでしょうか。

■「関東風」「関西風」の境界線は関ケ原! でも周辺に高速SAがない!?

 食文化はその土地ならではの特色があらわれやすく、なかでも出汁と醤油はかなり大きな違いがあります。

 醤油は関東や東北では濃口、関西では薄口、九州では甘口といったように、味はもちろん、料理の見た目にも大きく影響しますし、出汁も関東が鰹節ベースなのに対し、関西では昆布ベースが基本とされています。

 そして、その両方を用いた「うどん」は、関東 vs 関西の激論の題材としてよく登場します。

 とくに関西圏の人にとって関東のうどんの汁は、「醤油ごっつ強すぎて濃いわ!」と毛嫌いする人も多いようです。

 そこで、東京と大阪を結ぶ東名高速や名阪高速といった高速道路にありSA/PAで、うどんの出汁が「関東風」から「関西風」に切り替わる、「出汁の境界線」がどこにあるのか調査してみました。

 まず、高速道路のNEXCO中日本やNEXCO西日本のSA/PAの運営会社に問い合わせてみたところ、「出店者様の自由なので、こちらでは一切関与しておりません」との回答でした。

 そこで一旦SA/PAから離れて、場所として出汁の境界線を調査したところ、インターネットで行き着いたのが、産経新聞に掲載された「日清の『どん兵衛』が東西で味が違う理由」という記事。

 日清の看板商品のひとつである「どん兵衛」は、鰹節メインの出汁と濃口醤油を使った関東風のつゆは「E(EAST)」、昆布出汁と薄口醤油の関西風つゆは「W(WEST)」とパッケージに表記してあるといいます。

 日誌食品ホールディングスが約1年をかけて調査した結果、関東風と関西風の出汁の境界線としてたどり着いたのが岐阜県と滋賀県の間にある、天下分け目の決戦場として名高い、岐阜県不破郡関ケ原町。

 徳川家康率いる東軍と石田三成率いる西軍が激しい戦闘を繰り広げた歴史的にも有名な土地です。

 実際に関ケ原には、関東風と関西風の2種類のつゆから好みを選択できるようにしているうどん屋さんもあるのだとか。

 しかし、「出汁の境界線は岐阜の関ケ原!」というわけにはいかないのが難しいところ。実は東京・大阪の高速道路上には関ケ原周辺にSAがなく、あるのはPAのみ。しかもそのPAではうどんではなくラーメンが名物だといいます。

※ ※ ※

 東京・大阪の中間にある名古屋周辺で、出汁について再調査してみました。

 そこで判明したのが「名古屋めし」(名古屋を中心とした独自の食文化や名物料理)の強さです。

 東京・大阪間には、関東風と関西風だけではなく、中京地域ならではの出汁があるようなのです。それは「むろ節」と「さば節」です。

 まろやかでさっぱりしたムロアジから作られた節と、脂分が多く旨味たっぷりの濃厚さが特徴のさば節を出汁のベースとして、独自の出汁を形成しています。

 これをベースにたまり醤油など濃口を組み合わせる「赤つゆ」や、白醤油を組み合わせた「白つゆ」などを生み出し、名古屋の麺料理として有名な「きしめん」のつゆは作られています。

 しかも、このきしめんの人気が高く、関東から関西に向かう途中ではまず名古屋の出汁を通過しないと関西風に辿り着けないようなのです。

■「出汁の境界線」長距離ドライバーに聞いてみた!

 関ケ原周辺を通るのは名神高速ですが、もっとも近いと思われるSAが滋賀県の「多賀SA」です。

 もうひとつの太平洋側の伊勢湾岸道路を経由する新名神ルートでは、滋賀県甲賀に近い「土山SA」あたりが境界線として有力候補となります。

東京・大阪間の高速SA「うどん出汁」はどこで切り替わる?東京・大阪間の高速SA「うどん出汁」はどこで切り替わる?

 ただし、滋賀県にはご当地名物となっている「近江ちゃんぽん」があり、うどんはメインとはいえない様子。

 しかもこの近江ちゃんぽんの出汁が、鰹節と昆布など7種類の素材をブレンドするハイブリッド出汁となっており、それこそ「関東風」と「関西風」を「中華風(ちゃんぽん)」に掛け合わせた複雑なものになっています。

 そこで、関西に出張する機会が多い長距離ドライバーに直撃。関東風と関西風の出汁の違いはどのあたりで感じるのでしょうか。

 主に都内から他県への運搬を手掛けるドライバーのIさん(50代・男性)に話を聞いてみました。

「あまり深く意識したことはありませんが、確かに琵琶湖周辺になると関西風の出汁に変わる気がします。

 感覚的には、西に向かうにつれて徐々にうどんのつゆの色が薄くなっていく感じです。

 ただ、名古屋ではきしめんよりも味噌煮込みうどんばかり食べちゃうんですが、名古屋はむろ節と鰹節がメインになるみたいです」

 次に、名古屋や大阪まで取材に行くという自動車雑誌の編集者Aさん(40代・男性)にも話を聞いてみました。

「関東では、基本的にあまり肉系のうどんは食べない気がしますが、それが関西になるとグッと肉うどんのメニューが増えるんです。

 滋賀には地元のブランド牛『近江牛』の肉を使ったうどんがありますので、あのあたりが境界線になるのではないでしょうか」

 東京・大阪間ではやはり名古屋めしの勢力が強く、Iさんが鈴鹿サーキット(三重県)への取材の際に食べるのはもっぱら名古屋めし系の味付けのものが多いとのこと。名古屋パワーは偉大です。

 愛知のお隣である三重県は、関西と呼ばれる近畿地方と中部地方の両方に属しているといわれます。三重県在住の知人に話を聞くと、「気持ちは関西人、でも食文化は名古屋めし」なのだとか。

 実際、東名高速~名神高速、または伊勢湾岸道路を経由するルートでも、愛知県と三重県の県境に流れる木曽川を境に、カレーに使用する肉がポークからビーフに切り替わるなどかなり関西色が強くなるのだそうです。

※ ※ ※

 明確な境界線こそありませんが、いろいろな人の話を総括すると、滋賀県あたりまで来るとうどんの出汁は関西風になるといえそうです。

 地域の名物を食べたり出汁の違い食べ比べてみるのは、長距離ドライブの醍醐味といえそうです。

 大型連休に関西方面、または関東方面に出かける人は、出汁の違いを楽しんでみてください。

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